『ローマ人の物語 危機と克服』を読んだ。
前に読んだ『悪名高き皇帝たち』とは違って、今回登場する皇帝たちのことを、私はまったく知らなかったので、かなり興味深く読めた。
有名な“ネロ”と“五賢帝”の時代に挟まれたわずか30年足らずの間に、ガルバ、オトー、ヴィテリウス、ヴェスパシアヌス、ティトゥス、ドミティアヌス、と6人もの皇帝が帝位に就いた(うち4人の皇帝は暗殺など非業の死を遂げている)という。
この物語の中では、帝位をめぐる内戦、ガリアの反乱、そしてユダヤ戦役と、大きく分けると3つの戦いが書いているのだけれど、その中で私が一番面白いと思ったのは“ユダヤ戦役”のところ。
ユダヤ人の特性について簡単に分析している中で、印象に残った文をいくつか挙げようと思う。
『ギリシアやローマに代表される多神教の神々は、人間を守りその行為を助ける存在でしかない。ユダヤ人の奉ずる一神教の神は反対に、人間にどう行為すべきかを命じ、それに反しようものなら罰を下すことも辞さない存在である』
→ なるほど、こう考えると一神教の人たちにとっては“勝利の女神”も存在しないわけだ。なんか、つまらないなぁ。。。
『玉砕は、後世を感動させることはできても、所詮は自己満足にすぎない』
→ ズバッと言い過ぎている感も否めないけど、“玉砕”によって何かが変わる、ということは、あまりないような気がするという点では同感。
あ、あと話は飛ぶけど、この本を読んで、
ローマのコロッセオを建設させたのは、ヴェスパシアヌス帝だったということや、
ヴェスヴィオ火山が噴火したのはティトゥス帝の頃だったということを初めて知った。
ローマへ、ポンペイへ、すごく行ってみたくなってきた~っ!