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新英語教育研究会神奈川支部HP

新英語教育研究会神奈川支部HP

2001年度

■2001年9月例会は13名。
1. インターネットディベート『小学校の英語教育について』NHKBS(2001.6.16放映)のビデオを見ながら意見交換。
推進派の渡邊寛治氏(国立教育政策研究所)vs. 懐疑派の滝口優氏(白梅学園女子短大)のお2人が意見交換。例会参加者では「小学校から実施するのであれば、カリキュラムをきちんとしなければダメ」という意見。
2. 実践報告(高校):「3年間を見通した多読指導の取り組み」萩原一郎さん(県立白山高校)
前任校の県立港北高校での3年間に7冊のサイドリーダーを読ませる取り組みを報告。
(1) 1年夏: The Man Who Planted Trees(桐原)、
(2) 1年秋: Look and Try(桐原)、
(3) 2年夏:『沖縄 光と影』(三友社)、
(4) 2年夏: Skyjack(桐原)サスペンスもの、
(5) 2年秋冬: Look and Try; Focus on Our Time(桐原)、
(6) 3年春夏:World Scope; People and Issues(桐原)、
(7) 3年:Ryuhei(桐原)薬害エイズと闘う川田龍平さん
人気のあったのは、(4) Skyjack、(7) Ryuhei、(1) The Man Who Planted Trees、(3) 『沖縄 光と影』。生徒の感想は(4)「ハラハラドキドキ、スリルとサスペンス。特にパスポートを食べたところが印象的だった」、(7)「世間では過去のものとして扱われている気がしたが、改めてまだ終わっていないこと、川田さんがみんなに訴えたいこと、人と人との絆など印象に残った」

■10月例会は12名。
例会では授業で使ったプリントの交換を行っており、萩原先生より「掲示・プラカードの英語を読む」というプリント。9月11日の米国「同時多発テロ」以後にあったワシントンでの集会(反戦運動をしている「Act Now, Stop War, End Racism」という団体)での20枚のプラカードから、生徒に3つ英文を選ばせ、和訳+選んだ理由を書かせた。Violence does not solve violence.(暴力は暴力で解決されない)、Killing terrorists will not stop terrorism.(テロリストを殺してもテロはなくならない)War is the problem, not the solution.(戦争は問題で、解決策ではない)などが印象深かった。
1. ビデオ研究報告(高校):「30人でも多すぎる!英語の授業 とにかくこっち向いてやろうよ」関口昭男さん(県立柿生西高校)
3年後に柿生高と統合、総合学科になる。ビデオでの授業風景を描写すると、男子18名、女子10名のうち、21名が教室に点在して座っている。突然3人の男子生徒が教卓に寄ってきて、トイレに連れ立って行こうとするのを押し返したり(意外と素直に戻る)、ドアの外には映画のエキストラのように通行する他クラスの生徒。かと思うと、男子生徒がふらっと出ていって、3分ほどで着席。後ろの方では丸刈りにした男子生徒に触りたくてしょうがない女子生徒が2回ほど頭をナデナデ。(うーん、ビデオってすごい。)そんな中でも「私語から話がそれかかっても、生徒のことばを無視することなく、それに答えながら授業の本筋に戻して続けていくこと」をめざす関口先生。校内では「新しい授業を模索する会」で協力体制を作りつつあり、他教科同士で授業を見せ合いshareしあっている。
2. 実践報告(中学):「無限の可能性を秘めた、英語の歌への取り組み  今流行の歌をどのくらい知っていますか」川口朗さん(横浜市立中田中学校)
Microsoftのパワーポイントを使い、歌を教室のテレビ画面で表示。工夫としては「歌は最後の5分で!」「歌うときは好きな位置で好きなスタイルで!」と提唱。「授業がぴたっと終わる」「歌を口ずさみながら出ていく生徒がいる」「歌をあとに取っておくことで、そこまで頑張ろうという気持ちを作る」「テレビ画面に歌詞を出すので、立って歌ったり、みんなに背を向けてプリントを見たりもできる」「次の時間の体育の準備をしながら歌う生徒もいる」効果がある。この「発散」していく感じは若い川口先生ならではという感じがした。

