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本書は、京セラ、KDDIの親的存在、カリスマ経営者の一人である稲盛和夫氏がJALを再建するお話です。
皆さんご存じのとおり、JALは一度倒産し、政府が支援することとなりました。そこで、経営を依頼され、稲盛社長が取り組むことになります。 当初、JALはまるで公務員的組織というか、大企業病というか、社員が全体的にとりあえず仕事を回していれば、何も問題ないと考える風土にありました。倒産してさえもすぐには運航がなくなるわけでもなく、倒産したという意識すら希薄で、根拠はないが、支援されてなんとかなるという都合のいい雰囲気でした。 そこで稲盛社長が、よくわからない言い訳ばかりする社員たちを叱り、数値的にものを考えさせること、自分たちの業務のコストや利益について当事者意識をもって考えさせることを徹底します。 3年の期限で受けた社長職を辞任する際には、業績がV字回復し、公的支援に利子をつけて返すという大逆転劇です。 しばしば日本では経営陣のリーダーシップのなさが取りざたされます。他の本の紹介でも書きましたが、日本は現場が頑張るので、多少の問題があってもなんとか処理するため、すぐには大きい問題にならないのだろうと思います(もちろん社によって違うでしょうが)。しかし、こういうのを見ると、経営者がいかに重要か実感します。何しろ個人が万単位の社員の文化を変える力を持つのですから。 やっぱり大きなかじ取りは、高い知見を持った上で、権限が大きい経営陣がやる。これぞ経営という感じがしました。
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最終更新日
2016年06月12日 17時35分02秒
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