|
カテゴリ:本・雑誌
伊坂さん得意の、いくつかの物語がリンクする構成の小説です。 自分流儀のスタイルを持つ泥棒家業の男。 自殺した父を持つ、神に憧れる画家志望の青年。 不倫相手との再婚のために殺人を計画する女性カウンセラー。 職を失い、家族に見捨てられ、職探しに苦しみ、自暴自棄になりかけている男。 金で何でも買えると豪語する画商と、新進の女性画家。 読み始めは、ストーリーがあちこちに飛び回るのでじっくり頭の中で整理しないと付いていけなくなりそうですが、最後のほうではそこかしこで登場人物がリンクし、ああああ、まただ~~と気が高まり、読む速度が加速します。 時には笑い、時には驚愕し、時にはしんみりとし・・。 様々な人々の人生模様。成功と失敗と苦悩と。 伊坂さんの上手いところはこの複雑な、でもしっかりとした構成。 時間さえも交錯する。この巧みさ。 まさにエッシャーの騙し絵のような。 不可思議でエキセントリックな人々も多数登場します。 普通の思考回路では考えられないような・・;; 死体解体や、死体が勝手にばらばらになったり、ひっついたり・・ ちょっとグロテスクなところもありますが・・伊坂さんの筆ではあっけらかんと書かれているので嫌悪感は少ないです。 伊坂さんは音楽や映画もお好きらしく、小説の中にも色々と引用されますが、それもまた楽しみの一つですねvvv お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.10.06 00:35:03
[本・雑誌] カテゴリの最新記事
|