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カテゴリ:スウェーデン文化
日本ではまだ大学が休みのこともあって、9月は日本からスウェーデンを深く知ろうという友人・知人の来訪が重なる。
スウェーデン織りに魅せられ、機会があればこちらにみえて精進を重ねられている方と、ストックホルムの中心にある絹織物博物館を訪れた。 Slussenという旧市街からも歩いてすぐの所に、1800年代にあった絹織物工場の建物跡にひっそりとある。 今はもう回りに多くの建物に囲まれ、ここに大きな工場があったことは外見から想像がつかない。 小さな入り口で、説明付きガイドの事を聞くと、日本語での博物館の絹織物を紹介するDVDがあるので、それを見て全体像を掴んでから具体的に見て回ればと薦められる。 ここに日本語の説明DVDがあるのは、こちらの織りを体験するために訪れる大学があるのと、商業団体のつながりもあるそう。 19世紀頃の産業革命で絹織物も工場制手工業の流れに乗って、大きく発展していったことが伝わり、日本とオーバーラップした。 歴史的・社会的な展示を見た後で、織り機のある工房へ。 織り機を扱われている職員の方が説明をしてくださったが、自ら織りをされる友人がいろいろ的確な質問をされるので、職員の方が一生懸命いろいろと教えてくださった。 1センチ当たりに80本の絹糸を縦糸にするという説明に、手で織ることの大変さに気が遠くなりそうだった。 実は、昔のジャーガード織りの織り機を使って、手で絹織物を折る人はその職員の方しかスウェーデンにはいらっしゃらないそう。 ヨーロッパでも手織りをされる方は数人しかいらっしゃらない。 彼女の織るものはとてつもなく時間がかかり高価なものなので、出発時と同じように王族のために作られるそう。 一人しかいらっしゃらないので、後継者はどうやって育成していくのかと質問すると、彼女が退職する事を見越して見習いの弟子を誰か見つけて仕込んでいければとおっしゃっていた。 何事もお金がかかることと、根気の問題もあるので前途多難かもしれないが、織りに関心を持つ人も多いので大丈夫だろうといっていた。 いろいろな昔の織りに関係する機材が残っているのを見て回るのに、織りを現実に使っている人と一緒だと、そのもの自体が何でどう動くのかが分かり、とても興味深く見ることができた。 以前一度来た事があったのだが、ほとんどのことがあたかも初めてのようにほとんど印象に残っていなかった。 それが、知識を持った人と来た事で、展示物に命が吹き込まれたような気がした。 機械を使う形で展示する意味は大きい。 ストックホルムに来られた際には訪れて欲しい小さな博物館。 http://www.kasiden.se/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年09月19日 19時18分12秒
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