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■春の運動会・体育大会シーズンだが
5月というのに台風接近で一日中横なぐりの雨が降っている。運動会や体育大会を予定していた幼稚園や小中学校もあったろう。でも自然には勝てないことは今回の東日本大震災が改めて教えてくれた。運動会・体育大会の中止などは、当事者にとっては迷惑なことだろうけど、東北地方の被災者からしたらささやかな迷惑だと思う。 そういう自分は、単に、今回の関西ツーリングで汚れてしまったバイクを、太陽のもとで洗ってやれないことだけを思い患(わずら)っている。本当に小さな小さな思い患いだと、小さく小さくなっている。 今、女優の故高峰秀子のエッセイや自叙伝を読んでいる。もちろん最初の出会いはテレビで見た映画「二十四の瞳」の小石先生役。文筆家としての高峰秀子を知ったのは、好きな作家(というかルポライーター)である沢木耕太郎の「1号線を北上せよ」(講談社文庫)の巻末に沢木と高峰秀子の対談が載っていたことからである。 「文庫本で読む高峰秀子」 (「にんげんのおへそ」「にんげん住所録」「私の渡世日記(上下)」~いずれも文春文庫) 高峰秀子という人は子役の頃から有名になり、華やかなスター街道を走り抜けた人というイメージを持っている人が多いだろう。ともかく、日本の映画史とともに生きたその人生そのものが貴重な証言である。 ところが、彼女の魅力はそれだけではない。 まず、第一にその人生の真実がまさに波乱万丈だったということ。その一端を挙げれば、5歳からの撮影所通いで小学校にもろくに通えず、学歴コンプレックスを持っていたこと、身内との金銭や愛憎の確執の中で自分を失わず、女優として演じ、そして自分自身を生き抜いたこと、など。 第二には、その生き方とともに、ものの感じ方、表現の仕方が素晴らしいこと。文筆生活は映画界を引退した中年の頃からであるが、文章の一つ一つに「しなやか」な感性と「したたか」な気骨が読み取れる。 まだ読みつくしてはいないが、今の段階で一言でいえば「あっぱれな人」だと思う。 高峰秀子出演の映画を週一本はレンタルしている。彼女の著作と合わせて観れば、ああ、この頃こんな生活だったのかと、また新たな発見が生まれるのが、面白い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011/05/29 11:23:59 PM
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