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草加の爺の親世代へ対するボヤキ

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草加の爺(じじ)

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2022年10月04日
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今更に 妹に逢はめやと 思へかも ここだわが胸 おぼぼしからむ(― こんなにも私の胸が

苦しくて乱れているのは、もうこの上は妹に会えないだろうと思うからなのだ)


 なかなかに 默(もだ)もあらましを 何すとか 相見そめけむ 遂(と)げざらまくに(― 却

って声などかけずに黙っていればよかったものを、どうするとて、会い始めたのであろうか。この

まま添い遂げることは出来ないであろうに…)


 物思ふと 人に見えじと なまじひに 常の面(おもへり) ありそかねつる(― 物思いをし

ていると他人から見られないようにと、なまじいに、普通の顔つきをしていようとしても、とても

出来ない事であるよ)


 相思(あひおも)はぬ 人をやもとな 白栲(しろたへ)の 袖ひづまでに ねのみし泣くも(―

 向こうでは思ってくれていない人を、ただわけもなく、白栲の袖が濡れるまで泣いて、恋しく思

っています)


 わが背子は 相思はずとも 敷栲(しきたへ)の 君が枕は 夢(いめ)に見えこそ(― わが背

子は私を思ってくださらなくとも、せめてあなたの枕だけでも、夢に見えてきて欲しいのです)


 劔太刀(つるぎたち) 名の惜しけくも われは無し 君に逢はずて 年の經(へ)ぬれば(― 

もう名前は惜しくもありません。君にお会いしないで長い年月が経過してしまいましたね。この名

前を捨ててでも、君にお会いしたいのですよ)


 葦邊(あしべ)より 満ち來(く)る潮の いやましに 思へか君が 忘れかねつる(― 芦の生

えた岸辺から満ちてくる潮のように、いよいよ思いが増すからか、あなたを忘れようと思っても、

忘れられないことですよ)


 さ夜中に 友呼ぶ千鳥 もの思ふと わびをる時に 鳴きつつもとな(― 真夜中に、友を呼ぶ

千鳥の鳴き声が、私が物思いに耽り気落ちしている際に、無性に鳴き立てては更に私を物思いにの

めり込ませるのですよ…)


 押し照る 難波の菅(すげ)の ねもころに 君が聞(きこ)して 年深く 長くし言へば まそ

鏡 磨(と)ぎし情(こころ)を 許してし その日の極(きは)み 波のむた なびく玉藻の か

にかくに 心は持たず 大船の たのめる時に ちはやぶる 神や離(さ)けけむ うつせみの 

人か禁(さ)ふらむ 通はしし 君も來(き)まさず 玉梓(たまづさ)の 使も見えず なりぬれ

ば いたもすべ無み ぬばたまの 夜(よる)はすがらに 赤(あか)らひく 日も暮るるまで 嘆

けども しるしを無み 思へども たづきを知らに 幼婦(たわやめ)と 言はくも著(しる)く 

手童(てわらは)の ねのみ泣きつつ たもとほり 君が使を 待ちやかねてむ(― いつまでも

変わらないと、懇ろにあなたが仰ったので、私は張り詰めた心を許した日以来、波とともに揺れる

玉藻のようにあちこちと動揺する心は持たず、大船の様に安心して頼りにしている時に、神様が割

いたのでしょうか、それとも世間の人が妨害しているのでしょうか、通ってこられたあなたもおい

でにならず、使いの人も来なくなりなしたから、どうにも仕方がなくて、終日終夜嘆いていても何

の効果もないし、いくら思っても何ともしようがないので、世の幼婦・たわやめ と言う、全くそ

の通り子供のごとくに泣いてばかりおりまする。そして、あちこち歩き回ってあなたからの使を待

っていても、待つ甲斐がないのでしょうかしら)


 初(はじ)めより 長くいひつつ たのめずは かかる思(おもひ)に 會はましものか(― 初

めから長く愛すると言って、私にあなたを頼みにする心を起こさせなかったなら、私はこんなに苦

しい思いはしないで済んだでしょうに…)


 間(あひだ)無く 戀ふれにかあらむ  草枕 旅なる君が 夢(いめ)にし見ゆる(― 間断な

く私があなたのことを思っているからでしょうか、旅に出ているあなたのことを夢で見ることであ

りまする)


 草枕 旅に久しく なりぬれば 汝(な)をこそ思へ な戀ひそ吾妹(わぎも)(― 旅に久しく

なったから、お前をこそ恋しく思え、他の女のことを思いはしないから、心配などしなさるなよ)


 松の葉に 月は移(ゆつ)りぬ 黄葉(もみちば)の 過ぐれや君が 逢はぬ夜の多き(― 松の

葉に月影は移っていった。が、あなたは黄葉のように散ってしまったわけではないのに、君と会わ

ない夜が多いことである)


 道にあひて 咲(ゑ)まししからに 降る雪の 消(け)なば消(け)にがに 戀(こ)ふとふ 吾

妹(わぎも)(― 道で会ってちょっと笑っただけなのに、降る雪の様に、消えてしまいそうに私

を恋しく思っているという、可愛い吾妹よ)


 沖方(おきへ)行き 邊(へ)に行き今や 妹がため わが漁(すなど)れる 藻臥束鮒(もふし

つかふな)(― 沖に出たり、岸辺に寄ったりして、今は、恋しい女人の為に漁をした大切な藻の

中に住んでいる鮒であるよ)


 君により 言(こと)の繁きを 古郷(ふるさと)の 明日香(あすか)の川に 潔身(みそぎ)し

に行く(― あなたの事で、世間ではとやかく言う噂が頻繁でありまする。それで私は、身の潔白

を証明する為に故郷の明日香の川に、禊をするべくこれから参ろうと思っておりまする)





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最終更新日  2022年10月04日 11時09分26秒
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