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カテゴリ:如懿伝〜紫禁城に散る宿命の王妃〜全87話
![]() 如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace 第60話「誤算」 第4皇子・永珹(エイセイ)を皇太子にと熱望し、親王や高官への根回しに余念が無い嘉貴妃(カキヒ)・金玉妍(キンギョクケン)。 康熙帝(コウキテイ)の頃より官吏と皇子の往来は禁じられてきたが、乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は警告の意味を込めて今一度、布告した。 両広(リョウコウ)総督が皇帝と嘉貴妃に同じ献上品を贈っていたことも分かり、辺地の長官までが永珹を重視している。 しかし侍女・毓瑚(イクコ)の指摘が弘暦の目を覚まさせた。 「それは…陛下が4阿哥をいたく重用しているからです」 御前自衛・凌雲徹(リョウウンテツ)は久しぶりに家に帰っても心ここに在らずだった。 妻・茂倩(モセイ)は毎日ひとりきり、実は夫は結婚してから数回しか帰宅していない。 「仕事ばかりではなく、私のことも顧みてよ」 「私に嫁いで2年経つが、いつも不満ばかりこぼしているな」 「贅沢させるほど出世できないなら、せめて毎日、家に帰って! たかが侍衛ごときが私を軽んじるなんて許せないわ!」 しかし凌雲徹はため息をつき、妻を無視して行ってしまう。 ![]() 弘暦は急に第4皇子に冷たくなった。 困惑した永珹は母に泣きついたが、金玉妍はあきらめないよう元気づける。 「あなたの足を引っ張る者が多いのよ、大丈夫、気にしないで」 何より永珹は即位後の初の皇子、嫡子の第12皇子・永璂(エイキ)もまだ幼い。 金玉妍は勝算があると踏み、息子と手を取り合って奮起したが…。 皇太后は唯一、孝を尽くしてくれる第5皇子・永琪(エイキ)を高く評価した。 今日も永琪は慈寧(ジネイ)宮を訪ねていたが、そこへ養心殿の太監・進忠(シンチュウ)がやって来る。 「木蘭囲場(モクランイジョウ)より野生馬が献上されました」 すると皇太后は永琪も馬を見て来るよう促した。 弘暦は妃嬪や皇子たちと一緒に野生馬を見学した。 しかし野生馬は気性が荒く、調教師も手を焼いている。 穎嬪(エイヒン)・巴林(バリン)湄若(ビジャク)は人に慣れぬなら射殺(イコロ)してしまってはどうかと提案したが、永珹が懐かぬ馬を馴らすのが醍醐味だと反対、手なづけてみることにした。 するとかつて木蘭で苦役についていた凌雲徹が、第4皇子は秋になると木蘭囲場に来ては馬を手なづけ、熟練の調教師でも皇子にはかなわなかったと称賛する。 また第4皇子は野生馬にも精通し、凌雲徹も調教しているところを見たことがあった。 「調教、乗馬、狩り、いずれも秀でておいでです」 弘暦は今の今まで永珹が馬に精通していると知らなかった。 野生馬を難なく手なづけ、背中に乗って見事に御している永珹…。 その姿を目の当たりにした弘暦は狩り場での刺客騒ぎを思い出し、永珹に疑いの目を向ける。 金玉妍はそんな皇帝の変化に気づき、その夜、なかなか寝つけなかった。 「永珹を引き立てる策が裏目に出てる 野生馬を調教した件で皇上は永珹に疑念を抱き、遠ざけるかもしれない…」 そこで金玉妍は玉(ギョク)氏に清に忠誠を誓うよう文を書き、自分の玉氏への影響力を皇帝に知らしめることにする。 さらに玉氏に皇子を招待するよう求め、皇帝が永珹を遣わせてくれれば玉氏との関係も緊密になると期待した。 