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Feb 17, 2008
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レスピーギは交響曲や大規模な協奏曲を残していないが、比較的コンパクトでわかりやすい交響詩(「ローマ三部作」に代表されるような)を残している。大規模なオーケストラを使った曲が色彩豊かに響くのはリムスキー=コルサコフが師匠であることが大きいのかもしれない。

しかし、ここで取り上げるのは極彩色のオーケストレーションとは逆の、弦楽合奏によるシンプルな作品である。この曲は、音楽学者キレゾッティによって編纂されたリュートのための音楽集から旋律を借りてつくられた組曲シリーズの第3弾である。ちなみに、最初の2つの組曲には管楽器や打楽器などが登場する。レスピーギはサンタ・チェチーリア音楽院の教授を務める傍ら、イタリアの古い音楽を発掘していたので、こういった曲が構想されたのかもしれない。ちなみに、作曲されたのは1931年、20世紀にどっぷりつかっている中でこの音楽、ストラヴィンスキーが目指した新古典主義ともちょっと違った色合いが面白い。

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第1曲:「イタリアーナ」
主題は作曲者不明のリュートのための曲から採られている。主題はチェロのピチカートによるアルペジオに乗って登場するが、これがリュートを示しているのだろう。

調号は♭3つで書かれているが、単純に変ホ長調でもなければハ短調でもなく、両方の要素を行ったり来たりしている。始まってしばらくして場面が変わるところもヘ長調のように感じるが実は違う。スコアを見ていくとわかるのだが、実は調性を明確にするために必要な音からずれているものが書かれていて、これが「古風な」曲の正体ではないかと思われるのだ。旋法的な音の並びになっていると考えられる(ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」もこの方法を使っているように思う)。

主題が帰ってくる直前、少しゆっくりになってから元のテンポに戻るところが、陰のある何とも言えない味わいを感じる。主題が戻ってきた後もう一度主題が繰り返されるが、ここではそれまでに登場しなかったレ♭が登場することでどこに行くのかという「?」感を出し、最後は明るく静かに終わる。ヴィオラのフラジオレットがいい味を出している。

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第2曲:「宮廷のアリア」
ベサールという作曲家の旋律をつなげたものだと言われている。この組曲の中で最も演奏時間が長い。冒頭はヴィオラの暗い旋律。調号はト短調だが、やはりここでも旋法が使われているような感じ。主題も9小節で、字余り感がある。こういったつくりも古い曲の特徴だと言えそうだ。

その後はテンポや拍子をを目まぐるしく変える。途中、4分の1拍子まで出てきて、これがまた独特の字余り感を生み出している。また、ゆっくりと雄大な感じの部分でも3拍子の中にいきなり4拍子が挟まれていたりして面白い。明るい部分と暗い部分とを対比させつつ、最後は冒頭の旋律が出てきて静かに終わる。

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第3曲:「シチリアーナ」
この組曲の中で最も有名な曲。作者不明の旋律を3回繰り返す(もちろん、伴奏は変奏されているが)というシンプルな曲。旋律もきわめて単純明快だが、それが変奏され、ダイナミクスに変化をつけられるとここまで味わい深いものになるのかと感心してしまう。

曲が進行するにつれてどんどん熱くなっていくところでの低弦でクレッシェンドをかけていくところがスゴイ。最も情熱的な頂点に当たる部分では、伴奏が3連符で下降していくが、チェロの最低音まで下がっていく様子は圧巻である。上手なチェロの人が弾くととてもかっこよく見える。最後は静かに終わるが、この部分、何となく「特捜最前線」のエンディング曲に似ている。

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第4曲:「パッサカリア」
ロンカルリという作曲家の曲がもとになっている。最初の主題を何度も繰り返していく。主題は重音で弾くように指示されているが、これがリュートらしい感じである。主題の中に同じ音の上にあるマイナーコードとメジャーコードをその順で隣り合わせにしているのが特徴的である。

この重音を伴った主題はヴィオラからチェロへとさらに受け継がれていくが、演奏していると、低音に行くほど辛そうに見える。それがひとしきり盛り上がった後、さらにテンポアップして激しさを増していく。ここはコントラバスを除いてすべて重音の指定。きれいに和音を鳴らすのはとても難しい。その後さらにテンポを上げていくが、急にブレーキがかかる指定。ブレーキをかけながらどんどん重みを増していくところは、料理の片栗粉をどんどん混ぜて行っているような感じがする。最後は重みを持ったまま力強く終わる。

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この曲は2回本番で演奏したことがある。特に印象深かったのは1度目の大学オケに入って最初の定期演奏会。高校からヴァイオリンを始めた「にわか経験者」だった私だったが、当時弦楽器の人数が少なかったために先輩から出るように言われた。パッサカリアについては自分が弾くので精一杯、しかし全体のアンサンブルもまた大変で、非常に苦労したことを覚えている。周りは全員先輩で気分的にもなかなか大変だったなということも思い出す。とはいえ、やはり最初に舞台にのった曲がこれだったというのもいい経験だったと思う。一人ひとりの音がはっきりと出てしまうアンサンブルは鍛えられる。必死に練習した時代の原点にある曲だ。そのうち機会があれば今のウデできっちりやってみたいなと思ったりする。

そういえば、この曲のスコアは自分が初めて購入した輸入版だった。それまでは大手楽器店で手に入る曲ばかりだったのが、この時ばかりは無理だと判明し、楽譜専門店に取り寄せてもらったものだ。現在でもそれは大事に持っている。しかし、最近大手楽器店に行ったら、国内版が出ているではないか!価格も半額ぐらいで、ショック...。





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Last updated  Feb 17, 2008 12:20:23 AM
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