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草加の爺の親世代へ対するボヤキ

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草加の爺(じじ)

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2024年06月07日
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日並べば 人知りぬべし 今日(けふ)の日も 千歳(ちとせ)の如く ありこせぬかも(― 毎日

お会いしていたら人が気づくでしょう。ですから毎日お会いできません。せめてこうしてお会い

している今日が千年のように長くあってくれないでしょうか)


立ちて坐(ゐ)て たどきも知らず 思へども 妹(いも)に告げねば 間使(まづかひ)の來ず

 (― 立ったり坐ったりしてどうしてよいか分からずに、妹のことばかり思っているが、私の

気持を妹に言ってやりもしないので、恋人の間を往来する間使いも来ない)


ぬばたまの この夜な明けそ 赤らひく 朝行く君を 待たば苦しも(― この夜よ、明けない

でおくれ。朝帰っていかれるわが君のまたのおいでを待つと苦しいから)


戀するに 死(しに)するものに あらませば わが身は千遍(ちたび)死にかへらまし(― 恋焦

がれれば死ぬものであったら、私の身は千回も繰り返して死ぬでしょう)


たまゆらに 昨日の夕(ゆふべ) 見しものを 今日の朝(あした)に 戀ふべきものか(― ちら

りとほんの一瞬、昨日の夕にみただけなのに、今日の朝に恋しく思うべきであろうか)


なかなかに 見ざりしよりは 相見ては 戀しき心 まして思ほゆ(― あなたのお姿をみなか

った時よりは、なまじっかお会いしてから恋しい心がいよいよ募っています)


玉鉾(たまほこ)の 道行かずあらば ねもころに 斯(か)かる戀には 逢はざらましを(― 道

などを歩かなかったならば、あの人にも会わず、こうした苦しい恋には会わなかったであろう)


朝影に わが身はなりぬ 玉かぎる ほのかに見えて 去(い)にし子ゆゑに(― 朝影のように

私の身はやせ細ってしまったよ、ほのかに姿を見せただけで、直ぐに居なくなってしまった子な

のに)  朝影とは、通い婚の当時に妻の家から男が早朝に朝帰りする風習であったが、太陽の光

が斜めに射すので、非常に細い線になって見える、それは成人男子には馴染みのある事柄だっ

た。それを踏まえて表現したもので、現代人にはあまりピンと来ないと思われるので、説明して

置きました。


行き行きて 逢はぬ妹ゆゑ ひさかたの 天の露霜(つゆしも)に 濡れにけるかも(― どうし

ても会えない妹のせいで私は遠くまで行って露霜に濡れてしまった)


たまさかに わが見し人を 如何(いか)ならむ 縁(よし)をもちてか また一目見む(― 偶然

に目にしたあの人を、どんな機縁でまた一目見ることができようか)


暫(しまし)くも 見ねば戀しき 吾妹子(わぎもこ)を 日に日に來れば 言の繁けく(― しば

らくの間でも見なければ恋しい吾妹子だのに、その吾妹子の所へ毎日毎日通ってくると人の噂が

うるさいことであるよ)


年きはる 齡(よ)までと定め 恃(たの)みたる 君によりてし 言の繁けく(― 老いの限りま

でと決めて頼りにしているわが君によって、世間の噂がうるさいことだ)


赤らひく 膚(はだ)も觸れずて 寝たれども 心を異(け)しく わが思はなくに(― ほの赤い

美しい肌も触れずこうして独り寝ているけれども、私は心変わりをしたのではないのだから)


いで如何(いか)に ここだはなはだ 利心(とごころ)の 失(う)するまで 思ふ戀ふらくのゆ

ゑ(― さあ、どうしてこんなにひどく、甚だしく、正気も失せるまでに思うのか、恋なんかの

ために)


戀ひ死なば 戀ひも死ねとか 吾妹子が 吾家(わぎへ)の門(かど)を 過ぎて行くらむ(― 恋

焦がれて死ぬなら死ねと、吾妹子が、わが家の門を通り過ぎて行くのであろうか)


妹があたり 遠く見ゆれば 怪(あや)しくも われは戀ふるか 逢ふ縁(よし)も無しに(― 妹

の家のあたりが遠く見えるので怪しくも私の気持は恋に乱れる。妹に会う手立てがないので)


玉久勢(たまくせ)の 清き河原に 身祓(みそぎ)して 齋(いは)ふ命は 妹が爲こそ(― 玉

久勢の清冽な川の河原で身を清めて、命の長からん事を願うのは、ほかでもない、妹のためです)



思ひ寄り 見ては寄りにし ものにあれば 一日の間(ほと)も 忘れて思へや(― 心に思って

寄り添い、実際に会っては一層寄り添ったのだから、何で一日の間も忘れていることがありまし

ょうか)


垣ほなす 人は言へども 高麗錦(こまにしき) 紐解き開(あ)けし 君にあらなくに(― 垣根

のように私達を取り巻いて人の噂がひどく立っているが、高麗錦の紐を解き開けて共に寝たあな

ただというわけではありませんのに)


