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カテゴリ:最近読んだ本
「旅はワン連れ」 ペット連れの旅には、ホテル探しのほかにも多くの解決すべき課題があります。でも、ペットを人に預けたりせず、ペットと一緒に泊つき旅に出ることができる点が1番いいと思います。 自分のペット歴では、たった一度だけ2012年3月に愛犬Happyと2泊3日で菜の花咲く鹿児島県指宿までドライブ旅をしたことがあります。そのHappy君もその1年後の4月に亡くなりました。たった一度でしたが、彼と泊まりがけの旅ができたのはいい思い出になりました。 「ペット可のペンションにて」 最近はペットと泊まれることをセールスポイントとしている旅館やホテルも増えています。でも、海外にペット連れで行った人はまだ少ないでしょう。 「旅はワン連れ」(片野ゆか:ポプラ社2014年10月10日)は、愛犬と海外を旅した記録です。旅のメンバーは著者夫婦と、愛犬「マド」の2人と1匹。行く先はタイ、滞在期間はなんと2ヶ月。タイ各地を周遊していろんな町で滞在する旅をしています。 動物検疫の手続きなど、動物の海外旅行には事前の手続きがあります。動物識別のためのマイクロチップを体内に入れたり、狂犬病の予防接種を最低2回受けて狂犬病抗体検査証明書を取得しておかないといけません。ペットとの海外旅行には周到な事前準備が必要なようです。 「旅はワン連れ」 諸々の手続きは、順序立てて進めればそんなに面倒ではないと書いてあります。何と言ってもこの本は、3歳になる愛犬「マド」と一緒に旅をするという飼い主の愛情に満ちているのです。 このタイへの旅には、保健所に収容されるまでの育ちから、何事にもおびえる「ビビり犬」だったという雌犬「マド」を、1人前(?)の犬にするという目的があったそうです。しかし、難関は「アジワン(著者は放し飼い状態のアジア犬をこう呼んでいる)」たちとの関わり方でした。 テリトリーに入ってくる犬を敵視する「アジワン」たちからすぐ守れるよう、スリング(赤ちゃんをだっこするための首からかける袋)持参の散歩をしたそうです。もちろんレストランなど公共の場ではほとんどスリングの中。「マド」もそこが1番安心できる場所だったようです。 アジア地域では首輪ナシで放浪している犬をよく見かけます。犬を生活の友として飼うということは、まだ富裕層に限られているのです。だから、タイには犬を散歩させる場所が少なく、ましてやドッグランはほとんどなかったそうです。 2人と1匹でカヌーを漕いだりレンタルバイクに乗ったり、タクシーやバス、列車をつかったタイ国内での移動など、彼らの旅は変化に富んでいます。そして、様々なハプニングに満ちています。しかし、いろんなトラブルもペットと一緒ならでは楽しみなのです。 そして最後には、犬ではなく人間のオーバースティで罰金を徴収されるというオチまでついています。タイではビザなし滞在は30日まで、超過したら罰金を取られるのでした。愛犬のことにかまけて、人間の不法滞在には気づかなかったという落とし穴(笑)。 ちなみに、ワンちゃんの航空券は成田からタイまで往復250ドルだったそうです。 この本で始めて知ったのですが、著者片野ゆかの夫はアジアを中心に世界各地の秘境などをルポしている「冒険旅行作家(と勝手に呼びます)」高野秀行なのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014/12/30 04:14:56 PM
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