■11月例会は14名。
1. ビデオ研究報告(高校):「書き込み方式による英文の構造分析と読み」黒澤進さん(希望ヶ丘高校)
高校1年生の英語1のプリントを使っての授業。スラッシュ(/)、ダブルスラッシュ(//)、SVOCMの記号、指示語を矢印で結ぶなどの書き込みをさせながら、英文の構造をつかませたあと、書き込んだ記号を参考にしてポーズを置き、相手に分からせる音読練習をペアで丹念にやらせる。記号づけに関しての議論があった。
2. 実践報告(中学):「歌と外国通貨、絵はがき、切手をこんなふうに」泉康夫さん(川崎市立東橘中学校)
赴任したばかりの中学で生徒の「おしゃべり地獄」に突き落とされた泉先生。そこからいかにして脱出したか? アジア各地を旅行され、その体験の中から生まれた「カボチャのスタンプ」「外国コイン+その国を120字でレポート」。昨今よく見られる「子どもの歓心を買う」活動や評価ではない。社会科的手法を駆使して「生徒の関心を引き出し、広げていく」。スピード感とリズム感、持ち前の美的センスを生かした実践。

■12月例会は14名。
実践報告(高校):「スピーキング能力の育成と評価  定期的な実技テスト実現のための工夫」久保野雅史さん(筑波大附属駒場中高)
親や生徒にわかる言葉で:例えば、「中3で自分の興味のあることに1分間スピーチできる」という到達目標を立てた場合、中1なら「15秒で5文で自己紹介できるようにする」というように、分かりやすく具体的なステップを考える。例)I’m KUBONO. I live in ~. I like tennis. I play tennis once a week. Thank you.
コミュニケーション活動は毎日でなくともよい:例えば卓球部で毎日試合形式での練習をする必要がないのと同じで、英語の授業でコミュニケーションを意識したゲームなどを毎日する必要はない。「音読」「暗唱」「スピーチ」など2、3ヶ月を見通した練習計画で各学期末に大きな言語活動[学期末スペシャルプログラム]をして成果を出せばよい。1年間に3回すれば、3年間では9回になる。
リズムの指導:英語のリズムはシンコペーション。第2音節のアクセントがある単語でリズムが崩れることが多い。そこで以下のように工夫する。
I’m from Chicágo
△「アイム フロム シカゴ」
〇「アイム フロムシ カゴ」
・ジョン・レノンの歌「イマジン」
Imagine there’s no religion…
△「ノゥ リリジョン」(つっかえてしまう)
〇「ノゥリ リジョン」
(この練習を地道に積み重ねると、
中1でも見事に歌える!)
「同時多発テロの教材化」もあった。


■2002年2月例会は16名。
1. 実践報告(高校)「パワーポイントを使った普段着の英語の授業」森延生さん(東横学園大倉山高校)
以前、模造紙に英文を書いて説明していたものを、昨年4月からMicrosoft社のプレゼンテーション用ソフト「パワーポイント」を使って授業をされてきたという森先生。英字新聞や英語の歌などの多彩な副教材を駆使されているが、なによりも授業の魅力は森先生のお人柄にある。例会参加者も「Mr. Moriワールド」を満喫した。
2. 実践報告(中学):「英語劇を発展させアフレコに挑戦」黒崎朱子さん(平塚市立大野中学校)
中2『Total 2』の童話「ツルの恩返し」を発展させて、生徒にアニメーションのアフレコに挑戦させた。最初は乗り気でなかった生徒たち。でもやってみると、良い意味での「欲」がでてくる。そんな生徒たちを見ていて黒崎先生も「欲」が出てきたのではないかと拝察した。

■3月例会報告 2002年3月16日 大倉山記念館にて 参加者:14名
●実践報告(高校)「オーラルコミュニケーションAの授業でやってみた
アクティビティー 
? 高1の文法項目、英語Iの話題を取り入れて」
飯塚 晶子さん(森村学園高等部)
◆ Running Dictationや英語の歌のリスニング穴埋め&歌詞に関するQuestions。飯塚先生の巧みな設定と発問に導かれ、参加者もさまざまな活動を楽しみました。
●実践報告(中学):「1年間の実践を振り返って」
                松浦 美代子さん(大和市立引地台中学校)
◆ 教職に就いて1年目。出来たこと、出来ていないこと、いろいろあります。しかし、そのなかで感じた疑問や課題を整理して、周囲に問いかけ、アドバイスをもらえるかどうかで、道が大きく分かれてしまうのではないでしょうか。この日参加者から出された意見・アドバイスを生かして、2年目につなげていってほしいと思います。


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