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2010.07.11
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カテゴリ:感想
 秋津新聞社の投稿課に届いた一通のメールは、静かに、そして大きく秋津新聞を揺さぶった。メールは、女子中学生を誘拐監禁し身代金の要求を告げてきたのだ。添付された彼女の写真は、届くたびに服を剥ぎ取られていく。はたして秋津新聞社が取るべき対応は・・・

 最初に書いておきますが、これは偽装誘拐ものです。いろいろとすごい作品でした。
 もっとも目につくのは、誘拐事件を偽装した中学生の野中栞の恐るべき冷静さです。進学校に通っているとはいえ、一介の中学生が咄嗟にこんな偽装誘拐を企てられるとはとても思えません。まして、彼女は両親の死を目の当たりにしたばかりに、こんな動機で。これはちょっと無理があるかなあ。一言でいえば無理矢理、あるいは強引。

 そういうところを抜きにすると、犯人側が秋津新聞社にかけるプレッシャーがとてもきわどくスリリングでした。なにしろ野中栞は秋津新聞社の上をいく手を打ち、完全に手玉に取っています。まったくもって空恐ろしい中学生なのです。写真の件など、ここまでやるかという感じ。いや、「石持浅海、ここまでさせるか」か。
 一方、秋津新聞社はと言えば、新聞社としてのメンツだとか以前の事件の後遺症のようなものに囚われ、迷走もいいところ。大人の汚さが見えてきて、かえってリアルです。でもこういった組織防衛的な考え方が、妙にしっくりきました。

 最大の山場となるのは、誘拐ですからやはり身代金の受け渡しシーンです。この事件ならではの趣向を凝らした方法が何とも目を惹きました。本当に侮れない犯人です。
 誘拐もののミステリも数多くありますが、いろいろな意味で記憶に残りそうな作品でした。
2010年6月20日読了





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Last updated  2010.07.11 10:54:43
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