青春のギターリペア K2ギターファクトリー
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◆Kay L1311 セッティング ギターオーナー様は、京都府のKN様です ブログをご覧頂いた事がご縁でリペアのご依頼を頂きました 無事に到着してますのでご安心下さい メールを頂いたタイミングが私のChaki P-1をアップした直後で、 凄い状態のP-1をネットで見てましたので、まさか?とは思いましたが、 違っていた様です 🌻 L1311 が正式型番であるかの確証が無く仮称とさせて頂きます
◆画像からリペアが必要な個所を確認して行きます ●予想とは全く違いまして、良好なコンディションです 製作年代の推測に?が有ります。ロッド調整口無しで有れば、ゼロフレットが洩れなく付いて 来るイメージだったのですが例外も有る様です ●Kayのネームが殆ど読めなくなってます➡Kayは立体エンブレムが張り付けられている様で、 エンブレムを止める接着剤の跡の様です ナットはプロの手で交換されてます ●フレットボードも良い感じです ●お湯でふやかしてから、プレスして曲げている事は判ってますが、この様なラウンドバックに 曲げられるのかと何時も関心してしまいます ●167は刻印なのか不明です ●ネック裏も良い感じです ◆リペア箇所を確認して行きます ●スクレーパーがネックヒールの左右を貫通しませんので、ネックポケットの凹凸の組み合わさる 部分はしっかり接着されている状態で有る事が確認出来ます ネックヒールのこの剥離は、ビンテージギターには良く有る事で、チューニング後も剥離が 大きく広がる事が有りませんでしたので、接着固定対応でOKです ●サイドにドットが入ってませんと、弾いているポジションが判り難いので、ご依頼通りに 黒の2mmのドットを入れます ●コーススレッドは昔お世話になりましたが、ビンテージ・ピックギターをこよなく愛する K2としては許容範囲を軽く超えてますので、頭マイナスネジに交換します ●マイナスネジが使われてますので、ピックガードのネジを交換する理由です ◆ネックの状態を確認します ●1フレットのクリアランスはOKです ●6E/12Fは2.10mmでOKです ●1E/12Fも2.0mmでOKです 🌻測定値では申し分無く弾き易いギターのお手本状態ですが、実際はとても弾き難いです 弾き難い原因は下記の様な理由からです ◆基準となる弦高です ●6E/12Fは2.10mm ●12フレット上の隙間が0.10mm有ります ●9フレットは1.75mmです ●フレット上の隙間が0.50mm有ります ●7フレットは1.75mmです ●フレット上の隙間が0.45mm有ります ●5フレットは1.65mmです ●フレット上の隙間が0.40mm有ります ◆本来ですと、12フレット2.10mmから1フレット0.50mmまで、 比例して弦高が下がって行く事に対して、その間の順ゾリが強烈で、 殆ど下がって行って無い事が弾き難さの原因です。 実機を拝見する前は、ネックリセットのお話を頂いて居りましたが、 ネックの仕込み角度に問題は無く、ネックヒールの隙間も指板とボディの隙間も ネックリセットが必要となる原因には成りませんので、ネックリセットは不要で ネックアイロンで修正して行きます 実機を拝見する前の、本当にザックリしたお見積りよりも金額が下がる事は 確定しましたが、現状以外に新たな問題が無いようでしたら、当初の半分のご予算と お考え頂ければと思います ◆ネック付根とトップのリペア方法です ●この隙間は、トップorネック材の乾燥が進んだ結果、縮んで出来る隙間です 横から見るとトップ材の曲面が下がっている様です ●隙間を測る工具を使って、この部分の曲面をコピーして反対側にそのまま当てて見ます ●隙間の無い方に当てると、逆側のRが違っている事が判ります ●隙間にニカワを注入してから、隙間にメイプルの薄板を差し込んで仕上げます 先日リペアが済んだ【ビンテージ・グレッチ】と同じ工法です ●ピックガード取付ネジは、マイナス頭に交換します ●ロッドの調整口は有りませんが、ロッドが入っている事を確認しました ●モデルナンバーを確認しようと内部を見ますと、【ほこり玉】が多数有りました 内部のほこりは湿気を呼び込みますので、工房で考えた掃除機ノズルで吸い出しておきます ◆リペア開始して行きます ●コーススレッドビスから、ビンテージらしいマイナスネジに交換します 取付穴の面取りをしてピッタリ収まる様に加工して有ります ●リペアの第一段階は、ネックヒールの接着固定からです 隙間にニカワを注入してクランプを掛けて固定を待ちます ●6E側の隙間にニカワを注入してから、メイプルの薄板を差し込んで隙間を埋めます ●ネックアイロンを掛けて行きます 数日弦を外してましたところ、強烈な順ゾリが自己修復?