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草加の爺の親世代へ対するボヤキ

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草加の爺(じじ)

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2023年09月27日
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海若(わたつみ)の いづれの神を 祈(いの)らばか 行くさも來(く)さも 船は早けむ(― 

海神のどの神に祈ったならば、行きも、帰りも船は速いだろうか)


 人と成ることは難(かた)きを わくらばに 成れるわが身は 死(しに)も生(いき)も 君が

まにまに 思ひつつ ありし間(あひだ)に うつせみの 世の人なれば 大君(おほきみ)の 御

命(みこと)畏(かしこ)み 天離(あまざか)る 夷治(ひなをさ)めにと 朝鳥(あさとり)の 

朝立(あさたち)しつつ 群鳥(むらとり)の 群立(むらた)ち行けばけば 留(とま)り居て わ

れは戀ひなむ 見ず久(ひさ)ならば(― 人となることは難しいのに、たまたま人と生まれ出た私

の身は、生きもあなたの思いのままと思っていたそのうちに、あなたはこの人間世界の方である

から、天皇の大命を畏んで、遠い田舎を治めにと朝鳥の飛び立つように、朝出立して、群鳥が行

くように群がってお出かけになる。それゆえ、残っている私は、さぞ恋しく思うことでしょう。

お逢い出来ずに久しく時が経ったならば)


 み越路(こしぢ)の 雪の降る山を 越えむ日は 留れるわれを 懸(か)けて偲(しの)はせ(―

 越路の雪の降る山を越えておいでの日は、後に残っている私を、心にかけて思い出してくださ

い)


 うつせみの 世の人なれば 大君の 御命畏み 磯城嶋(しきしま)の 倭(やまと)の國の 石

上(いそのかみ) 布留(ふる)の里に 紐解かず 丸寝(まろね)をすれば わが着たる 衣(ころ

も)は穢(な)れる 見るごとに 戀はまされど 色の出でば 人知りぬべみ 冬の夜の あかし

も得ぬを 寝(ね)の寝(ね)ずに われはそ戀ふる 妹(いも)が直(ただ)香(か)に(― この世

の人であるから、大君の仰せを畏み承って、大和の国の石上の布留の里に、紐も解かずに丸寝を

しているので、私の着ている衣はよれよれになってしまった。それを見るごとに妹恋しさはまさ

るけれども、顔に出せば人が知るであろうから、明かし難い寒い冬の長夜を、ちっとも眠らない

で私は妹の直香を恋しく思っている)


 布留山ゆ 直(ただ)に見渡す 京(みやこ)にそ 寝(い)も寝(ね)ず 戀ふる遠からなくに(

― 布留山からじかに見渡される奈良の都を、限りもせずに恋しく思う。遠いところでもないの

に)


 吾妹子(わぎもこ)が 結(ゆ)ひてし紐を 解かめやも 絕えば絕ゆとも 直(ただ)に逢ふま

でに(― 吾妹子が結んだ紐を私は解こうか。いや、決して解くまい。もし紐が切れるのならば切

れることがあろうともろう、直接に会うまでは。自分から解こうとは思わない)


 秋萩を 妻問(つまど)ふ鹿(か)こそ 獨子(ひとりご)に 子持(も)てりといへ 鹿兒(か

こ)じもの わが獨子の 草枕 旅にし行けば 竹珠(たかだま)を しじに貫(ぬ)き垂(た)り 

斎瓴(いはひべ)に 木綿(ゆふ)取(と)り垂(し)でて 斎(いは)ひつつ わが思ふ吾子(あご) 

眞幸(まさき)くありこそ(― 秋萩を妻とする鹿こそは一人子を持つと言うのだが、鹿の子のよう

に一人子である我が子が旅に行くので、竹玉をぎっしりと貫きたらし、斎瓴に木綿とたらして、

物忌をして私が大切にしている我が子よ。無事であっておくれ)


 旅人の 宿りせむ野に 霜降らば わが子羽(は)ぐくめ 天(あめ)の鶴群(たづむら)(― 旅

人が宿っている野に霜が降りたならば、私の子を、羽で包んでやっておくれ。大空の鶴の群れ

よ)


 白玉(しらたま)の 人のその名を なかなかに 辭(こと)を下延(したば)へ 逢はぬ日の 

數多(まね)く過ぐれば 戀ふる日の 累(かさ)なり行けば 思ひやる たどきを知らに 肝(き

も)向(むか)ふ 心砕けて 玉襷(たまたすき) 懸(か)けぬ時無く 口息(や)まず わが戀ふ

る兒を 玉釧(たまくしろ) 手に取り持ちて 眞澄鏡(まそかがみ) 直目(ただめ)に見ねば 

下檜山(したひやま) 下ゆく水の 上(うへ)に出でず わが思ふ情(こころ) 安からぬかも(―

 白玉のような美しいその人の名を、なまじっか心に抱き、逢うことの出来ない日が多く過ぎて

行き、恋しく思う日が重なって行くので、思いを晴らす仕方も分からずに、心も千々に砕けて、

心にかけない時はなく、いつもその名を呼んで恋しく思っている子なのに、手に取り持って、じ

かに見ることができないので、秋の紅葉した山の、木の葉がくれに行く水のように、上に現れる

こともなく、私の恋しく思う気持は、いつも安らかではないことであるよ)


 垣ほなす 人の横言(よこごと) 繁みかも 逢はぬ日數多(まね)く 月の經ぬらむ(ー 垣を

めぐらすように人の噂に取り囲まれているので、逢わずにいる日がおおいのであろうか)


 立(た)ちかはり 月重なりて 逢はねども 實(さね)忘らえず 面影にして(― 月が立ち、

かわり、幾月も経って会うことがないけれども、本当に忘れられない、面影に立って)





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最終更新日  2023年09月27日 11時56分53秒
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