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Shige & Happy の 気まぐれ写真日記

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2014/01/16
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テーマ:読書(8579)
カテゴリ:最近読んだ本

重松清「希望の地図」

 「希望の地図」(重松清:幻冬舎 2012年3月)は、不登校になった男子中学生と、その父親の友人であるフリーライターを中心に書かれた物語です。この本の帯には「被災地への徹底取材により紡ぎ出した渾身のドキュメントノベル!」とあります。

 この単行本のもとは「日刊ゲンダイ」に、2011年9月から翌年2月にかけて連載されたものです。だから、この物語には東日本大震災から半年後の被災地の状況が具体的に反映されています。

「希望の地図」
希望の地図140116
(新聞やテレビでは伝えられなかった被災地の姿が浮き上がってくる)

 東京の世田谷に住む中学1年生の光司は、有名私立中の入試に失敗し地元の公立中に入りました。しかしいじめを受けて不登校になります。2011年9月11日、光司の父親は、光司を大学時代の友人でフリーライターの田村章に会わせます。やがて光司は田村章の被災地への取材に同行するようになります。

 物語仕立てですが、光司と田村章が出会う被災地の状況は著者重松清の実際の取材に基づいているようです。なぜなら、田村章という名前は重松清のフリーライターとしてのペンネームなのです。

 <田村章とともに光司が訪れた地(その一部)
 東京秋葉原   「写真救済プロジェクト」
 宮城県山元町  「リンゴラジオ~災害臨時FM放送局」
 宮城県石巻市  「石巻日々新聞~壁新聞」
 宮城県仙台市  「NHN仙台放送局~被災地からの声」    
  岩手県釜石市  「私が考えるかまいし復興プラン」
 岩手県宮古市  「復興プロジェクト~かけあしの会」
 福島県いわき市 「スパリゾートハワイアンズ~全国きづなキャラバン」

 <印象に残る言葉>
 「立ち直るスピードは、みんなそれぞれ違う...、がんばれる人だけががんばってください」
                                                 ~NHK仙台のキャスター
 「夢は無意識のうちに持つものだけど、希望は、厳しい状況の中で、苦しみながら持つもの」
                         ~「希望学」プロジェクトの大学教授
 「風景が変わる悲しさもあれば、風景が変わらない悲しさだってあるんだ」
                         ~福島原発事故による被災地について
  「水槽の中に魚がいるだけでは水族館にならない...にぎわいから始まる復興もあるんだ」
                         ~「アクアマリンふくしま」の取材から
 「線路は人や物を『運ぶ』ためだけでない、町と町や人と人を『つなぐ』もの...」
                         ~三陸鉄道広報担当者
 「テレビや新聞では伝えられない、においと闇...におい付きのテレビや新聞やサイトはない...」
                         ~「復旧」も進んでなかったころについて

「2年半経って」
気仙沼140116
(がれきも無くなり、においもしなくなっていたが... 宮城県気仙沼市で 2013年8月3日撮影)

 重松清には学校のいじめや不登校などをテーマにした小説が多い。主人公の光司が、被災地の姿に触れて元気を取り戻す過程は書かれているが、彼の出す結論や結果には触れていない。それは、「被災地」とか「被災者」という言葉でひとくくりにできない、東北の現状をも象徴しているのだろう。

 マスコミからは伝わらない現実の一部が確かに伝わってきます。特に中学生に読ませたい本です。






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Last updated  2014/01/18 07:26:53 PM
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