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テーマ:吐息(401)
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14年前のこの季節、長姉夫婦、次姉、わたしの四人で北海道の旅を楽しんでいた。 次女の大学の入学式も終えたばかりで、もうこれからは遊ぶぞーとばかりに初めての北海道を満喫する予定が、身体に異変が起きたのである。 急に足が痛くなり、歩けなくなった。楽しいはずの観光地で足を引きながら、時には観光バスに残っていたりとほとんど旅行を堪能できなかった。今思うと、北海道の印象を聞かれてもまるで記憶がないくらいの散々な旅であった。 行くまでのわくわくする気持ちは吹っ飛んでしまって、とにかく訳もなく体中が痛むのだった。 そして帰宅した翌日、会社の昼休みに戻った自宅の留守番電話から、我が家の悲劇が始まったのである。 それは本当に長く苦しい試練の始まりだったのであるけれど、わたしの身体の異変はまるでそれを予知していたかのように痛み出し、試練が始まった瞬間に痛みは消え去ったのである。 足を一歩踏み出しただけで体中を激痛が走ったのに、嘘のようにその痛みは去った。 その代わりに、絶望と言う名の激痛と共に、奈落の谷底に突き落とされたのだ。 当時、もう二度とわたしの顔に笑顔は戻らないだろうと思ったし、現在命が存続していることが不思議なくらいの重さでのしかかっていた。 でも、とてつもなく辛い日々だったけれど、今、日々を笑って過ごしている。 これは努力した結果なのか、そうではなくて奇跡が起こったのか、そのどちらとも言えないが、元気に生きている。 その記憶をわたし自身が風化させないために、ここに記しておきたいと思う。 わたしはその日を、魔の4月18日と呼んでいる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年04月17日 22時42分13秒
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