「もし5阿哥が遣わされたら、道中で亡き者に…」 その夜、弘暦は刺客に襲われた日の夢を見て飛び起きた。 如懿はすぐ気づいてなだめると、弘暦は夢で永珹を見たという。 あの日、永珹が弘暦に続いて林に入ったことは凌雲徹も証言していた。 しかし永珹は声を発せず、弘暦が危機に陥ると見計らったように現れている。 「朕の歓心を得るための茶番であるならば許すことはできぬ…」 実は弘暦はすでに養心殿の太監・進保(シンホウ)を木蘭囲場の内偵にさし向けていた。 しかし進保は第4皇子が皇帝に続いて林に入ったと複数の証言を得られたものの、結局、それ以上のことは分からなかったという。 皇帝の信頼を得た凌雲徹は一等侍衛へ昇格した。 すると茂倩が早々に近所の人や同僚を食事に招待してしまう。 凌雲徹は自分が御前侍衛と知れ渡れば仕事に支障が出ると呆れたが、茂倩はすでに招待してしまったと訴えた。 「お前と来たら…」 「行くの?行かないの?!」 結局、凌雲徹はすぐに着替えることにした。 玉氏から皇子を招きたいと上奏文が届き、弘暦は如懿に相談することにした。 永珹では玉氏との接近が懸念されるが、何事も慎重な永琪なら適任だという。 しかし如懿は使者の候補がわずかなことから、玉氏も当たりを付けているはずだと怪しんだ。 「確かに永珹を使者にすれば外戚の台頭を助長します ですが永琪は…嘉貴妃、玉氏の望む人選ではありません 永琪を遣わして道中で事故に遭っても、玉氏を罰することはできません…」 「ルーイーや、さすがよく考えが回るな」 結局、玉氏へは諴(カン)親王を遣わすことにした。 弘暦は如懿の機転で嘉貴妃と玉氏の謀に勘づき、これがきっかけとなって木蘭での一件も嘉貴妃と玉氏の指示だと確信する。 そこで弘暦は永珹を嘉貴妃から遠ざけるため、城外に居を移させると決めた。 如懿は尚書房の永琪を訪ねた。 すると永琪は昨日、父に呼ばれたと報告する。 如懿はすぐジュンガルの件だと分かった。 永琪が読んでいたのは西域へ嫁いだ漢代の公主が望郷の念を詠んだ詩「黄鵠歌(コウコクカ)」、叔母の恒娖(コウサク)へ想いを馳せたのだろう。 「父上に進言しました、″逹瓦斉(ダワチ)が婚姻を結んでも盾突くのなら、許すべきではない、 ジュンガルに出兵し叔母上を帰郷させるべきだ″と…」 「義母が以前、出しゃばらぬようにと教えたわね? これからは存分に力を発揮なさい、でも何事も慎重にね」 弘暦はジュンガルが謀反心を抱いているとし、逹瓦斉(ダワチ)を討つと宣言した。 バリン部親王がジュンガル部に詳しいことから指揮を命じ、2千の兵を参戦させると決める。 しかし弘暦は派兵について永珹に何も命じなかった。 金玉妍にとっても皇帝が諴親王を玉氏の使者に選んだのは大きな誤算、これまでの計画は白紙にするしかない。 そこで永珹に後ろ盾となる福晋を選ぶことにしたが、もはや手遅れだった。 皇上の勅命により永珹は城外に居を構えることになり、宮中に入ることも制限されてしまう。 また第8皇子・永璇(エイセン)は即刻、擷芳殿(ケツホウデン)へ移るよう命じられ、まだ幼い第11皇子・永瑆(エイセイ)だけが啓祥(ケイショウ)宮にとどめ置くことを許された。 ![]() 永珹が失脚し、第3皇子・永璋(エイショウ)が日の目を見ることになった。 純(ジュン)貴妃・蘇緑筠(ソリョクイン)はこれも第5皇子が永璋の顔を立ててくれるおかげだと感謝する。 すると愉妃(ユヒ)・珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)が兄を助けるのは弟の務めだと言ってくれた。 