|
カテゴリ:旅先にて
■移民、開発、発展の歴史を知る サンファンに着いたのは11月11日、その日は、水田や牧場、サンファン移民資料館や交流文化センターなどを見学しました。また、12日にも、叔父の子供たち(従妹たち)が働いている職場なども見学しました。 「養鶏場で卵を集める」 (全部で9棟あり、一棟あたり2000羽が飼育されています) 今は、時差ぼけもあって記憶が混乱しているので、11日分と12日分をまとめた形で紹介します。 ただ、ここに書くことは、聞き書きですので、後日文献で確認したり、サンファン移住地の先駆者である叔父(妻の叔父)の話を聞いて、訂正したり加筆することがあることをお含みおきください。 ※(これまで、このブログは「~だ」「~である」と、第3者的に、かつ断定的に書いていました。しかし、ちょっと人間味に欠けいるともおもっていましたので、今後は「です」、「ます」体を中心に、格好はつけず、謙虚に書いていきたいと思います。 サンファンへの入植は1955年から始まりました。妻の叔父は大学を出て1959年にJACAの前身の組織に農業指導者として赴任しました。最初はジャングルの木々を倒してブルドーザで整地し道路を作る仕事から始まったそうです。木々の根っこを掘り起こし、木々を燃やして畑にする焼き畑農業から耕作が始まりました。(今はCO2排出などの問題がありますが)焼き畑を耕地にするまでが大変で、生活ができずに離農して帰国した入植者も多かったそうです。 現在サンファン居留地の日本人は約800人で、多くの日本人入植者は農業経営に従事しています。耕地が広いので、現地人の労働力が不可欠です。農協を通して、鶏卵や米、野菜など品質のよい農産物が出荷されています。ボリビアは農業国ですが、首都ラパスなど高度の高くてやせた土地が多いので、国家としての食料自給率は6~8割程度だそうです。それに、現左翼政権になってからは、農産物の輸出が禁止されているということです。 叔父の一家は、現在は4男一女すべて独立してそれぞれの分野で、サンファン日本人居留地のリーダー的役割を果たしています。 長男は今年は稲を160町歩作付けしているそうです。農地全体としてはは500町歩以上所有しています。農地の広さの単位は、間口が500m奥行きが1Kmと言いますから、ちょっと日本では想像ができません。 「水場に集まってきた肉牛」 (珍しい来訪者を興味津々で見ています。暑さに強いインド牛を肥育しています) 田植えも収穫も、現地の労働者(常勤、非常勤)を雇っています。稲の生育期間は約150日間で、収穫作業が集中しないように、植え付け時期をずらしています。現在一番早い圃場はもう穂が出ていて、あと2週間ほどで収穫を迎えるようです。 二男は、肥育牛を、広大な牧場に飼っています。サンファンだけで数百頭。品種は暑さに強い白い皮膚で背中にこぶのある、インド牛です。インドの町中に悠々といるあの牛です。私たちが訪問した時は、体調が悪い2頭を現地カウボーイが投げ縄で捕まえて、獣医である二男の奥さんが、注射を打っていました。二男は、70Kはなれた場所にも牧場を持っていて、たまに車で行って面倒を見ているそうです。 三男は建築業.四男は稲作、大豆などの穀物つくり及び牧牛をしています。長女は、医者してサンファンの病院に働いています。 叔父の一族の土地はサンファンの日本人居留地の周囲を囲むように広がっていて、サンファンの日本人居留地の人々の中で一番の成功を収めた人の1人です。このたび訪問することができて、いろんな見聞ができて大変良かったと思います。11日と12日の2日間は、叔父の家族の仕事ぶりを見せてもらって、本当に感心することばかりでした。 水田の遊水地では、パナマ運河では確認することができなかった、ワニが、日向ぼっこをしているのを見ました。また、大きなトカゲが農道を横断していたり、吠え猿が道で車にひかれたりしているのも見ました。 まだまだ自然が豊かなボリビアの農地です。1000坪以上もあると思われる広い宅地の周囲の原生林をわざと残して防風林や、植木(といっても、高さ10mから20mほどもありますが)代わりにしています。また、マンゴーや椰子、バナナなどの木も敷地に沢山植えてあって、マンゴーは今は鈴なりです。(残念ながら収穫は12月ごろかららしいです) 私たち訪問者は、マンゴーの苗を記念植樹してきました。実がなる頃にまた行きたいものですが、体力が残っているでしょうか。ハイビスカスやその他色とりどりの花も咲いていて、住み込みの現地人のお手伝いさんが手入れをしています。また、朝早くからいろんな種類の色鮮やかな鳥が飛んできて、まるで、異次元の世界に来たようです。 ただ、ここに至るまでには、地と汗と涙の大変な苦労があったことと思います。その話しもしっかり聞いてきたいと思います。 ボリビアをはじめとして、今、ラテンアメリカでは多くの国で左翼政権ができていて、日本でも一部の理想主義者や民主的といわれる人は単純な好感を持って見ているように思います。しかし、ラテンアメリカの抱える問題は複雑かつ深刻で、左翼政権イコール民主化・近代化・平等化というような単純な図式で見ることはできません。治安の問題、貧困の問題、内戦、犯罪、教育など、日本人の通常の感覚で見れば、ラテンアメリカの抱える問題は多様で、簡単に解決できるものはありません。。 ボリビアでは、わかる範囲で、この目で見て聞いて、見聞を広めて帰って来たいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[旅先にて] カテゴリの最新記事
|