[鬱羅鬱羅]の記事一覧 | 深夜魚

時の波、不安の闇

押し寄せる黒い津波のような時の恐怖にかられ夜の闇の中で目覚める風音は潮騒のよう暗闇は海底のよう包みこむ不安恐怖を超えた倦怠疲労のなかの鈍い焦燥溺れるようにまた眠りに落ちる

Feb 9, 2009

震える朝

仕事の夢を見て目覚めた朝体は痺れ神経が震えるまるで産み落とされたばかりのみどり子のよう薬に頼り再び眠る二度と夢なぞ見ぬように祈りつつ目をつむる

Feb 8, 2009

粘りつく眠気

睡眠不足の脳からしたたる　半透明の粘液にまみれ　　動きも思考も鈍くなる　痛いほどの集中力で　両眼を開き粘膜を透して　ぼんやりとした風景を見る　やがてグズグズと　粘液に意識も肉体も溶けて　眠りの闇に流れる

Feb 3, 2009

ホロコースト

ナチから救われた民族はその悲劇を忘れ虐殺、殺戮を始めたいまやホロコーストは彼らの手で行なわれている

Dec 29, 2008

待ち合い室にて

病院の待ち合い室に五つの砂時計それぞれの時間それぞれの終わり

Dec 17, 2008

青灰色の涙砂

左目からとめどなく流れるのは青灰色の砂左目の奥に映る広漠たる青灰色の砂丘から零れ落ちる粉のごとく細かな砂ハンカチを当ててもぬぐうことはできず覆った指の間からさらさらと零れ落ちて風に吹かれて散っていくあれは涙砂目の奥に広がる砂丘の砂地下鉄に揺られ暗い車窓を見つめながら思いついた詩です。青灰色の砂丘はよく幻視する風景のひとつです。

Jul 1, 2008

ロバートII

なぁロバートどうしたって今日は世界がこんなにしらっ茶けて見えるんだいめがねのレンズを何度も拭ってもちっとも変わりゃしないじゃないかロバートきらきらしたものやふわふわして心地のいいものはどこへいっちまったのさここにあるのは灰青みがかった灰がずっと砂丘のように続いてらぁなぁロバート、いったいどうなっちまてんだろうなロバートロバートは無口で表情もあまり変わらないヤツです。

Jun 25, 2008

薬の引き潮

一瞬の変化風が吹き抜けていくように見える世界のすべてが精彩を失って白茶けてしまい自分の右側頭部あたりから顆粒になってさらさらと崩れていくような気持ちわかっている薬が切れた自分自身が崩壊するようなこの感覚がたまらないこのまま本当に崩れてしまえそうすれば楽になれるいけません。今日は抗鬱剤を自宅に忘れてしまいました。薬が切れるとまるで潮が引いていくように、意思が失われてしまいます。すぐどうにかなるわけではないのですが、この中途半端な苦痛は、とても重いのです。

Jun 25, 2008

カノウセイの穴

灰色の穴ただそれが目の前にあってそれがカノウセイだというただ灰色の穴入れば消えてなくなるかもしれないそれでもいいか

Jun 20, 2008

リセット

あまりの出来事に頭は思考をストップ体の動きもダウンして心は絶望の坂を転がり落ちるだがそこでリセットなにもかも忘れた気分でやり直し可能性は無限とはいわないけれど扉は閉ざされたわけじゃないまだあるさたぶんきっと

Jun 17, 2008

明るい夜空が本当は暗い

明るい夜空に星はなく地上にすべて散ってしまったよう取り戻したくても破滅を引き換えにしなければ手に入れられない光いっそ自分のほうから空を突き抜けて光の海へ飛び込もうかふきっさらしのビルの屋上一歩から始まる魂だけの宇宙彷徨

Jun 12, 2008

ビターメモリー

喉の奥がヒリつくような思い出を一息に飲み干してなんでもないという顔の裏で鈍い痛みを感じているかっこつけるわけじゃないが同情はいらないその代わりたまには思い出してほしい微笑むような日もあったことを

Apr 17, 2008

ホンキートランキーライザー

苦味のきいたコーヒーとともに飲み下したカプセルと錠剤がゆっくりとのどを通って胃にたどり着くのを感じる壊れかかった心と頭をどうにか正常に保ってくれる薬社会と自分をつなげるありがたくも迷惑なおせっかい焼き次第に高揚する心を意識して自分の見えない心が物質の集まりであることを感じて不思議に思う