された様で、リペア前の状態よりも 良くなってますが、完全にストレートと言う訳では有りませんので、アイロンを掛けて行きます ●アイロンの余熱が収まる前に強制治具をセットして、ネックを安定させていきます ロッド調整口が有りませんので、素直に言う事を聞いてくれれば良いのですが、 微調整が出来ないのはやはりネックとなります ●ネックの戻り具合を確認するために治具を一旦外しましたので、ポジションマークのドットを 入れます ●スペーサーを追加して弦テンションが掛かっていない状態で、5フレットから上を必要な 逆ゾリになる様に矯正します この逆ゾリを付ける事で、チューニング後に弦のテンションが掛かってネックがストレートに なる訳です。ロッドで調整出来ればこの調整はロッドで自由に出来る訳です ●ネックの戻り具合を確認しながらクランプを掛ける位置を調整します ロッド調整口が有れば簡単な事と思いながら矯正して行きます ●更に位置を変えて矯正してますが、現状で仮のセッティングをして行きます ◆仮のセッティングをして行きます ●ブリッジの土台のネジが出っ張ってますので、ボディに無用なキズを付けない様に 土台の下羽から引っ込む様に修正します ●ブランコテールピースに弦を張る時は厚紙等を轢いておきますとキズ防止になります ●ご指定のEXライトゲージ弦をセッティング弦として使います ●弦テンションが掛かった状態で順ゾリの最大値は0.25mmです ●1フレットのクリアランスはOKです ●ブリッジを調整して6E/12Fが2.00mmでもバズリは有りません ●1E/12Fは1.75mmでバズリは出ません ●全てのポジションでバズリが無い事を確認しました ●ビンテージピックギターでは良く有る、ハイポジの詰まりも無く、フレットを削る必要も 有りません ●ネックジョイント付近もOKです ●ビンテージピックギターに使用するネジはマイナスに限ります ●このセッティングで弾いて見ますと、ビンテージピックギターでここまで弾き易ければOKと 一般的には納得【実は妥協】すると思いますが、順ゾリの0.25mmが微妙な違和感の原因です 順ゾリを0.15mm矯正すれば違和感が完全に無くなりますので、もう一度ネックアイロンを掛けて 矯正する事にします。 6E/12E2.00mm〜〜6E/1F0.5mm 本来は12F〜1Fまで比例して弦高が下がってい行く訳ですが 途中で0.25mm順ゾリが有りますと、比例して下がって行かない事で違和感として伝わって来ます 0.10mmの順ゾリで違和感を感じる事は無く、バズリ防止の必要な順ゾリとして許容範囲となります ◆2回目のネックアイロンを掛けた後の状態です ●6E/12Fは2.25mmにセットします ●1E/12Fが1.75mmのセットです ●順ゾリが修正された影響でバズるポジションが出て来ましたので 擦り合わせして行きます 弾きながら確認して行きます ●擦り合わせが終了しましたので、フレットクラウンを修復して行きます ●修復を住ませたフレットです ●1フレットのクリアランスは0.5mm弱でOKです ●6E/12Fは1.25mmでOKです ●1E/12Fは、1.75mmでOKです ●音詰まり気味になっていた、1E/2B/3Gのブリッジの弦み溝を調整して有ります リッジ・ベースの周囲のマスキングテープは、オクターブチューニングが大体 合う位置に張って有ります ●リペア&セッティングは終了しましたが、コンディションが変化しないか見極める時間が 必要ですので、発送には数日お待ち頂きたいと思います。 一般的にピックギターは音量は余り出ない傾向ですが、このギターは豊かな音量【爆音】に驚いてます ◆セッティングに変化が出ない見極めの時間を取りました ●アジャスタブルブリッジですから、お好みで弦高調整は自由に変えられます ●ネックが安定している事を確認しました 🌻K2ギターファクトリー 千葉県八街市 八街 に-67-3 代表 加藤 和久 ☏ O8O-5376-O998 ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております