人の肝細胞の体外培養成功
人の肝臓の細胞(肝細胞)を体外で培養し、その主要な機能を維持することに、名古屋大学の研究グループが世界で初めて成功しました。肝細胞を体外で培養し、機能を維持することは困難でしたが、研究グループは肝細胞の一つ「FLC―4細胞」に着目し、生体内部の環境により近づけるため、シャーレ上で立体的に培養できるよう工夫しました。その結果、血液の主成分のアルブミンを始め、分解作用のあるたんぱく質を作り出すなど、肝細胞の主要な機能維持が確認できたそうです。肝臓での薬の分解機能は人種によって差が大きいことが知られています。この方法で日本人由来の肝細胞を培養することによって、日本人に合った安全な新薬開発に役立てられるほか、臓器提供者が足りない肝移植に代わる人工肝臓に道を開く成果として注目されています。