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大明风华 Ming Dynasty 第21話「才人の登場」 聖旨により棺に見立てた箱の中に閉じ込められた漢(カン)王・朱高煦(シュコウク)。 しかし暇を持て余して考えを巡らせるうち、次第に頭が冴えてきた。 そこで弟の趙(チョウ)王・朱高燧(シュコウスイ)を呼び出し、腹を割って本音で話そうと持ちかける。 「老三、兵を交代させることをお前が陛下に密告を?」 「…ええ」 朱高燧はあっさり認めた。 すると朱高煦はどちらにしてもあの時はその時期ではなかったと告げる。 もし父に挑んでいたら負けていたはず、むしろ朱高燧のおかげで助かったのだ。 その頃、宮中では科挙の首席合格・状元(ジョウゲン)の発表を前に、盛大な宴が開かれていた。 そしていよいよ発表の刻限となり、今回の合格者である于謙(ウケン)・曹斌(ソウヒン)・楊倫(ヨウリン)が皇帝に謁見する。 永楽帝・朱棣(シュテイ)は3人の顔を良く見たいと上段からわざわざ降りてきたが、于謙がまともに跪拝できないほど泥酔していると気づいた。 「ふふ、どれだけ飲んだのだ?」 「…昨日、文を受け取り、母の死を知りました…2升の酒をあおり、酔いが覚めないのです」 于謙は女手一つで育ててくれた母への恩をもう返す術もないと絶望、酒をあおって死のうとしたが、親不孝だと気づいたという。 永楽帝は事情を知って見逃してやると、3人に故郷を題材として歌を詠むよう命じた。 一方、漢王府では朱高煦がついに蓋を壊して出てきた。 朱高燧は驚いて箱から遠ざかったが、朱高煦は供え物のバナナを頬張りながら、ただ裏切った理由を知りたいだけだという。 しかし朱高燧が何も答えずにいると、痺れを切らしてバナナの皮を思い切り投げ捨てた。←でも皮w 「なぜ黙っている!」 「勘弁してください、どうせ後継者は父上が決めるのです 二哥を出し抜く気はありません、今までも支えてきた」 「太子が皇帝になればお前もおしまいだ 恐らく父上は私とお前を仲たがいさせ、太子の地位を盤石にする気だ 父上は兵部の統括を皇太子派の楊士奇(ヨウシキ)に任せたのだ!」 思えば父は鶏鳴(ケイメイ)寺にこもる前に楊士奇たち皇太子の配下を拘禁したが、自分から守るためだったのだ。 その上、皇太孫まで冊封されれば取り返しがつかなくなる。 朱高燧はそこまでの野心などないと及び腰になったが、朱高煦は仲間割れしている場合ではないと迫った。 「目を覚ませ!…お前は私の味方だよな?」 「…もちろんです(汗」 泥酔状態で祝賀会に現れた于謙だったが、早々に詩を作った。 于謙の様子に不安を隠せない皇太子・朱高熾(シュコウシ)、やはり嫌な予感は的中する。 「村落 荒れること甚だしく 年々 旱蝗(カンコウ)に苦しむ 老翁(ロウオウ)は雇われ 債を納め 稚子(チシ)は売られ 糧となる 壁破れ 風は屋(オク)に生じ 梁は頽(クズ)れ 月は床に墮(オ)つ 何ぞ知らん 民を牧(ボク)する者は 災傷(サイショウ)を報ぜず」 于謙の朝廷批判とも取れる詩に宴席は水を打ったように静かになった。 朱高熾は慌てて于謙をつまみ出すよう命じたが、永楽帝は説明を聞きたいという。 「″何ぞ知らん 民を牧する者は 災傷を報ぜず″だと? 災害を報告せず、ごまかした官吏がいるというのか? ″稚子は売られ″と言ったが、大明(ミン)の税はそこまで高くない、少し大袈裟すぎるのでは?」 「陛下、遠征が行われると地方では税が増やされ、民はすべてを奪われます 陛下!もう戦はおやめください!お心を変え、どうか民に恵みを!」 「ふふ…お前の故郷は食糧があるだけよい、辺境の民はどうだ?…愚か者め」 永楽帝は于謙を軍に入れて親征に同行させ、国の真の姿をその目で確かめさせると言った。 永楽帝が寝宮に戻ると、孫の朱瞻基(シュセンキ)と孫若微(ソンジャクビ)が待っていた。 そこで2人を連れて奥の間に入ったが、その時、皇太子が泥酔状態の于謙を抱えてやって来る。 朱高熾は于謙に跪拝して待つよう命じるが、于謙はそのまま酔いつぶれてしまう。 