【戦評】 2010年6月13日(日) ●楽天イーグルス1-4ヤクルト 「31イニング連続タイムリーなし」では3連敗も仕方なしです・・・
交流戦のしめを飾るヤクルト4回戦の先発は、交流戦負けなしで5月月間MVPにも輝いた田中将大です。一方のヤクルトの先発は故郷・宮城での凱旋登板となる由規。この投げ合いは2009年5/20以来です。ちなみにこの時は、中村真人がウエストボール気味の高めボールゾーンのストレートを打って犠牲フライとし、それが決勝点となり2-0で楽天が勝利したのでした。ところが、今日は1年越しの“お返し”をされてしまい、交流戦成績は13勝10敗1分、6月月間では5勝5敗の5分、通算成績は29勝33敗1分と、あれれ???借金完済するはずが、再び開いてしまいました。そして3連敗ですし・・・▼スコア0-0の5回、先頭打者の山崎武司が右翼スタンドへ先制の15号ソロを放ちました。「振り遅れたけれど、真芯だったね。一打席目は押し切れなかったけれど、今回は押し込めたので入ったのかなぁ?」とのコメント。振り遅れたけど、右翼へ運んでしまうなんて、まだまだパワーは健在ですね。今季は右翼方向の本塁打が多い印象を受けます。昨年はCS含めて41本打ちましたが、右翼へは7/28盛岡での西武戦21号3ランのみ。今季はここまで左本6、左中本3、中本2、右中本1、右本3となっています。しかし...嬉しくないジンクスが...今季、タケシさんが一発を記録した試合の勝率は5割きっているのです。。。●楽天イーグルス1-4東京ヤクルトスワローズ3連敗になってしまった原因は、やはりこれ↓↓↓に尽きますよね。31イニング連続でタイムリーヒットがない!最後に記録したのは、6/9中日戦の4回渡辺直人の2点適時二塁打です...ガクッ!X5得点圏のチャンスは今日も下記のとおり4,5,7,8回に作っているのです。最大の好機は5回。山崎武の先頭打者先制アーチの後にチャンスを演出しました。ここでたたみかけたかったのですが、内村、聖澤が相次いで凡退しちゃいました。7回、先頭打者の山崎武が四球で出塁。この場面で代走・代打起用もありえたはずですが、長打力をひっこめてまでその作戦はとれない、ベンチに信頼に足る選手がいない、っていうことでしょうか? そして、4回1アウト2塁の鉄平、ここはきっちり進塁打になりました。鉄平選手が好機に進塁打を打つケースを今季よく見かけます。しかし1アウトからの進塁打が多い印象があるんですよねぇ。進塁すれども2アウト、で、次打者凡退で得点入らず。そんな印象が強いです。進塁打より打って決めてほしいんですが。■楽天の得点圏チャンス履歴4回1アウト2塁 鉄平(ニゴ/進塁打)4回2アウト3塁 中村紀(遊ゴ)5回1アウト3,2塁 内村(ニゴ)5回2アウト3,2塁 聖澤(ニゴ)7回2アウト2,1塁 内村(遊ゴ)8回2アウト2,1塁 山崎武(見逃し三振)それにしても、ヤクルトの先発、由規は良いピッチングでした。ストライク率は50.8%(直球51.2%、変化球50.0%)。ボールが低めに集まっていた印象を受けます(配球図を横切りにして上から8.6%、17.2%、17.2%、27.3%、29.7%)。奪三振数は少ないですが、ストレートの球威もあるように感じられました。1回から3回までは全てストレートのみの強気の投球。4回の渡辺直になって初めて変化球(Sl)を投げ、5回以降は直球と変化球の球種別割合がほぼ半分ずつの組み立てでした。ヒーローインタビューで、「(イーグルス田中投手との投げ合いについて)正直今季始まる前からここで投げたくてウズウズしてました」と語ってくれました。マー君がダルビッシュと投げ合うと燃えるように、由規はマー君との対戦に刺激を受けていたんですね。マー君がそういう存在の投手になりつつあることを、嬉しく思います。(この投げ合いが名物になればいいですね!)■ヤクルト・由規のイニング別球種割合1~4回:直球44、変化球4(Sl3、Fo1)5~8回:直球42、変化球38(Sl28、Fo10)そんなマー君ですが、8回、打者数34、球数125、被安打7、被本塁打0、奪三振2、与四球4(死球0)、失点2、自責点2。クオリティスタートの内容で、正直、見殺しにするのがかわいそうです。8回が全てでしたね。アタマの福地、青木と2連打されて無死3,2塁、田中を討ち取るも、ガイエルに四球で1アウト満塁。デントナに犠飛を許して同点。2アウト2,1塁になってそこから飯原にまた四球で2アウト満塁。次の相川にフルカウントから押し出し四球を与えてしまいました。