くるみ～のゆめ

梅雨の真っ只中ですが、

もうすぐしたら、暑い夏がやってきます。


夏といえば、ビール！！


・・・じゃなくて、


脱水と熱中症に要注意です。


とくに、高齢者と幼児。


毎年毎年、脱水や熱中症で亡くなったというニュースが後を絶ちません。



さて、これは、去年の夏、わたしの弟が研修医として働いていた病院で
本当にあったお話です。


弟は、救急当番として待機していました。

と、そこへ運び込まれる、脱水症のおじいちゃんと、同伴してきた息子のお嫁さん。


さっそく、ルートを確保して、採血して、電解質をチェックしながら
輸液を全開で入れていきます・・・・


一息ついてから、同伴してきたお嫁さんに、
現在の状況と、今後の治療方針を説明


・・・と、ここまではよくある光景ですが

お嫁さん「あのー、あんまり治療しなくていいですから。はやく退院させてください。」


えーっ！？


介護が大変とか、経済的な問題とか、家庭の事情があるのでしょうが、
治療をやめるわけにはいきません。


お嫁さん、退場。


そして、入れ替わるようにやってきた、親戚一同。


「わしらが入院させろって言っても『わたしが面倒見てる』ってしぶとったんや」
「そやけど、なんか、食事もあんまり食べとらんみたいで・・・
食べさせてもらってないじゃないか」
「みんなでうるさく言ってようやく連れてこさせたんや」


当然、入院となりましたが、

なにかありそうな、家庭の事情。

お嫁さん、介護放棄の容疑がかけられています。



さて、研修医の当番は夜10時で交代です。


おじいちゃん、

なんだか、あまり長くはもたなさそう

今夜もつかもたないか・・・・


そう判断した弟は、気を利かせて、

次の研修医S君のために

経過記録を詳細に記入した死亡診断書を書いておいてあげたのでした！！


そして、弟は帰宅。


*****

かくして、弟の予想通り、夜中の3時に
お亡くなりになられました。

S君は、弟が記載した死亡診断書に、死亡日時だけを追加して提出。

ところが、
病院内での死亡ですが、
お嫁さんの介護放棄疑惑のこともあり、
警察が呼ばれました。


お嫁さん、そして、親戚から事情徴収。


もちろん、死亡に立ち会ったS君も警察に呼ばれまして、

死亡診断書を見せたところ


「君のサインではないようだが・・・これを書いたのは誰かね？」
といわれ、

前の当番だった弟の名前をあげたところ、


「『死亡するとわかってた』ってことかな？」

「どうしてそんなことがわかるのかな？　『死亡させた』のではないのかな？」


・・・かくして、S君は、夜中にえんえん3時間も事情徴収？説教？をくらったのでした。


明けてから出勤してきた弟に、

「お前のせいで、ひどい目にあったワっ！」

と言ったのはいうまでもありません。


死亡診断書のサインを書かずにいればよかったのにねぇー・・・・