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カテゴリ:最近読んだ本
「万感のフィナーレ」から、ある予感が・・・ コミック「岳」(石塚真一:小学館ビッグコミックス)が、2005年6月の第1巻発行から7年目の今年9月4日、第18巻の発行でついに完結した。 「第1巻~最終第18巻」 書店で手に取ったとき、帯のキャッチコピーが目に入った。なぜ「感動のフィナーレ」でなくて「万感のフィナーレ」なのか。「感動」なら、誰にでも伝わるわかりやすい終わり方だろう。でも「万感」になっている。ということは、読者がそれぞれ感じるままに感じて下さいということかなと思った。 実際に読んでみて、その予感は当たっていた。 海外の登山経験が豊富な島崎三歩は、北アルプスでテント生活をしながらボランティアで救助活動をしていた。しかし、ある事故をきっかけに北アルプスを去り、ヒマラヤのローツェの単独登頂に挑む。 三歩は苦難の末にローツェの登頂に成功する。その下山途中で、かつての友人がガイド務めるエベレスト登山隊の遭難を知り救助に向かう。 三歩は、無酸素で遭難者を担いで降りるという超人的な活躍する。数名を救助した後、最後の生存者を救助するために再び登る三歩。 少なくとも、三歩がはっきりと遭難死したとはどこにも描かれていない。これまで何人もの遭難者を救助し「良く頑張った」と言ってきた三歩が、最後は自分自身が力尽きたのか。それは読者の想像にまかせられた形で最終巻は幕を閉じてしまった。 この終わり方には、賛否両論あるようだ。 山はあくまでも生きて帰ってくることが一番大切なことだと思う。そういう意味では「万感」という言葉から感じた悪い予感が的中した感じもする。作者としては、そうでもしなければ、この連載に決着をつけられなかったのかもしれない。 平凡な終わり方でもいいから、最後は三歩の笑顔で終わって欲しかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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