グッドナイト&グッドラック
『グッドナイト&グッドラック』(2005年/米国 原題:Good Night, And Good Luck)を見た。赤狩りに立ち向かった国民的ニュースキャスター、エド・R・マローと番組スタッフたちの姿を描いた社会派ドラマで、楽友Ghana8786さんのダーリン=ジョージ・クルーニーが監督・脚本・出演の三役をこなした作品。以下、感想を箇条書きに。・淡々としていてドラマチックなわけではないけれど、私はとても引き込まれた。エド・R・マロー(デヴィッド・ストラザーン)の語り口がとてもカッコイイ!・職場で、バーで、みんなプカプカ煙草を吸っているところや、タイプライターの音、ジリリリリーンとなる電話などがモノクロで映し出され、1950年代という時代が、とてもスタイリッシュに再現されていたのではないかと思う(ってその時代をリアルに知っているわけではないけれど)。アカデミー賞の撮影賞にノミネートされていたというのも納得。・赤狩り、マッカーシズムについてほとんど知識はなかったけれど、調べてみると、ハリウッド映画界との関連も深い模様。ちょっと本でも読んでみようかしら。・1950年代には、国民が得られる情報といえば、それこそテレビ、ラジオと新聞からの情報だけだっただろう。そういう時代にあって、彼らがマッカーシー批判をしたことは、テレビ報道に携わる者としてのプロ意識による、勇気ある行動であったと思う。ただ、インターネットが普及した現代においては、テレビ報道の役割はこの当時とずいぶん違っている。いろいろな情報が得られるようになった分、何が“正しい”のかを判断するのは、とても難しくなっている。その判断の基準となる、自分の拠り所とすべき思想や価値観って、いったい何なんだろう?と、しばし考え込んでしまった。評価は、★★★★ (満点は5つ)