840088 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

灰色の空のむこうには…

灰色の空のむこうには…

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

しまずんば

しまずんば

Headline News

Calendar

Recent Posts

Category

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

MIDNIGHT★B… 青葉 蓮さん
○●Precious… ☆.。.:*・゜shooting star゜・*:.。.☆さん
豊かさを高める成長… Miyuki♪さん
川の流れのように ゆっちだもん8327さん
掌の砂、流れる雲、… ゆっちですよさん

Comments

zer@ aspenly A unique site that allows children to r…
http://buycialisky.com/@ Re:コインパーキングでの攻防…(06/25) discount brand-name cialisdiferenca do …
http://buycialisky.com/@ Re:「結婚しない」…(12/20) over the counter generic cialisbuying c…
http://buycialisky.com/@ Re:幸せ…(07/30) where to buy cialis soft fromwanneer ci…
http://buycialisky.com/@ Re:「DQNに彼女寝取られたので復讐してやったww」…(01/08) inexpensive cialis softwomen opinions o…
2007.08.20
XML
カテゴリ:月下の恋
寒桜、白雪、白妙、千里香、楊貴妃、八重桜、冬桜…、
桜もいろいろあるように、思いもいろいろあるという
ことを改めて知らされたのでした…。


ようやく見つけたミツキ様への手がかり、まだまだ
見つかるんじゃないかと思っていろいろと調べて
みたけど残念ながらその歌しか見つからなかったわ、
世の中そんなに甘くないわね。でも、今までちっとも
見つからなかったものが一歩でも前進したと思うと
この一歩は大いなる一歩なのかも…、ってなんだか
月面着陸した船長みたいな気分。でも、そうまで
しても見つからないミツキ様って一体何なのかしら?
その歌しか手がかりがないものだから、この歌の
ことを調べようとあれこれ探してみてもなぜだか
どこにもそれらしきものはないのよね。でも、この
歌ってなんだか変な感じ。上の句と下の句のバランス
がちょっとおかしいような。どっちも中途半端な
感じで終わってるからこそ違和感を感じるんだけど、
この歌に何か秘密があるのかしら?思いがかなわない
ことに涙を流しながらあの人と会えることを待って
いたら、いつの間にか真っ白に命まで燃え尽きて
しまったというような悲しい恋の歌なんだけど、これが
どうミツキ様に関っているのか、てんで想像つかないわ。
だいたい誰が詠んだ歌なのかがわからないというのが
一番の問題。ひょっとしてミツキ様?と期待したい
んだけど、調べてもわからないのだからどうしようも
ないわね。せっかくの手がかりも次へのステップと
なるものが見つからないからさっそく行き詰って
しまったわ。こうなれば違うアプローチで調べるしか
方法がないみたいだけど、どこから手をつけていこう
かしら?


それから数日後、ひょんなことからミツキ様への
手がかりが見つかったの。まったく、今までの苦労
は何だったのかしらかと思えるくらいにあっさり
だったので、思わず拍子抜けしてしまったわ。こんな
ところにヒントがあるなんて灯台下暗しもいいところ
だわ。そう、ダメもとで先生に歌のことを相談しに
行ったら、あっさりとミツキ様の話題になったの
だから、わたしももっと早くに気付くべきだったのよね。
だって、先生はそういう民間伝承の専門家なんだもの。
事の経緯は、先生にこんな歌って聞いたことありますか?
と聞いたところから。先生はあっさりとこの地に伝わる
ミツキ様に縁のある歌だと教えてくれ、こんなに悲しい
歌は聞いたことがないと言っていたわ。どうやら先生も
以前、ミツキ様について調べたみたいでご存知だったけど
さすがにわたしの卒論のテーマだけにヒント程度しか
教えてくれなかったわ。何でも昔にこの地であった
火事について調べてみればミツキ様にたどり着くとか。
それはまた後日調べるということで、先生にどうして
これほどまでに手がかりが少ないのかと聞いてみると、
どうもこのミツキ様の話はここではタブーになってる
みたい。先生が言うにはこの地ではミツキ様の話題は
ミツキ様を呼ぶと信じられているから口外が禁じられて
いたとか。そんなにミツキ様って恐れられている存在
だというのも変に思えるけど、そういえばおばあちゃんの
怖がりようもそれを裏付けている感じ。でもそんなに
怖がられるミツキ様って一体何をしたのかしら?

話も一段落したところでわたしが見つけたときから違和感が
あった、率直な疑問としてこの歌がちょっと変わっていると
いう質問を投げかけると、先生はこの歌はまだ完結していない
というようなおかしなことを言ってたわ。それから、いろいろ
と謡曲の話をしてくれたのだけど、印象に残っているのは
「鉄輪」の話。あの丑の刻詣りをした宇治の橋姫がモデルと
なった悲しい物語。それがどうミツキ様と関係があるのか
わからないけど、昔の人の情熱っていうのは今では考えられ
ないくらいすごいものだったのね。それほどまで人を好きに
なれるというのは素晴らしいことだと思うけど。他にも先生は
「山姥」の一節をがすべてを物語っていると言ってたわ。

巡り巡りて輪廻を離れぬ、妄執の雲の、塵積もって
山姥となれる

こちらも「鉄輪」に勝るとも劣らないくらいの情念が描か
れた言葉だと思うけど、これがどうミツキ様に関係あるの
かしら。ひょっとしたらまったく関係のないものなのかも
しれないけど、先生がミツキ様にまつわることとしてお話
してくれたことだから、どこかで繋がるのかしら。最後に
先生は、古典における恋愛(つや)物においてそのほとんど
が抑えきれない衝動からくる悲劇的な結末で終わっている
のは、昔の人が当たり前のように接していた人の業の深さを
戒めたものなのかもしれないという言葉が、なぜだかしばらく
の間わたしの心を捕らえて離さなかったわ。



「月下の恋」





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007.08.21 23:36:50
コメント(0) | コメントを書く
[月下の恋] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.