Apr 9, 2008

古傷

ぬるりとした感触が指先に残る触れてはならないとわかっていながらどうしても触れてみたくなる傷指先の汚れが本当の今を見せているにじんだ血は偽りの色鈍い痛みはただの幻痛真実は汚れた指先口に含めば鉄錆びの匂いがこもる古い傷はつい触れたくなるものだ

Mar 28, 2008

マタンゴ

まるでキノコのように心の奥でわだかまり膨れ上がっていくものはなんだろう体の内側にみっしりと群生して心身をのっとられてしまいそうだキノコに食い荒らされたうつろな自分あぁ思考力が落ちていく一方でひっきりなしに警告音が体の奥から聞こえてくるそしてぎゅうぎゅうと群生するキノコがひしめき合う音聞こえてくるもうそれしかきこえない

Mar 6, 2008

ノイズ2

ノイズ記憶がやすりで削られたようにノイズかすれてしまったノイズあの時の色も音もノイズいまはただのかすれた断片ノイズ一生の大事と思っていたことすらひとは忘れて変わってしまうノイズノイズもう思い出せない心の中からなにも聞こえないノイズノイズノイズ

Feb 27, 2008

ノイズ

鉛白色に濁った水色を溶いたようなざらついた空ノイズ純粋な思考なぞ刹那に過ぎず意識が生じてこれまでの経験と想像がざらざらと吹き荒んでかき消してしまうノイズ目の前で話しているあなたの声が聞こえないあなたの心の雑音がかき消してしまうノイズ不鮮明な世界に生きている

Feb 26, 2008

朽ち果てる

静かに枯れていく朽ちるこは苦しく朽ち果てることは悲しいただ悲しみのなかに安らぎが求めていた安らぎがある

Dec 20, 2007

青空の灰

青く曇ったそらの下静かに灰が降る青空の灰燃え尽きた天界の塵と化したそれが冬空の下降り散り行くいまはもうなにもないそらを空虚なそらを目に入る灰に涙しながら見上げているずっと

Dec 20, 2007

心がつまづいた日

心がつまづいた日は優しい言葉すら傷にしみるようだよそっとしておくれかまわないでくれひとりにしてくれ歩くつま先しか見れない日もある空を仰いで見られないそっとしておくれかまわないでくれひとりにしてくれじっと布団の中から夜の闇を見つめて眠れないときもあるそっとしておくれかまわないでくれひとりにしてくれ

Dec 6, 2007

心の淵

その淵は一見穏やかで水面は鏡のようだがその黒い水面の下ではぐろぐろと水が渦を巻いている鮮やかな紅葉の葉が一枚落ちたなら水面に波紋も作らずしかし渦の中に絡めとられ沈んで見えなくなる私はその淵の水面を見つめている

Dec 6, 2007

心の檻

理性は監獄であり看守であり無慈悲な判事である

Nov 26, 2007

感情っていったい

　仕事のストレスがひどくて、医者の処方以上にトリプタノールを飲んで、ようやく落ち着きました。でも薬で落ち着いたこの感情は、果たしで本当に自分の感情でしょうか。とは言っても、ちょっとしたことで崩壊しそうになる感情を自分の感情と素直に認められず、これは症状であると考えています。これは誤りでしょうか。　鬱と判断されて1年、いったいどの感情が自分のもので、どれが正しいのか、迷うばかり。これはいっそのことと思いたくなるものです。フリーズすることを許されないのならデリートするまでのこと。そんなことすら考えてしまう今日この頃です。薬で楽になっても、なんの慰めにもなりません。

Nov 22, 2007

愛を求める者

すぐに彼らは愛を求めるまるで安価なブリキのバッチのようにそれが人間としてあたりまえで疑問なんかまるでないようだ得たと言っては騒ぎ失ったと言っては泣き喚く本当に手を差し伸べなくてはならない相手は近くに遠くにいるというのに

Nov 5, 2007

インザパニック

まるで自分のなかでナパームが爆発したみたい珍しくパニックワイパックスも効かないよぉたは、これはつらい

Oct 23, 2007

気分はライカンスロープ

"ひと"とすれ違うたびに紙やすりに触れたように感じて肩をすぼませ帽子を目深に被って歩く夕闇の迫る人通りのないビルの谷間でようやく息をついて空を見上げる矩形の空は運河のようで見上げる僕の心を想像の自由へと導く気分はライカンスロープ周囲の"ひと"とは異なる心気分はライカンスロープ"ひと"に知られてはならない自分

Oct 17, 2007

ザラザラ

かきむしった頭から灰がザラザラと落ちる腕からも顔からもかきむしれば乾いた灰がザラザラとザラザラと

Oct 10, 2007

メディシン

薬を飲んだからと言って心配事が消えるわけではないし自分が超人になれるわけではないさけれど飲まないでいられない世界が砂時計の中の砂絵の様に崩れ去ってしまいそうだしじぶんの体も脳髄から溶けてしまいそう体のいたるところが自分勝手に動いて自分自身じゃ止められなくなりそうさだから薬を手放せない自分がモンスターになるのをとどめるジキル博士の薬のようなものさ飲んでぼんやりしているほうが自分にも世界にもいいことなのさ

Oct 9, 2007

たまには

ときには思い浮かぶイメージもなくただいたずらにキーを押す並ぶ雑文に首をかしげながらも今日はそれをアップしてみるそれは心のホワイトノイズ流れるとまる　生きて　めんどうなここにはない　見えるものではなく失ったのではなく得られなかったくずれる　繰り返し　鉛白　微細粒の風　薄巻　眺めている視点留め置かれる　海のない浜辺　流木化石　風笛　微細粒の闇

Sep 21, 2007

霧の影

白い霧の中に浮かび上がるビルの影自分がいるのは霧に包まれた世界それとも霧の中に浮かぶ影の世界かぼんやりとしたビルの影が心もとなく霧の中で揺らいでいる

Jul 23, 2007

灰色の朝

粘着質のまどろみを引きずりながら曇天の空の下肌寒い朝を歩く夕べのことはぼんやりとこれから始まることなどまるで不透明なゲルの向こうにあるようで見透かせることもなく息も苦しいもがく朝

Jul 20, 2007

Su side effects

Secret Agent Manのノリです。薬で体調も快調精神も清新な感じだぜだけどちょっとばかり問題さ些細な副作用がやっかいSu side effectsSu side effectsぐっと効き目の裏の顔手足が震えているじっとしてても震えてる嘔吐感ならばいつものことさその代わり腹も空かないSu side effectsSu side effects効果イッパツの裏の顔涙がこぼれてくるあぁ悲しくなんかなくとも目がかすんでいる少しだけでも効能書きから目は離せないSu side effectsSu side effects効き目すっきりの裏の顔Su side effectsSu side effectsぐっと効き目の裏の顔どうぞご容赦……

Jul 6, 2007

喪失

失うよりも失われるほうがいいそれは遺されるよりも遺すほうがいいということ

Jul 5, 2007

めまい

体が斜めに流れていく平衡感覚が薄れていく世界は不思議なぐらいひつもすべり出さないくらくらする頭で思う崩れるのは自分だけで世界は何も変わらないただ倒れるように眠る明日の朝も多分来るさ私の気分とは無関係に

Jul 2, 2007

シャリシャリ

頭の中で凍りついた脳みそがシェイクされたようなキブン頭を振れば砕かれた脳がシャリシャリと音を立ててわずかに生きている脳神経をいたぶる脳自身は痛みを知らないが支える神経はそれどころじゃないシャリシャリと耳の奥で音がするたびに痛みと吐き気がこみ上げるああ、ユーツな月曜日

Jul 2, 2007

土砂降りを眺めて

空っぽの心の中にメタリックな粘液が満たされてずっしりと重くなっていく土砂降りの雨の中にメタリックの街が溶け出してねっとりと下水に流れていく都市の残影だけが雨の中にたつ幽霊のように並んでたたずんでいる

Jun 29, 2007

絶望の翼

薬を飲まなきゃやってられない悲しさ紛らわすために心の翼を広げる雲に覆われた空は白く色をなくして見下ろした街もモノトーンに沈む思い切り飛び出しても地面にたたきつけられて惨めな思いにかられるだけだってわかってるただそれだけじゃ悲しすぎるわかってるでもそれだけじゃ悲しすぎる

