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2010年03月02日
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カテゴリ:里山での読書

図書館もいいなぁ

竹細工の本探しから図書館が今、マイブームになりつつある。
サラリーマン時代は、読みたい本というよりも読まなきゃならない本が多数を占めていたが、最近は読みたい本が中心だ。
もとより難解なものは敬遠してエッセイものとか小説ものがほとんどだ。
大半はネットでブックオフから105円のモノを探し出して送ってもらっていた。

だが、このところ県立図書館に行ったついでに開架式の本棚や新刊コーナーに立ち寄ることを覚えた。
今更ながら図書館って、こんなにも豊富に本があったんだと実感した。
ネット上ではタイトルでしか判断できないけど、図書館だと手にとって"はじめに"を読んだり目次を見て内容がある程度見分けられるのが嬉しい。もちろんタダなのが最高の魅力だ。お陰で読書のジャンルも広がった。

 

最近の2冊

『知ってほしい アフガニスタン  戦禍はなぜ止まらない』(レシャード・カレッド 高文研) 著者は、アフガニスタン出身で日本に留学して医学を学び、静岡県島田市で病院や社会福祉施設を開設して運営しながら京都大学医学部の臨床教授でもある。同時にNGO「カレーズの会」を立ち上げ、アフガニスタンの復興支援活動も行っている。

このところ以前に比べ報道の機会が少なくなったが、自衛隊の派遣の関係やNGOのスタッフの殺害ニュースなどで目にし、耳にするアフガニスタンやイラク。でもこの戦争がどうにも理解しにくかった。

 読んでいて大国に翻弄され、大国に利用された複数部族・武族の対立が根にあることを知った。古今東西、戦争は弱者を犠牲者にしているが、ここでも6割以上が子どもと女性だという。復興を願って国連を通じて莫大な金が投じられているが、実態は武装集団の武装解除や社会復帰の検証がないまま、巨額な資金がどう使われ、どう役立ったかか不明のままだそうだ。

最近は地方の治安が悪化し一般住民がまた犠牲になっているという。その原因の一つが国際社会から提供された援助金の不公平で効率の悪い分配と、それによる格差の拡大(一部の政府役人が豪邸を建て豊かな暮らしをし、一方で多くの一般市民が衣食住に事欠く生活を強いられている)からだという。

報道からだけでは解らない内実がずいぶん歯に衣着せずに書かれているようだ。しかも長年続けてきた医療・教育のボランティア活動を通じて得た情報だから信憑性も高く納得させられた。今度報道ニュースを見たときに、少し見る目が変わるような気がする。

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もう一冊は『シニア世代の学びと社会』(牧野篤 勁草書房)。

山里に籠り自給・自立・自律した生活を目指しながらも、今一つ心穏やかでないのはなぜだろう。同じシニアの皆さんはセカンドステージをどのように生きているのだろうかと関心を持ったのが読む動機だ。

2001年と2007年に実施した調査をもとにシニア世代の価値観と生き方を分析してる。団塊の世代以前と、団塊の世代が加わった2007年の違いが興味深かった。自分の属する団塊の世代に一脈通じるものがあった。

大まかに言うと2001年のシニアが「健康」「社会貢献・ボランティア」「趣味」「仕事」「家族」に深い関心を持って生きているが、意識は、自らを家族、友人・知人そして社会との関係の中において、自分がこれまで生きてこられ今ここにいることに感謝し、その感謝から恩返し・人様に迷惑をかけない生き方をしようとしている。

これに対して団塊の世代が加わった2007年の特徴は、関心を持っていることは順序は若干異なるが「健康」「趣味」「家族」「ボランティア・社会貢献」「経済」「仕事」と変わらないが、「好奇心と自己中心性」が意識として根底にあるのが特徴という。自分を強く社会に押し出して社会の様々なことに強い好奇心をもって、しかも自分自身にも強い関心を持ち、積極的に前に前進しようとする強い自律性と自立志向を持っているという。

なるほどと思う。
確かに自分の中にも「好奇心と自己中心性」の意識が強い。だが新しいことに立ち向かっているときは良いが、これはどこまで持続するものなのだろう。息切れしないのだろうか。自己中心性のもとで心の穏やかさ、和やかさは保てるのだろうか。この本では残念ながらそこまでは触れていない。






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最終更新日  2010年03月13日 13時54分22秒
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