百石(ももさか)の 船漕ぐ浦の 八占(やうら)さし 母は問ふとも 其の名は告(の)らじ(―

 大船を漕ぐ浦、そのウラではないが、様々な占をして母が訊いても、私は決して恋しい人の名

は申しますまい)


眉根(まよね)掻き 鼻(はな)ひ紐解(と)け 待つらむか 何時(いつ)しか見むと 思へるわれ

を(― 眉を掻き、くしゃみをし、紐が解けて今頃は私を待っているであろうか、早く会いたい

と思っているこの私のことを)


君に戀ひ うらぶれ居(を)れば 悔しくも わが下紐(したひも)を 結(ゆ)ふ手 いたづらに

(― あなたを恋しく思ってうらぶれていると、私の下紐はいくら結んでもほどけて、どうにも

なりません)


あらたまの 年はきはれど 敷栲の 袖交(か)へし子を 忘れて思へや(― 私は年をとった

けれども袖を交えて寝た乙女ごを忘れようか、忘れはしない)


白栲(しろたへ)の はつはつ見しからに 斯(か)かる戀をも われはするかも(― 白栲の袖を

ほんのちらっと見ただけで、こんな恋を私はすることである)


吾妹子(わぎもこ)に 戀ひて爲方(すべ)なみ 夢(いめ)見むと われは思へど 寝(い)ねらえ

なくに(― 吾妹子が恋しくて仕方がないので、夢に見ようと私は思うけれども、何とも眠られ

ない)


ゆゑも無く わが下紐(したひも)の 今解くる 人にな知らせ 直(ただ)に逢うまでに(― わ

けもなしに私の下紐が今解けました。この事を人に知らせないで下さい。直にお会いするまで)


戀ふること 慰めかねて 出で行けば 山も川をも知らず 來にけり(― 恋心を晴らしかねて

家を出て行ったら、山も川も目に入らずに、こんなところに来てしまった)


少女(をとめ)らを 袖布留山(ふるやま)の 瑞垣(みづかき)の 久しき時ゆ 思ひけりわれは

(― 久しい以前から私は少女を思っていたのであるなあ)


ちはやぶる 神の持たせる 命をば 誰(た)がためにかも 長く欲(ほ)りせむ(― 神が持って

おいでになる命を、あなた以外の誰のために長くあれと欲しましょうか)


石上(いそのかみ) 布留(ふる)の神杉(かむすぎ) 神(かむ)さびし 戀をもわれは 更にする

かな(― 老年の恋を私は今新たにもすることだなあ)


如何(いか)ならむ 名を負ふ神に 手向(たむけ)せば わが思ふ妹(いも)を 夢(いめ)にだに

見む(― 何と言う名を持った神に手向けしたならば、私の思う妹を、せめて夢に見ることが出

来るだろう)


天地と いう名の絶えて あらばこそ 汝(いまし)とわれと 逢ふことやまめ(― 天地という

名が絶えたならばこそ、お前と私が会うことが止むだろうが)


月見れば 國は同じそ 山隔(へな)り 愛(うつ)くし妹は 隔(へだ)ちたるかも(― 月を見

れば住んでいる国は同じなのだが、山が隔てになって、可愛い妹は遠く離れていることだ)


來る道は 石踏む山の 無くもがも わが待つ君が 馬躓(つまづ)くに(― わが背子が来る道

には岩を踏んで通る山道がないといい。私が待つ背子の馬がつまずくから)


石根(いはね)踏(ふ)み 隔(へな)れる山は あらねども 逢はぬ日まねみ 戀ひわたるかも

(― 岩がねを踏み越えて隔てとなるような山はないけれども、離れていて会わない日が多いか

ら恋しく想い続けている)


路(みち)の後(しり) 深津島山 暫(しまし)くも 君が目見ねば 苦しかりけり(― しばら

くでもあなたの顔を見ないと苦しいことです)


紐鏡 能登香(のとか)の山も 誰(たれ)ゆゑか 君來ませるに 紐解かず寝む(― 紐を解くな

の能登香の山も君のおいでに紐を解く、まして私は紐を解くのです)


山科(やましな)の 木幡(こはた)の山を 馬はあれど 歩(かち)ゆわが來(こ)し 汝(な)を

思ひかね(― 山科の木幡の山を、馬があればよいでしょうけれども、歩いてやって来ました。

あなたを思って耐え難くって)


遠山に 霞たなびき いや遠(とほ)に 妹が目見ずて われ戀ひにけり(― 遠山に霞がたなび

いていよいよ遠く霞んでいるように、妹の顔も見ずにいて私は恋しい)


宇治川の 瀬瀬(せせ)のしき波 しくしくに 妹は心に乘りにけるかも(― 宇治川の瀬々の

波が後から後から次々に絶えず立つように、妹はしきりに私の心にかかって去らないことだ」


ちはや人 宇治の渡(わたり)の 瀬を早み 逢はずこそあれ 後はわが妻(― 宇治川の渡りの

瀬が早いので、渡れないように、今は会えないけれども、後には私の妻なのだ)





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最終更新日  2024年06月07日 21時15分28秒
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