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草加の爺の親世代へ対するボヤキ

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草加の爺(じじ)

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2024年08月01日
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紫の 帯の結びも 解きも見ず もとなや妹に 戀ひ渡りなむ(― 女の紫の帯の結びも解いて

もみずに、どうにもならずに妹を想い続けることであろうか)


高麗錦(こまにしき) 紐の結びも 解き放(さ)けず 齋(いは)ひて待てど しるし無きかも

(― 高麗錦の紐の結びも解き放たずに、潔斎をして待っているけれども、その験がないことだ)


紫の わが下紐(したひも)の 色に出でず 戀ひもかも痩せむ 逢ふよしもなみ(― 顔色に出

さずに恋に悩んで痩せることであろうか、逢う手段もなくて)


何故(なにゆゑ)か 思はずあらむ 紐の緒の 心に入りて 戀しきものを(― どうしてあなた

のことを思わずにいられましょう、心に染みて恋しいものを)


眞澄鏡(まそかがみ) 見ませわが背子(せこ) わが形見 もたらむ時に 逢はざらめやも(―

真澄の鏡を私だと思って御覧下さい、わが背子よ、私の形見のこの鏡を持っておられたら、また

お逢い出来ないということは御座いますまい)


眞澄鏡 直目(ただめ)に君を 見てばこそ 命にむかふ わが戀止(や)まめ(― 直接あなたを

見たならばこそ命懸けの私の恋も鎮まるでしょうけれども)


眞澄鏡 見飽かぬ妹に 逢はずして 月の經ぬれば 生けるともなし(― 見飽きることのない

妹に逢わずに幾月も経ったので、生きていないも同然です)


祝部(はふり)らが 齋(いは)ふ三諸(みもろ)の 眞澄鏡(まそかがみ) 懸けてそ偲(しの)ふ 

逢う人ごとに(― 私は逢う人ごとにあなたの事を口にのぼせて、偲んでいます)


針はあれど 妹し無ければ 着けめやと われを煩(なやま)し 絶ゆる紐の緒(― 針はあって

も妹がいないから付けることはできないであろうか、切れては私を悩ます紐の緒です)


高麗劔(こまつるぎ) 己(な)が心から 外(よそ)のみに 見つつや君を 戀渡りなむ(― 私

の性分で、あなたをただ傍から見ているだけで、しかも恋い続けることでしょう)


劔刀(つるぎたち) 名の惜しけくも われは無し このころの間(ま)の 戀の繁きに(― 私は

もう名の惜しいこともありません、この頃はもう恋しさが余りにもしきりなので)


梓弓(あづさゆみ) 末(すゑ)はし知らず しかれども まさかは君に 寄りにしものを(― 将

来のことは分かりません、しかし今は、あなたにしっかりと寄り添っていますものを)


梓弓 引きみゆるへみ 思ひ見て すでに心は 寄りにしものを(― 梓弓を引いてみたり緩め

てみたりするように、色々と考えてあなたに靡いたのですから)


梓弓 ひきてゆるへぬ 大夫(ますらを)や 戀といふものを 忍びかねてむ(― 梓弓を引いて

弛めもしない男一匹が、恋などというものをどうして堪える事ができないのだろう)


梓弓 末の中ころ 不通(ふど)めりし 君には逢ひぬ 嘆きは息(や)めむ(― 中頃打ち絶えて

通っておいでにならなかったあなたに、再びお逢いできました。もう嘆くのはやめましょう)


今さらに 何しか思はむ 梓弓 引きみゆるへみ 寄りにしものを(― 今更どうして悩みまし

ょう、梓弓を引いてみ、弛めてみするようにして、いろいろ考えてあなたに靡いたのですから)


少女(をとめ)らが 績麻(うみを)の絡垜(たたり) 打麻懸(うちそか)け 績(う)む時無しに 

戀渡るかも(― 少女達が麻を糸にすると言うので、台の上に棒を立てた道具のタタリに打った

麻をかけてうむ・つむぐ そのウムではないが、倦む時無しに私はあなたを恋しています)


