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カテゴリ:■爺と婆の立ち話
![]() フク爺「サチ婆さんや、耶馬溪の夕焼けがきれいじゃな」 サチ婆「フク爺さんや、本当にきれいじゃな」 フク爺「サチ婆さんの顔が茜色に染まっちょるぜ」 サチ婆「ふふふ、フク爺さんもですよ」 フク爺「昔は、遊んでは夕焼けに染まって帰ったもんじゃ」 サチ婆「ふふふ、それは男の子だけですよ」 フク爺「そうかな、うん、そういえばな、そうかな」 サチ婆「女の子は家の仕事がありましたよ」 フク爺「そういえば、女の子は夕ご飯の手伝いをしよったな」 サチ婆「そうですよ。昔の食事の支度っていろいろあったわさ」 フク爺「そうだよな、中学に入ると、女の子が急に大人に見えちきよったもんな」 サチ婆「男ん子の手伝いといったら風呂を沸かすことかな」 フク爺「ふふふ、薪割りもあったな」 サチ婆「フク爺さんの得意の薪割りじゃんね」 フク爺「そうじゃ、薪割りだけんはいつまでやっていてん疲れんかった」 サチ婆「キイロウ爺様も言っていた。フク爺さんの薪割りは迫力があったよとね」 フク爺「ふふふ、一発で割るのがコツや、それで割れんと痛いのなんの」 サチ婆「ふふふ、フク爺さんも痛いっち言うことがあったんやな」 フク爺「あったもなんも、最近は痛いことだらけや、ああ腰が痛えっち」 サチ婆「ふふふ、歳をとったということでしょうね」 フク爺「そうだよな。ああ、夕焼けがきれいじゃ」 サチ婆「そうですね。綺麗すぎて涙が出そうじゃわ」 フク爺「おっととと、サチ婆さんに泣かれちゃ、困るっち、ハハハハ」 サチ婆「泣きませんよ。ただ、生きているのが、嬉しいんだわ」 フク爺「それが一番だわさ、ハハハハ、そう一番さ」 ![]() 人気blogランキングへ←ランクアップのために良かったらクリックして下さいな! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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