池上彰 著
『そうだったのか!中国』を読んだ。
実は私は、昔から中国に対してはあまりいい感情を持っていなくて、中国の経済成長に対しても懐疑的なところが多分にあるのだけれど、その理由について自分で情報収集をして検証したことがなかった。でも、
『10才までに知っておきたい世の中まるごとガイドブック(基礎編)』でとてもわかりやすく諸問題を解説してくれていた池上氏の著作であれば、なんとなく余分なネガティブ感情抜きにして読める気がして、中国について学んでみようと思い立ち、この本を手にとった。
書かれているのは、毛沢東の共産党の誕生から毛沢東の時代、トウ小平の時代を経て、現代まで。大躍進政策、文化大革命、天安門事件、台湾との関係、一人っ子政策、香港の“回収”、軍拡など盛りだくさん。
以下、感想を箇条書きに。
・日本の教科書が歴史を歪曲しているとして、中国政府は日本に抗議しているけれども、中国の歴史教科書は、共産党の正当性をアピールするため、共産党の誤り(大躍進や文革)を取り上げていないのだという。これじゃ、日中関係がうまくいくわけないよねぇ・・・
・中国では、農村と都市では戸籍が異なり、農村の戸籍を持つ人は都市に住むことが認められないのだという。これは、毛沢東が、農村の人口を減らさないため
に作った制度なのだが、こういう制度がある以上、中国の所得格差が縮まることはないのだろう。
・言論の自由がない中国では、インターネットの検閲もおこなわれているという。“天安門事件”とググっても情報にアクセスできないというのだから、徹底している。こういう言い方はよろしくないのだろうけれど、中国に生まれなくてよかったとつくづく思う。
【今年の読書目標達成まで---あと2タイトル】