たらちねの 母が養(か)ふ蠶(こ)の 繭隠(まよこも)り いぶせくもあるか 妹(いも)に逢は

ずして(― 母が飼っている蚕が繭にこもるように、心持が晴れないことである。妹に逢う折が

なくて)


玉襷(たまたすき) 懸けねば苦し 懸けたれば 續(つ)ぎて見まくの 欲(ほ)しき君かも(―

口に出して名前をお呼びしないと苦しくて、お呼びすると、その夜にはお逢いしたいあなたです)


紫の し色(み)の蘰(かずら)の はなやかに 今日見る人に 後戀ひむかも(― ムラサキ草で

そめたカズラのように、花やかに美しいと見たあの人に、あとで恋することであろうか)


玉かづら 懸けぬ時無く 戀ふれども 何しか妹に 逢う時も無し(― 心にかけない時はなく

いつも恋しく思っているのに、どうして妹に逢う時がないのだろうか)


逢ふよしの 出で來るまでは 疉薦(たたみこも) 重ね編(あ)む數 夢(いめ)にし見えむ(―

 恋しい人に逢うきっかけが出来るまでは、畳薦を重ねて編む数ほど、幾度も妹が夢に見えるこ

とだろう)


白香(しらか)付(つ)く 木綿(ゆふ)は花物(はなもの) 言(こと)こそは 何時(いつ)のまさ

かも 常(つね)忘らえね(― あなたの美しいお言葉こそ何時も忘れることができずにおります

が、美しいシラカ・麻やこうぞの類を細かく裂いて白髪のようにして神事に使うもの をつける

木綿花は移ろいやすい物と申します)


石上(いそのかみ) 布留(ふる)の高橋 高高(たかたか)に 妹が待つらむ 夜そ更けにける

(― 今か今かときっと妹が心待ちにしているであろうに、夜は更けてしまった)


湊入(みなといり)の 葦別小船(あしわけをぶね) 障(さはり)多み いも來(こ)むわれを よ

どむと思ふな(― さしさわることが多くて、すぐに行こうと思って行けない私を、妹よ、心

がさめたのだと思わないでおくれ)


水を多み 高田(あげ)に種蒔(ま)き 稗(ひえ)を多み 擇擢(えら)ゆる業(なり)そ わが獨

り寝(ぬ)る(― 高田には水が多いので種を蒔くと稗が多く出る。そこでよくない穂はよりとっ

て捨てられる。畑仕事と同じです、私は独りで寝ています)


魂合(たまあ)はば 相寝(ね)むものを 小山田の 鹿猪田(ししだ)禁(も)る如(ごと) 母し

守(も)らすも(― 心が合うなら一緒に寝ましょうものを、山田のシシ田を監視するように、母

が守っています)


春日野(かすがの)に 照れる夕日の 外(よそ)のみに 君を相見て 今そ悔しき(― 春日野に

照っている夕日のように、縁のないもと傍からあなたを見ていたことが、今になってつくづく後

悔されます)


あしひきの 山より出(い)づる 月待つと 人には言ひて 妹(いも)待つわれを(― 山から出

る月を待っているのですと人には言って、逢う約束をした妹を待っている私です)


夕月夜(ゆふづくよ) 暁闇(あかときやみ)の おぼぼしく 見し人ゆゑに 戀ひ渡るかも(―

はっきりと見た人ではないのに、私はこんなに恋い続けています)


ひさかたの 天(あま)つみ空に 照る月の 失(う)せなむ日こそ わが戀止(や)まめ(― 大

空に照る月が失せてしまう日にこそ私の恋は止むであろうが、失せる時などないから、私の恋は

止む時がない)


望(もち)の日に さし出づる月の 高高(たかたか)に 君を坐(いま)せて 何をか思はむ(―

 十五夜の月を望むように待ち焦がれていたあなたに、ここにこうしておいでいただいて、他に

何の思うことがありましょう。全く満足です)


