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Yanmo
深海から深夜へと、闇を通じて泳ぎ来る深夜魚。
当HPでは、そんな深夜魚を探す やんも の日常的
な非日常を記した奇妙な記録を公開中。
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こんな風の強い夜は、風にゆすられる枝葉が音を立て、まるで浜辺を歩くかのようだ。見上げた月に薄い雲がかかれば、それはまるで波間に映るかののよう。
街灯の明かりに浮き上がる、よく葉の茂ったポプラは、速い波に入れるイソギンチャクかソフトコーラルのようで、葉陰から時折黄色や青、目も覚めるようなピンクの色彩が風の中に散って、また戻ってゆく。せっかくここへ来たものの強風とは予想もし得なかっただろう。朝までポプラの葉陰に隠れて、風をやり過ごすのだろうか。 時折、並ぶ街灯の光の外を黒い影が、素早くすり抜けてゆく。彼らにとってはこの風は何よりの楽しみになる。ビル街の入り組んだ構造の中を拭きぬける風は、速い潮流にもにて、スリリングなひとときを過ごせるだろう。非常階段の影に覗いたのは、大きな尾びれだったのか。
心ざわめく風の強い深夜。僕は深夜魚を探しに街に出る。速き風の流れに身を任せ、光と闇のモザイクの中をさまよう。
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Last updated
Jun 9, 2006 03:35:04 AM
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