押し出し四球は4/25日本ハム戦の6回1アウト満塁から今浪に与えてしまって以来です。1シーズンで2回も目撃するなんて、初ではないでしょうか。それにしても、昨日に続いてガイエルにヤラれた感があります。8回の対戦はけっこう良い配球をしていました。1,2,3と高め釣り球ストレートでガイエルの目線を上げさせて1-2(空振りも取りました)、そこから4,5,6,7とフォークなど変化球を低めのクサイところに投げ込んだのですが、2度ファウルされて、最後は四球を選ばれてしまいました。実況の上野晃アナも解説の鈴木健さんも、ヤクルトの不振をガイエル、デントナのせいにしていますが、(デントナはとりあえず置いておいて)ガイエルを過小評価、スケープゴートにするのは大きな間違いです。打率こそ.216ですが、OPSは.829、中村紀が.833ですから同等の活躍をしていることになります。それに出塁率は.355、安打以外の出塁を診るIsoDは.139!!1割越えは球界でも超屈指といわれる指標のため、ガイエルは選球眼が非常に良いのです(この傾向は来日から変わらない)。他チームの話ではありますが、ちょっとあまりにも気の毒ですねぇ。■田中の球種別割合とストライク率球種別・・・St62(49.6%)、Sl34(27.2%)、Fo15(12.0%)、Cur2(1.6%)、Sh12(9.6%)ストライク率・・・全体49.6%、直球56.5%、変化球42.9%■田中の直近3試合のストライク率6/6巨人戦:勝利投手(7回 自責点3):全体50.9%、直球38.7%、変化球55.6%5/30広島戦:勝利投手(9回 自責点2):全体64.0%、直球65.1%、変化球63.4%5/23中日戦:勝利投手(7回 自責点3):全体56.0%、直球65.1%、変化球50.0%▼本日のコース別の内容と比率(上段が直球、下段が変化球)■楽天投手陣の奪空振り履歴田中3回田中4球目・・・スライダー 164回ガイエル3球目・・・フォーク 105回鬼崎2球目・・・フォーク 205回鬼崎3球目・・・フォーク(空振り三振) 226回田中1球目・・・シュート 186回田中4球目・・・フォーク(空振り三振) 238回ガイエル2球目・・・ストレート 3 高め釣り球8回相川2球目・・・ストレート 38回宮本1球目・・・スライダー 22片山9回吉本3球目・・・スライダー 199回吉本5球目・・・ストレート 89回武内2球目・・・スライダー 199回武内6球目・・・ストレート(空振り三振) 4■楽天投手陣の球種別割合田中(右)125球・・・St62、Sl34、Fo15、Sh12、Cur2片山(左)27球・・・St13、Sl9、Cur4、Fo1■ヤクルト投手陣の球種別割合由規(右)128球・・・St86、Sl31、Fo11松岡(右)7球・・・St2、Fo3、Sl2林昌勇(右)8球・・・St7、Sl1■両チームのカウント推移と打席結果赤紫の網掛け=空振り、黄緑の網掛け=ファウルストレート・・・St、カーブ・・・Cur、スライダー・・・Sl、カットボール・・・Cut、シュート・・・Sh、フォーク・・・Fo、シンカー・・・Sin、チェンジアップ・・・Ch、パーム・・・Pa、ナックル・・・Kn、ストライク-ボールの順です。カウントの太文字はストレート、太文字ではないのは変化球です。文中に出てくる番号は配給図のゾーンを示しています。配給図のマス目に番号を割り当てていきます。向かって一番左上(左打者の内角高めボールゾーン)から右に、折り返して左→右と1,2,3と番号をふると、1、2、3、4、56、7、8、9、1011、12、13、14、1516、17、18、19、2021、22、23、24、25となります。そのうちストライクゾーンが7、8、9、12、13、14、17、18、19にあたります。--------------------------------------------------■本家ブログの過去記事はこちらをクリックして下さい。----------------------------------------------------■こちらのブログの過去記事はこちらをクリックして下さい。----------------------------------------------------現在ブログ村のランキングに参加中!みなさまのポチッが更新の最大の励みになります。なにとぞ、よろしくお願いします。(^○^)/にほんブログ村