月夜(つくよ)よみ 門に出で立ち 足占(あうら)して ゆく時さへや 妹に逢はざらむ(― 月

がよいので足占・右足と左足のどちらが先に目標に着くかで吉凶を定める占い をして逢いに行

っても妹に逢えないのだろうか)


ぬばたまの 夜渡る月の 清(さや)けくは よく見てましを 君が姿を(― 夜空を渡る月が澄

んでいたならあなたのお姿をよく見たでしょうに)


あしひきの 山を木高(こだか)み 夕月を 何時(いつ)かと君を 待つが苦しさ(― 何時あな

たが見えるかとお待ちすることの苦しさよ)


橡(つるばみ)の 衣(きぬ)解(と)き洗ひ 眞土山(まつちやま) 本(もと)つ人には なほ如

(し)かずけり(― ツルバミの衣を解いて洗ってまた打つと言う、マツチ山、その名から連想さ

れるモトツヒト、元から馴染んだ妻に勝るものはないなあ)


佐保川の 川波立たず 静けくも 君に副(たぐ)ひて 明日さえもがも(― あなたのおそばに

いて静かな気持で明日もまた過ごしたいものです)


吾妹子(わぎもこ)に 衣(ころも)春日(かすが)の 宜寸(よしき)川 縁(よし)もあらぬか 

妹が目を見む(― 何か方法がないものか、妹の姿を見たいものだ)


との曇(ぐも)り 雨降る川の さざれ波 間(ま)無くも君は 思ほゆるかも(― 一面に曇っ

て雨降る川の小波が止むときなく立つように、絶えずあなたが思われることです)


吾妹子(わぎもこ)や 吾(あ)を忘らすな 石上(いそのかみ) 袖布留(ふる)川の 絶えむと

思へや(― 吾妹子よ、私を忘れないで。石上の布留川の水が絶えないように、私たちの仲は絶

えることがないと思っています)


三輪山(みわやま)の 山下響(とよ)み 行く川の 水脈(みを)し絶えずは 後もわが妻(― 

三輪山の麓を水音高く流れていく初瀬川の水脈が絶えないように、絶えず私を思ってくれるなら

ば、あなたはいつまでも私の妻です)


神(かみ)の如(ごと) 聞ゆる瀧(たき)の 白波の 面(おも)知(し)る君が 見えぬこのころ

(― お顔をよく存じ上げているなたなのに、この頃お見えになりませんね)


山川(やまがは)の 瀧(たぎ)に益(まさ)れる 戀すとそ 人知りにける 間(ま)なくし思へば

(― 山川の激しい流れにも勝る激しい恋をしていると人々が知ってしまった、いつも物思いを

しているので)


あしひきの 山川(やまがは)水の 音に出でず 人の子ゆゑに 戀ひ渡るかも(― 山川の水音

のようにはっきりとは言葉に出さず、私は想い続けることである。あの娘は人のものだのに)


高(こ)せにある 能登瀬(のとせ)の川の 後も逢はむ 妹(いも)にはわれは 今にあらずとも

(― 妹には後にでも逢おう、今、人々の反対を押し切ってではなくて)


洗ひ衣(きぬ) 取替(とりかひ)川(かは)の 川淀の まどろむ心 思ひかねつも(― あなた

のところへ通わずにいる気持を、じっとこらえていることは、到底出来ません)


斑鳩(いかるが)の 因可(よるか)の池の 宜しくも 君を言はねば 思ひそわがする(― 世間

の人があなたのことをよく言わないので、私は心配しています)


隠沼(こもりぬ)の 下ゆは戀ひむ いちしろく 人の知るべく 嘆きせめやも(― 心の中では

思っていよう、はっきり人目につくように嘆息などをするものか)





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最終更新日  2024年08月01日 16時01分59秒
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