声
なにか、やっているのに、もうひとりのわたしときたら、いつも、耳元で、はやくやれって、せかすから、うるさくてたまらないわ。だから、わたしは、せっかちになったり、ぎゃくに、反抗して、やめたくなるの。なにやっても、ちっとも、楽しめやしないったら。さもなければ、これじゃダメ、あれじゃダメと、やかましい。わたしが、すること、なすこと、いちいち、ダメだしするの。それだから、わたしは、いちいちご機嫌伺い。これでいい?ほんとうに?って具合ね。いつも耳元でやかましいのに、もうひとりの私には、聞こえてないことが多いみたい。その口調が、母親に似ているとは気づきもしない。 眠くなったから、もう寝ます。おやすみなさい。 おやすみなさい。