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カテゴリ:つれづれなる思い
九月初九は重陽節。登高節。菊花節。
重陽節の祝い方は、まずは秋の行楽で、高いところに登って遠くを眺めながら、天の気を感じる。 長寿の症状である菊花を観賞し、敬老の意を表します。茱萸を挿して邪気払い、重陽餅を食べて、豊作を祈り、菊酒を飲んで、先人を想う…。 ちなみに、三月初三は、春の陽気を取り入れる行事があり、桃花節で子供の成長を祈ります。 道教では、九月九日重陽節は、「昇天成仙」に最適の日と言われています。 道家では、この日は、清気は上昇、濁気は下降、高いところほど清気が満ちていると言われていることから、その清の気に乗って天に上ることができると考えます。 ここ数ヶ月は、能『西王母』世阿弥作を謡っています。 中ノ舞からの和吟の最後に、 「袖も裳裾もたなびきたなびく 雲の花鳥春風に和しつつ 雲路に移れば王母も伴ひ攀ぢ上る 王母も伴なひ上るや天路の行へも知らずぞなりにける」 というくだりがあり、美しい情景が浮かんできます。 西王母は西の神仙ですが、この曲は春の曲となっているようです…。 三千年に一度花咲き実をつけるという仙果の桃を王者に捧げて、聖代を祝福するという題材。 神韻異彩、崇高絢爛たる中に慶祝喜悦の感あふれ、構成簡明、曲も単純であるが、 いささかも追懐、哀愁などの情趣をもたない特殊な一曲であるという。 重陽節にふさわしい曲目だなあとしみじみ感じます。 午の刻、近くの川沿いの公園の丘に一時間ほど散歩に出かけました。 ちょっとでも背伸びした気分になります。 こんなに高いところまで登れたらなあ…。 重陽糕はなかったのですが、地元の「火焼」(おやきのようなもの)のほんのり甘い黒米餡のがあったので、これを切って重ねて高く盛って、重陽に見立てました。 「火焼hou shao」は最後に炭火で焼くのが特徴だそうです。 (写真は微信から拝借) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023年10月25日 11時06分08秒
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