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カテゴリ:つれづれなる思い
3月4日(旧暦二月初二)は、中国の伝説では「龍抬頭」と呼ばれます。
龍の頭が地上にあらわれる日。 ここには、古人が観察していた天文と深い関係があります。 この日の夕方頃、”東方青龍七宿”(二十八星宿)の角宿の二つの星が東から地上に現れます。 この角宿の部分が龍の頭に当たることから、このように呼ばれます。 東の空の角宿 角、亢、氐、房、心、尾、箕 古人には、これの星が龍が昇っていくように見えたのでしょうねえ。 二月初二は、「龍欲昇天」「辞旧迎新」、また好運に転じるとされることから、縁起がよい日です。 北京冬季オリンピックが2月4日「立春」の萌芽する生命と希望に始まり、北京パラリンピックを3月4日「龍抬頭」の万物の生気みなぎる日に迎え、命を尊び、力強い信念をもって奮闘する精神を伝えるにはもってこいの日です。 世界が見守る大イベントの中、忘れてはならないのは、慈悲心。人類の平和、生きとし生けるものを慈慈しみ、尊ぶ心です。 さて、午前中のzoomによる気功レッスンが終わると、なんとなく「鞆の浦がわたしを呼んでいる~」という気がして、いてもたっても居られなくなりました。 見えない力に身体が動かされるように、30分後には鞆の浦行きのバスに乗っていました。 初めてバスで鞆の浦に行きましたが、ウキウキ感がたまりません。菜の花畑は満開を迎え、海のしずかな音は、まるで時が戻されているような、懐かしさを感じます。不思議なことに、鞆の浦という場所にくると、時が止まっているような感覚があります。 (余談ですが、時間の概念はとても複雑ですが、私はどちらかというと、ニュートンの「絶対時間絶対空間」の考え方よりは、哲学的なとらえ方がより日常の感覚に近い気がします。 イマヌエルカントが唱えたように、時間はその時の主観や直感、その空間の感覚で大きく変化すると思います。まさに、ここに来ると、私の中での時間の流れは大きく変化し、普段の2倍は遅く感じます。 人は、動きを感じると時間の流れを感じやすいので、動きの少ないところに身を置くとゆったりと過ごせます。) ちょうど3月に入り、「町並ひな祭り」の開催中でした。前回見たのは、もうかれこれ9年前になるようです。本当に昔から変わらない落ち着く場所です。 江戸時代から伝わる漢方酒「保命酒」は16種類の生薬を調合しています。有名なメーカーは、入江豊三郎(1887年創業)岡本亀太郎(1855年創業)がありますが、ここ鞆の浦に来たら是非寄りたいのが、保命酒屋(1659年中村吉兵衛が保命酒を生んだそうです)。他では販売しておらず、この太田家住宅の店舗でしか購入できません。ここの保命酒は甘すぎず、すっきりした後味、それでいて漢方のほんわか温かい味が胃のあたりから広がります。また、ふわっふわもちもち食感の保命酒の酒粕が絶品なのです。お雛様を見ながら、保命酒の香を嗅ぐとご利益がありそう。 このひな祭りは今年で20回目になるそうです。 「けんちゃんのいりこ屋」のお雛さまは、昭和34年生まれ。 ご主人の「けんちゃん」は最初はおとなしそうな印象でしたが、雛人形の話をしていくうちにいろいろと広がり、30年前に朝鮮半島から鞆の浦に渡ってきて、当初は漁師もされていたとのこと。鞆の浦の美しさや素晴らしさを語る姿は、いや、まさに朝鮮通信使ですね。とても頼もしいです。1時間ほど立ち話…。私は日本を離れて25年になるので、ここ福山のこと、鞆の浦のことなどをいろいろと教えてもらいました。 鞆の浦は瀬戸内の中間で、潮待ちの港でした。この港を背景に賑わった商家や町屋の佇まいが残っていて、古き良き港町の風情を楽しむことができます。 私がここに呼ばれた理由はなんだろう。きっとすぐにわかってくるかな~。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022年03月09日 09時44分05秒
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