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カテゴリ:中国の生活
中国では、大まかに分けて四つの暦が使われています。
伏羲暦:西暦年数+51477 (伏羲建寅)甲暦=特異天文現象(太陽回帰)を起点 53500年(根拠は不明)実際には使っている人はいませんが…。. 黄帝暦:干支暦 甲子暦法(黄帝建子)甲辰年丙寅月甲辰日 黄帝紀年は4721年(黄帝即位から計算) 神農暦:太陰暦 農歴(神農建丑)、正月初一 西洋暦:太陽暦 2024年2月10日 これらの暦には、歴史的ないろいろな謂れがありますが、天文と算術法がかなり複雑で高度なため、覚えられるようなものではありませんが、偉大な先人たちが作り上げてきた文化と風習を学ぶことは楽しいことです。 1912年までは、中国も農歴を使っておりました。 一応、覚え方もあります。 『天開于子 地辟于丑 人生于寅』 『一歳、六陰六陽 大月三十、小月二十九、交差配列 大月十五望、小月十六望 三年一閏、五年再閏』 毎年最後の一月が大月か小月を見て、大晦日が変わります。大月三十、小月二九。 ちなみに、年でいうと、今年は「(大)年三十」ですが、2025年から2029年までは、「年三十」はなく、「年二十九」となります。 言い間違えると、恥ずかしいので、中国ではこういった予備知識は必要です。 山東省は、歴史や文化が最も古い省です。風習や行事も多く、特別な場所に行かなくても、自宅でさまざまな文化を味わうことができます。 大晦日の夜は、それはそれは賑やかに、花火が上がっています。 マンション内でも、花火や爆竹で遊ぶ子供たち。火薬臭が漂います。 この日は、朝から「福」字と「春聯」(赤い紙に各種縁起の良い対句を書いたものをいい、家の入口などに貼る。)を張る予定でしたが、当日になってから、紙の向きが間違っていたことに気づき、やり直す羽目になりました。 紙は一枚しかないので、一発勝負。 描いたことがない文字ばかりで、緊張しますが、自分で書くこと(労働)に意味があるということで、書家の地であるだけに、こんな字で恥ずかしいけど、頑張って貼りました。 ところで、一般的には「福」の字は、大きな紙に一枚書いて張るのですが、私は横批(門の上部にもめでたい字を書いた紙を貼る。伝統的には右から左に書く)に「五福臨門」と書きましたので、この場所に「五福」を張ることにしました。 ≪尚書洪範≫によると『五福:一曰寿,二曰富,三曰康寧,四曰攸好德,五曰考终命』です。 私が華山派の師から教わったのは、「六十納音五行」による五福聚財陣です。 今年は、甲辰なので、納音は覆灯火ですから、火の字となります。(ちなみに、昨年は金箔金でした) 一通り年越しの準備をしてから、シャンパンと野菜のポトフ料理でお祝いをして、夜の0時までは、いつもの稽古や読経をして過ごします。 そして、元宝を150枚作ります。(全然いつものじゃないけど…) 0時まで起きているのがつらい…。 本来は子の刻(23時から)には、年を越し、大年初一(正月初一)となりますが、頑張って0時まで待ってから、外に出ます。 マンション前の道路に出ると、まだ0時まで10分あるので、一番乗りでした。 花火と爆竹が鳴り響く中、儀式の準備をしていると、同じようにたくさんの札束(元宝)を抱えて出てくる人たちが増えてきました。 「あっ、0時になった」 マンションの広場のほうでは、花火や爆竹組が賑やかに祝っていて、こちらの道沿いは、ひっそりと紙の燃やし組が集まっています。 10組以上はいたでしょうか…。 ここでの「焼紙」は二回目なので、手際もよくなりました。 毎回燃え方が異なりますが、風向きは毎回良い方向です。 人によっては、礼拝をしたり、果物やお菓子、酒を一緒に燃やしたりしています。 互いに話しかけることもなく、黙々と祈祷をしているのです。 この一年が良い年になりますようにという願いが、この町中に満ちている気がいたします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024年02月17日 10時31分31秒
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