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本日は、安倍晋三政権を成立させた前回の総選挙について、改めて違う視点から検討を加えてみたい。 ▼「政治なんて、どうせ誰がやったって同じ」の無責任 本体ブログで新年に行った選挙分析の通り、2005年に自民党を、そして2009年に民主党を、それぞれ大勝させた要因は、「1000万人の無党派層」である。 ■やはり是正の必要がある日本の小選挙区制度~専門知識の基礎 2013/01/06(日)号~ ■参院選についても分析してみた~専門知識の基礎 2013/01/13(日)号~ これら一連のブログのエントリーで指摘したが、2012年の総選挙では投票率が前回と比べ、10%以上低下している。つまり、「1000万人の無党派層」が、投票を棄権した、ということが示唆されているのだ。これについて、投票率が極めて低い事が問題だとする論調を時々見かけるのだが、果たしてそれは正しいのだろうか? ▼主要国の中でも高い、ドイツの投票率 我が国の国政選挙における投票率が、最近では6割を若干割り込むほど低いと指摘される。そして、これは「諸外国と比べても極めて低い」、などと指摘されることも増えてきた。果たして、それは事実だろうか?そこで、1945年以来の諸国における投票率を集めたサイトを発見してきたので、紹介したい。 一応、日本の部分について、その正確性を検証してみたのだが、若干のズレはあるものの、概ね正しい数値が転記されていると考えられる。ここで、日・米・英・独・仏について、直近3回の国政選挙について、投票率を転記しておきたい。いずれも、下院議会(日本の場合は衆院、米国・英国の場合は下院、ドイツの場合はブンデスターク、フランスの場合はアソンブル・ナショナル)。 日本…59.67%、69.34%、66.62% 米国…54.05%、38.46%、57.45% 英国…61.06%、58.32%、57.56% ドイツ…64.61%、71.99%、73.46% フランス…46.08%、43.43%、47.25% 如何だろうか?当然、選挙制度が異なるし、事前登録が必要な制度もあるから、単純な比較はできないものの、諸外国と比べて日本が低い、ということは言えなそうだ。もちろん、ドイツが日本よりも概して投票率が高そうだが、それにしても、有権者の8割とか9割とかが投票する、という国は少ないのではないかと示唆される。 ▼無党派の正体とは? 選挙で投票しない人たちは、結局のところ、日本だけでなく諸外国にも平均的に存在している(しかも、米国やフランスなど、幾つかの国では日本よりも遥かに投票率が低い)ということが判るだろう。中には、移民有権者のように、言葉がわからないから投票しない、というケースもあるかもしれない。ただ、社会の中にはどうしても、絶対に投票に行かないという層が、3割程度は存在していることは間違いなさそうである。投票に行かない理由は、高齢や病気だろうか、あるいは意識の問題だろうか。それは当職には判らない。ただ、我が国の場合、1億人の有権者のうち、常に投票をする人々が6000万人いるので、そのうち3000万人の支持を得れば、選挙システム上も絶対多数を制する事ができるようである。 ▼投票制度は不平等なのか? ちなみに、我が国の場合は、衆議院が小選挙区比例代表並立制を採用している。また、参議院も「一人区」(小選挙区)が多く、第一党が圧倒的多数の議席を占め易い選挙制度だ。これを不公平・不平等な選挙制度だという意見もある。ただ、諸外国との比較で申し上げれば、例えば ・ドイツの場合、足切りとして、5%の得票が得られない政党は議席が得られない ・ギリシャの場合、300議席のうち、第一党が50議席余分に貰える ・米国の場合、大統領選は直接選挙ではなく、州ごとに勝敗が決定する方式となっている など、単純比例ではないケースも普遍的に見られるのが事実だ。いずれにせよ、与えられたルールの下で、ベストを尽くすのが政党としての義務なのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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