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Shige & Happy の 気まぐれ写真日記

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Shige&Happy@ Re[1]:実践しているデンタルケア(12/24) mabo400さんへ 一旦始めると、毎食後やら…

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2023/03/01
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カテゴリ:最近読んだ本
​​​曽野綾子のJOMAS(ジョーマス)における活動​​

 JOMASとは「海外法人宣教者活動援助後援会 Japan Overseas Missionary Activity Sponsorship」の略称である。その意味は、海外で働く宣教師たちの活動を支援するNGO(非政府組織)ということになる。

 曽野綾子は吉川英治賞、菊池寛賞、日本芸術院賞を受けた小説家で、文化功労者。また、日本財団の会長を務めている。夫の三浦朱門は文化庁長官を務めたほか、教育課程審議会のメンバーで、「ゆとり教育」を志向した時の委員長。2017年死亡したのち曽野は『夫の後始末』(2017年、20万部)を出版した。自身は現在97歳で健在である。

「曽野綾子~1956年頃」

(一貫して右派の論客だった、近年は生き方などの軽いエッセイが多い)

 最近自分は、「アフリカの発展途上国への援助はどうあるべきか」について考えている。最近、「朝はアフリカの歓び(文春文庫:2014年)」を書店で見つけた。曽野は、本の中で、マダガスカル、インド、ペルー、ボリビア、ブラジル、南アフリカ共和国など多くの発展途上の支援に携わり生々しい経験について書いている。

 自分はキリスト教、特にカトリックによい印象を持たない。大航海時代以降、スペイン・ポルトガルは、キリスト教の布教を目的に宣教師を世界各地に派遣し、新大陸の人々を教化するという「上から目線」で信者を増やし、最終的にはアフリカや南アフリカを植民地にしていった。その政教一体の行動に対する反感があるのだ。

 曽野は、自身で述べているが熱心な信者ではなかった。しかし一神父との出会いにより、1972年にJOMASを設立した。JOMASは、民間団体からの寄付金を元に途上国に定住する宣教師や修道女を介して貧しい人々への援助を行っていた。曾野は設立から40年間会長の職にあって支援の前線に立って活動している。

「朝はアフリカの歓び」

(書籍やメディアの情報で考えることとは違う、実体験からの学びがある)

 その活動のあり方の要点を「朝はアフリカの歓び」の中から列挙してみる。

 世界は泥棒だらけなのだ。(中略)誰が一番盗むか。一番大々的に人の金を懐にするのは、一番エライ人だということになっている。つまり一国の大統領か首相である。一般に公務員の給与は途上国では恐ろしく低いが、警察官が公的な給料だけではろくろく妻子を食べさせられない途上国でも、貧乏している大統領や首相はいない。  ​
 ※ではJOMASはどう対応するか?

(内的には)
 ​私たちは、必要経費を1円も計上しないことにした。通信費、会合費、全て運営委員の誰かが費用を受け持つ。他のヒトには、徹底してただ働きをしてもらう。会合、連絡のために必要な電車賃や電話料さえ、めいめいが出す。それこそが本当のボランティアだと私たちは判断したのである。​

(外的には)
 ​一千万寄付を受けたら、その全額を仕事に使う。(中略)そして私は、この運動を続ける限り、出したお金が正しく使われているか、地球の反対側にでも必ず「監査」に行かなければならないと感じたのである。​

 「監査」の一例として、日本財団がペルーの奥地に49の小学校を建設するため13億円を支出した時のことを書いている。その時、曽野は実際にペルーに行って大統領専用機で奥地に飛び、建てられた小学校を現認している。

 また、インドで貧しい子どもたちのために小学校を立てるということにも取り組んだ。しかし、そこには何重もの制約や現地のヒトとの意見の食い違いがあった。これらの困難が生じる一番の原点は、無数にも分かれるというカースト制だったということは大方の想像できることであろう。

 「朝はアフリカの歓び」には、現地での数々の苦労が書かれているが、支援する側の日本人の考え方についても疑問を感じている。一例としてJOMASが読売新聞社から国際協力賞、講談社から吉川英治文化賞を受けたときのことである。曾野は読売新聞社からの副賞500万円をインドの不可触卑民の子どもたちのための学校建設に使った。落成後、読売新聞社に開校式の招待状を出したが、祝電一つだけで記者はよこさなかった。

 曾野は「朝はアフリカの歓び」の中で次のように述べている。
 ​私たちは決して、自分たちのしていることを宣伝したかったわけではない。しかし少なくとも私自身は、新聞社をも含めて不特定多数の人々が出してくれたお金が、幸いにも安全に育つ土壌を見つけ、そこで未知の人の命と魂を育てている楽しさを、小説的にも楽しんでいた。しかし、日本では、まだ寄付や表彰という行為を、世間の評判のためにしているという空気があることを、私は初めて知った。​

 ここでは、この本のほんの一端しか紹介できない。よく「南北格差」というが、それは経済格差だけを示す言葉ではないことがよく分かった。経済格差の前に、実は宗教的あるいは伝統的な慣習や考え方のギャップが大きいということを知った。

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Last updated  2023/03/14 02:29:27 PM
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