永楽帝は病み上がりの若微だけ椅子に座らせ、良い薬があるので煎じさせると言った。 さらに東宮の隣の屋敷を若微に与え、回復したら若微と弓術の腕比べをしたいという。 (*゚▽゚)*。_。)ウン ( ・ノェ・).oO(立って 朱瞻基の合図に気づいた若微はひざまずいた。 ( ・ノェ・)<″配下より感謝を″と言うんだ (* ゚ェ゚)?<…でも配下じゃないし ( ๑≧ꇴ≦)<この国の民は皆、皇帝の配下なのだ、″奴婢″でも構わない (* ゚ェ゚)?<奴婢でもないわ (; ̄▽ ̄)<…爺爺(イェイェ)、私が代わりに感謝を~ (* ゚ェ゚)b<頼んでないから すると若微は叩頭し、礼儀をわきまえぬ粗忽者だが許して欲しいと上奏した。 しかし永楽帝は咎めることもなく、若微に屋敷では思うまま過ごし、何でも要求しろという。 若微は一足先に鼻涕(ビテイ)の案内で屋敷へ帰って行った。 朱瞻基は祖父の若微への厚遇にいささか困惑したが、永楽帝は人を制するには有無を言わせぬ好条件を与えることだと教える。 「脅すばかりが能ではない」 祖父の戯言に朱瞻基は思わず失笑した。 しかし若微の父の死の原因が作り話だと指摘され、緊張が走る。 「嘘を通すのは構わないが、私が承知であることは本人に知らせよ、分かったか?」 「みんばい」 朱高熾は于謙と一緒に父を待っていたが、現れたのは朱瞻基だった。 朱瞻基は椅子を持って来たものの、于謙は父の膝枕ですでに爆睡している。 「爺爺は?」 「もう寝るからここで待てと…一体、何者ですか?」 「こう見えて状元の候補だった男だ、酔った勢いで詩を詠み、陛下を怒らせた」 朱瞻基はここで寝ていては祖父の邪魔だと言ったが、朱高熾は布団をかけてやってくれと頼んだ。 ↓皇太子は只者じゃないけど、お腹の半分は優しさが詰まってるのです( *´꒳`* ) 一方、若微は美しい庭園がある儲秀(チョシュウ)宮へ到着、すると寝殿の前に尚儀局の女官がいた。 「ご用がある時は私をお呼びください」 「名前は?」 「葉秋(ヨウシュウ)です、木の葉に季節の秋です」 「葉秋…」 「″一夜の雨 涼しき夢…″」 「″蓮の葉に秋が訪れる″ね」 すると葉秋が中で胡大人(ダーレン)が待っていると伝えた。 若微は胡善祥(コゼンショウ)と再会を果たした。 すると胡善祥が先に宮中の組織を説明してくれる。 「女官は″六局一司″に属するわ、六局とは尚宮・尚儀・尚服・尚食・尚寝・尚功の6つ ″一司″とは処罰を管理する宮正司のことで、全体を管理するのが私の姑姑 で私は尚服と尚食を管理する、女官は75人、女史は18人、私は″胡ダーレン″と呼ばれてる」 若微はちんぷんかんだったが、胡善祥は姉が組織を覚える必要はないと笑った。 「それより陛下は何と?姐姐は正室?それとも側室?」 「知らないわ」 胡善祥は姉が全くぴんと来ていないと気づき、改めて皇帝を救った恩人なのだと強調する。 実はこの寝宮も本来なら皇帝の姉妹が住む特別な屋敷だった。 しかし若微は自分がどんな身分になるかより、こうしていつでも蔓茵(マンイン)に会えると喜ぶ。 その時、尚儀が呼んでいると声がかかり、胡善祥は明日、また来ると言って帰ることにした。 「そうだ、姉妹であることは秘密にしてね、私も経歴を作るから…」 朱高熾は結局、于謙に付き合って夜を明かした。 ようやく目を覚ました于謙は事情が飲み込めなかったが、皇太子から昨夜、皇帝を侮辱するような詩を詠んだと聞かされる。 そこへ朱瞻基が現れ、机を運ばせた。 「皇上の命令だ、辺境の問題について論文を書け、よい論文なら罪は許す だがお粗末な内容なら尚食局へ行き、酒がめの中で溺死せよと…」 すると于謙は早速、机の前に座り、茶が欲しいと頼むと、黙々と筆を走らせ始めた。 まさかこんなところで平然と茶を飲む者がいようとは…。 朱瞻基は失笑すると、朱高熾は于謙を任せてしびれた足を引きずりながら帰って行った。 その頃、若微の屋敷に訪問者が現れた。 「孫小姐(シャオジェ)にご挨拶を…」 聞き覚えのある声に驚いて振り返った若微は、官服姿の徐浜(ジョヒン)と再会する。 