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当職のブログにしては、ややネタが古いかもしれないが、今週の週刊東洋経済に「教養こそ力なり/ さらば!スキルアップ教」なる特集記事が掲載されている。「英語、IT、会計はしょせんツールにすぎない。スキルはすぐにまねされ陳腐化してしまう。真の価値を生み出すのは、深くて広い教養だ。」 「会社に依存しない生き方をしよう」とか、「終身雇用という幻想は捨てよう」とか、散々煽りまくったのが週刊誌だったというのはご愛嬌だが、この週刊東洋経済の特集記事は、比較的良い内容だ。まだ読まれていない方は是非、一読をお奨めする(といっても、当職は別に週刊東洋経済の回し者ではないが…)。 考えてみると、一時期、若者は自衛手段として「英語・IT・会計」の「三大スキル」を身につけるべく、大学時代から一生懸命「自分磨き」をすることが流行っていた。いずれのスキルも、仕事をこなしていく上でも、物事を考え、判断する上でも、非常に役に立つスキルであることに間違いはない。だが、今週号の週刊東洋経済が主張するとおり、その人の本当の能力は、やはり深い教養に裏打ちされているのである。欧米ではギリシャ語やラテン語の古典に通じているとか、聖書を読み込んでいるとか、そういったことが教養であると見なされるようだ。さしずめ、我が国で言えば「百人一首」を暗誦するようなものだろうか。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 唐突にこのようなネタを掲載するのには理由がある。当職の古巣の会計士業界を憂慮しているからだ。思うに、会計士とは職業会計人であって、目先の新基準の改定だとか、IFRSだとか、J-SOXといった制度動向を追いかけるだけでなく、財務諸表に対する深い洞察と理解が求められる立場にある。ところで、過去も現在もそうだが、公認会計士として登録するためには、試験に合格しただけではだめだ。実務経験と実務補習を積んで、最低三年間経過しなければ、その次の試験自体が受験できない。 ところで、当職には公認会計士の実務補習所に詳しい知り合いはいないが、当職の知り合いがある若い試験合格者から最近の実務補習所のメニューを見せてもらったところ、見事にIFRS一色だったそうだ。また、最近の会計士業界では、試験科目に英語を追加しようという動きもあるという。実に愚かな話だ。 そういえば、その知り合いによると、某隣国では既に司法試験だか会計士試験だかの試験科目に英語が入っているのだそうだ。本当だとすると、自分の国の会計監査を行うために、英語が出来なければ資格すら取れないということだから、凄い話だ。どうか我が国でもこのような愚かな議論が収束して欲しいと願うばかりである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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