如懿は皇帝も仲の良い兄弟で喜んでいると安堵したが、ふと嘉貴妃の様子が気にかかる。 実は皇帝に上の皇子2人を引き離されて以来、金玉妍は寝宮に引きこもっていた。 永珹は母親に会うのにも皇帝の許しが必要となり、皇帝の警戒ぶりをうかがわせる。 やがて追い詰められた金玉妍は被害妄想がひどくなった。 そこで侍女・麗心(レイシン)に犬を集めるよう命じる。 もはや誰も信じられず孤立無援となり、番犬を飼って身を守るというのだ。 啓祥宮から聞こえる番犬の激しい鳴き声に怯え、和宜(ワギ)公主・璟兕(ケイジ)が失神した。 知らせを受けた侍医・江与彬(コウヨヒン)が駆けつけ公主に鍼を打つことにしたが、鳴き声が続けば身体がもたないと警告する。 そこで如懿は侍女・菱枝(リョウシ)に皇帝への報告を頼み、太監・三宝(サンポウ)に嘉貴妃の犬を追い払って来るよう命じた。 養心殿に駆けつけた菱枝は第5公主が嘉貴妃の犬に驚いて発作を起こしたと知らせた。 弘暦は驚いてすぐ後宮へ向かうことにしたが、その時、金玉妍の嘆願が聞こえて来る。 外へ出てみると金玉妍がひざまずき、皇后に犬を取り上げられたと泣きわめいていた。 「犬を使って璟兕を殺すつもりか?!万一の時は許さぬ!」 ![]() 「皇上、怖いのです、番犬がいなくなれば私は殺されてしまいます…」 金玉妍は皇帝にすがりつき、犬を返して欲しいと訴える。 弘暦は心を病んだ金玉妍に犬を一匹だけ残すことを許し、他は処分するよう命じた。 幸い璟兕は大事には至らず、弘暦と如懿は胸をなでおろす。 しかし江与彬から今後はより一層、注意が必要になると釘を刺された。 清軍は敵領に到達した。 弘暦も皇太后も恒娖の身を案じ、落ち着かない日々を送っている。 逹瓦斉との再婚の際は皇太后と大臣の板ばさみとなり、辛い決断を下した弘暦…。 しかしドルベト部が帰順し、バリン部が援軍となって、ようやく機を得ることができた。 如懿は弘暦がジュンガル平定を成し遂げると信じ、微力ながら安華(アンカ)殿で祈祷を続けている。 …敵味方を問わず、多くの兵の命が犠牲となるでしょう …国が安寧を得て、女が望まぬ結婚をせぬことを強く願います 翊坤(ヨクコン)宮に妃嬪たちが集まった。 しかし嘉貴妃は富貴児(フキジ)と名付けた犬から離れようとしないという。 そこで如懿は妃嬪たちに戒めた。 「世継ぎには才覚が重視されます、誰が産んだかではなく、どれだけ努力したか 阿哥たちには勉学に励み、国のために貢献して欲しい」 すると急に純貴妃が自分の子には忠を尽くすことに専念させると言い出した。 2人の皇子がいるため、再び野心があると疑われることが心配だという。 「他の妃嬪たちも無用な争いを避けるべく、今ここで一緒に誓いましょう 後宮の秩序を保つべく、長幼の序、嫡庶の別を守りましょう」 「純貴妃の言はもっともね、私も皇后娘娘への絶対的な忠誠心を誓います」 海蘭は早速、純貴妃に追従すると、妃嬪たちは立ち上がって皇后への忠誠を誓うのだった。 ![]() つづく (  ̄꒳ ̄)さて、いよいよ嘉貴妃にフラグが立ちました… そして如懿と寝ている時の弘暦の悪夢見る率の高さよ(笑 そう言えば嘉貴妃の袖って不始末かしら?ちょっと興醒め〜 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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