すると徐浜は皇帝の計らいで挨拶に来たと教えた。 結局、仕官して兵部主事になった徐浜、しかし将来、若微が皇后になれば自分が邪魔になると考え、自ら遠地を希望したという。 若微は徐浜と離れたくないと訴えたが、徐浜は拝礼して出て行った。 ↓貴重なイケメン枠ががが… 朱高熾が東宮へ戻ると、辺境へ飛ばされたはずの解縉(カイシン)が待っていた。 驚いた朱高熾は罰せられる前に行けと急かしたが、解縉は出発なら明日だという。 しかしそこに錦衣衛が現れた。 皇帝の命により解縉は詔獄(ショウゴク)に収監されるという。 「皇上と漢王を離間させた罪です!」 朱高煦と朱高燧は解縉に濡れ衣を着せ、父との和解に成功した。 永楽帝は早速、2人にタタール・オイラト・ウリヤンハイを探るよう命じて下げたが、控えていた朱瞻基は面白くない。 「あんな嘘を信じるのですか?」 「信じなければ和解できぬ、しかし解縉を罰する気はない 辺境は好まぬようだから都に置いただけだ、どうした?不服か?」 「私に実力があれば軍を束ねることもできるし、勝手な二叔と三叔を抑えられるのに…」 「ふっ…励め」 胡善祥は女官たちを集め、婚儀の準備について説明していた。 今回の礼服は半分は宮中で、残りは外注で作ることになったが、まだ費用の問題も解決しておらず、詳細も決められない。 尚服局の女官たちは先立つ物がなければ外の職人に発注することもできないと反発したが、胡善祥が解決案を提示した。 「では店をいくつか選び、まずは礼服の見本を作らせる その上で出来がよかった店に礼服の注文を出すことに… これなら皆が競って作るし、手付金を支払う必要もないわ」 すると尚食局の女官が孫若微の食事はどうすればいいか聞いた。 「秀女と妃のどちらの扱いか判断に迷います、前例がないもので…」 「東宮の客人だった方よ、太孫と同じ食事を…」 胡善祥は調理から配膳、毒味に至るまで気を配り、決して粗相のないよう指示した。 「孫小姐は皇上の命の恩人でもある方よ?心して仕えなさい …厳しくてごめんなさいね、私は体罰を受けながら姑姑に育てられた でも姑姑も陰で辛い目に遭っている、だから私も耐えたわ みんなもしっかり仕事をしてね~」 永楽帝は朱瞻基から于謙の論文を受け取り、早速、目を通した。 すると信じられないと言ったような顔で立ち上がり、もう一度、論文を眺める。 「何ということだ…この年になって逸材に出会うとは…瞻基よ、よかったな」 祖父の言葉を聞いた朱瞻基は思わずにやりとした。 胡善祥は女官たちが下がると、心眉(シンビ)に例の贈り物を出してくれと頼んだ。 心眉は漢王から賜った箱を渡したが、胡善祥がどうするつもりなのか気になって仕方がない。 すると歩き出したはずの胡善祥が急に振り返り、心眉は慌てて目をそらした。 「そんなに私が気になるの?」 「その~最近のあなたは少し怖いわ、何を考えているのか分からなくて」 胡善祥は微笑を浮かべ、そのまま出かけて行った。 永楽帝は于謙を呼んだ。 そこでわざと論文をけなしてみる。 「才があると思ったが、交易などというつまらぬ策を考えるとは…実に残念だ~」 すると于謙は辺境問題において兵士の命を犠牲にした防衛は無意味、それより民の心を長城とし、国を守るべきだと訴えた。 「朝廷が異民族との交易を取り仕切れば略奪が減るでしょう、遊牧民も戦は嫌いです 公平な交易を維持し、商人に規則を守らせれば、たとえオイラト・タタール・ウリヤンハイの 可汗(ハン)たちが結束して造反しようとも、追従する兵はいなくなるでしょう 申し上げます、100万の大軍より交易の充実です!」 永楽帝と朱瞻基は于謙の才が本物だと確信した。 つづく (  ̄꒳ ̄)うむ…若微が棒なので最近は胡善祥の方が好きかもw 心眉が…どうも怪しい(←最近、疑り深い管理人w お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.07.24 22:13:42
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