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2010.07.29
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カテゴリ:感想
 高校を卒業した梅本杏子は、デパ地下に入っている和菓子屋「みつ屋」にアルバイトとして勤めだした。自分がやりたいこともわからず就職もしなかったのだが、ニートにはなりたくないと考えたのだ。店長の椿をはじめとする個性的な面々に囲まれ、少しずつ仕事に慣れていく杏子だったが、お客も個性的で・・・

 今度は和菓子屋! 坂木さんは毎回変わった職業の日常(?)の謎を見せてくれるのでそれが楽しみだったりします。
 今回も和菓子とそれにまつわるあれこれがいっぱい詰まっています。「兄」とか「腹切り」とか様々出てきた業界の隠語そのものもおもしろいのですが、その裏側にあるものごとやいかにも日本を感じさせるエピソードがたまりませんでした。ちょっとしたお勉強ですね。

 登場人物はみんな個性的。身近にいたらちょっと困るかもしれないけれど、物語の中にいる分には魅力的だったりします。椿店長の二面性も意外だったし、イケメン立花は表と中身のギャップが大きく、桜井さんは過去がちょっと顔をのぞかせて・・・って、みんな素顔をちょっと隠したような人ばかり。でも、それが物語の中で活かされています。
 でも、一番魅力的だったのは和菓子かもしれません。和菓子ってやっぱりアンを使った甘いもののイメージが強く、多少敬遠気味でした。でもそこに秘められていたものを少しかじると、なんとも魅力的に見えてくるのです。おいしそうに見えるのはもちろん、様々なエピソードが輝かせているかのようでした。
 謎解き担当は椿店長でしたが、本当にズバッと切り込んでいきます。お客さんの買い物や言葉の端々などをとらえて、心に抱えている問題を解決していきます。ちょっと踏み込み過ぎな気もしますが、まさにナイフのような切れ味でした。ただ、切れ味がよすぎて読者に考える余地を与えないような展開で、そういった面で推理の楽しみは薄かったように思えます。

 和菓子という比較的地味な素材でそこに隠された世界を広げ、あたたかな人のつながりを見せてくれた坂木さん。次に取り上げるテーマが楽しみです。

収録作:「和菓子のアン」「一年に一度のデート」「萩と牡丹」「甘露家」「辻占の行方」
2010年7月15日読了





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Last updated  2010.07.29 12:16:40
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