タクシーがすぐ来る地方都市では、事故が多い?
2002年2月のタクシーの規制緩和以降、タクシーが人身事故を起こす割合が首都圏より宮城、福岡といった地方の大都市でより増える傾向にあることが報道されています。全国的に横ばいの自家用車やトラックに比べ、タクシーは事故割合が増え続けているそうです。なかでも新規参入などによる競争の激化で運転手の収入減や労働環境の悪化が著しい地方の都市で、しわ寄せがより鮮明に表れている、としています。朝日新聞の集計によると、1日の走行距離に占める客を乗せて走った距離の割合「実車率」の低下と走行距離当たりの事故件数の変化に相関関係がうかがえる地域が多かったとしています。実車率が低いと1日の売り上げが減るため、運転手は客を見つけようと急いだり注意力が散漫になったりしがちとみられています。関連が際だっていたのは仙台を抱える宮城県。2001年度に比べて2005年度の実車率が3ポイント下がる一方、走行距離当たりの事故件数は約3割増えたとしています。宮城県は2001年以降、新規参入と既存業者の増車で約1000台タクシーが増加。1日の売り上げが大幅に減り、激しい客の奪い合いや長時間労働を強いられている、としています。それ以外にも、福岡県、札幌市やその周辺、新潟県などでも全国平均より実車率が落ちた一方で走行距離当たりの事故件数が1割以上増えていたそうです。実車率がほぼ横ばいで、距離当たりの事故件数が微減や横ばい傾向にある東京都や神奈川県とは対照的、としています。都内でタクシーに乗ると、荒っぽい運転で、命懸けの状況(大げさ?)になることがあります。それに比べて地方都市で、タクシーに乗ると、いい意味でおっとりした運転でほっとすることがあります(私が田舎ものなだけかもしれませんが)。そんな地方都市でも、厳しい競争におかれているんですね。なかなか差別化の難しい業態でもあり、ライバルに差をつけるのは難しそうです。