女性署長ハマー　　　LSLE OF DOGS　上下　　　講談社文庫
パトリシア・コーンウェル　

パトリシア・コーンウェルの検屍官ケイシリーズは好きで良く読むのですが、
この作品は、ケイのシリーズとは別物で、
ハマー警察署長のシリーズの３作品目の作品だと思います。
さらに言うならば署長ハマーシリーズとも一線をかくしているようです。
今まで読んだ彼女の作品はみな、シリアスでかなり強烈なイメージを送って来るものが多かったのですが、（それが新鮮で読んでいて良かった）
今回のこの作品だけは今までの作品とかなり違った雰囲気を漂わせています。
今まで書いてきた路線からの反発なのか、コメディー？　とまでは言えないまでも、かなり砕けた書き方で書かれています。
一応、警察のお話なので殺人や強盗などの話も出てくるのですが、全体に流れているゆっくりとした雰囲気や書き方でキワドイ場面もそれほどインパクトが強くないです。
作品の中ほどで出て来たカニとマスの掛け合いは中々楽しめました。　(^^ゞ　今までのコーンウェルの作品とはかなり違っていたのでなお更楽しく感じられたのかもしれません。

気楽に、ちょっとした息抜きのつもりで読むには最適な本だと思います。
ジュブナイルでは少し物足りなく、しかしハードな描写はいやだ！　という向きにお勧めかもしれないです。