Jun 28, 2007

木曜の憂鬱

木曜は憂鬱高曇りの空の下でそっとため息をもらす蒸し暑い通りを行きかう人々もどことなく物憂くて薄い影が揺らめいて見える氷だけになったグラスを見つめながら午後の時間を思ってまたふっとため息をもらす

Jun 21, 2007

廃屋の憂鬱

砕けた鏡の破片に唇だけを映し自分自身に微笑みかける廃屋の孤独いまは誰も訪れないすさむ心永遠の黄昏に包まれた世界ひとり彷徨い暗い窓をそっと覗くの欠けた日時計の影に落ちた影を重ね自分自身の時間をはかる廃園の孤独いまは誰も訪れないすさむ心永遠の黄昏に包まれた世界ひとり彷徨い暗い窓をそっと覗くの

Jun 20, 2007

死神妄想

死神は訪れないそんなものは存在しない壊れてしまった機械仕掛けの人間の妄想壊れた機械人は山のようにうず高く積まれまだどうにか動く部分を思い思いに動かしているだけそれが悲しくてそれが苦しくて機械人たちは安らぎを最期の安らぎを与えてくれる死神の存在を妄想するのだ

May 16, 2007

灰色の心臓

血の気を失った灰色の心臓が弱々しく送り出すのは甘くて苦い自己憐憫の血その血が体をめぐれば自分の境遇を嘆きながらそんな自分が好きになれる灰色の心臓はため息をつくように甘くて苦い血を搾り出して体内に送り込む

May 16, 2007

レイニーデイ

陰鬱な夢を見ているような雨に濡れた窓越しに見るコンビナート揺れているのは波のせいそれとも私自身が揺れているのわざと雨の日を選んで乗った遊覧船鉛色の波に浮かぶカモメがとても白く見えたわ古い写真を見ているような雨に濡れた窓越しに見る貨物埠頭ぼんやりするのは雨のせいそれとも私の目が潤んでいるのわざと雨の日を選んで乗った遊覧船パステルカラーの街がくすんで寂しく見えたわ

May 8, 2007

閉塞感

顔の上にガーゼをおっ被せられちまったような息苦しい高曇り踏み切りの警鐘は威勢にいい呼び込みのあんちゃんのように飛び込めと声を掛けてくるなにもかも物憂い曖昧模糊として気持ちが悪い見知らぬ日常をさまよう不安と不快が広がっていく

Apr 28, 2007

断面ヲ見テイル

マブシイ程鋭イ金属ノ断面ヲどきどきシナガラ僕ハ見テイル

Apr 28, 2007

空は青く、心は憂く

振り仰いだ青空には天使の翼が大きく広げられ小川のせせらぎのような風が広げた私の指の間を流れていく緑はまぶしいばかりにきらめき花は揺れて輝くようもしできることならあの天使の翼を背に私も空へ風と雲だけの広大な空間へ旅立ってしまいたい

Apr 27, 2007

万有引力、あるいは覚醒

ニュートンが万有引力を発表したときからこの世界は無関係に存在するものなどなにもなくなにもかもが繋がっていることになったそれを知ったときから私は極狭い部屋にこもりすりガラスの窓越しにしか世界を見なくなっただが地上に降り注いだ雹が窓ガラスを割って僕はすべてのつながりを目にしてしまった僕の心と体はこの世界のすべてに引っ張られて割れた窓から引き出されて砕け散った世界と僕はようやく関係をそうあるべき状態に戻したのだ

Apr 19, 2007

デプレッションシステム

鋼鉄のキューブがいくつも胸のうちに現われて心を重くしてゆく神経はむき出しの銅線のようにピカピカでいつになく過敏だ頭の中でいくつものモニターが過去の記憶の映像や無意味なパターンを映して明滅している耳の奥では金属の軋む音が小さく長く響いて終わらない鼻の奥が鉄の匂いを敏感に捉えている鋼鉄のキューブはますます数を増やし銅線同士が接触して小さくショートするそのしびれが絶え間なくより細い線を伝わって頭の中にあるスチールウールのような神経の中を飛び回って熱いいずれすべてが破綻する統制の取れないマシンがそれぞれに動いて壊れていく

Apr 19, 2007