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カテゴリ:天舞紀~トキメキ☆恋空書院~全28話
天舞纪 Dance of the Sky Empire 第20話 酒楼で泥酔した李玄(リゲン)を介抱する蘇猶憐(ソユウレン)。 すると猶憐をあきらめきれない李玄は朦朧とした意識の中、猶憐に思わず口づけしてしまう。 猶憐は困惑しながらも自分の心に嘘をつけず、そのままそっと目を閉じた。 翌日、幸せそうに眠っていた李玄は給仕に起こされた。 すっかり寝過ごしたと知って慌てたが、そこに猶憐の姿はない。 …昨晩のことは夢だったのか?… その頃、猶憐はひとり湖を眺めていた。 李玄との口づけに心が揺れる猶憐、しかし気持ちに区切りをつけて書院へ向かう。 …猶憐、情に溺れてはダメ、私には昆吾(コンゴ)族を救う使命がある… その夜、辺令誠(ヘンレイセイ)と封常青(ホウジョウセイ)が紫極(シキョク)の屋敷に駆けつけた。 何でも城外に出た李玄が昆吾族に襲われたという。 驚いた紫極は常青と一緒に急いで郊外へ、すると令誠が李玄に合図した。 その様子を猶憐と風穆が屋根の上から見ていた。 予想通り李玄は百暁生(ハクギョウセイ)の助言を信じ、令牌を使って盤龍(バンリュウ)の聖域へ入るらしい。 「君の成功を祈っているよ」 「王子、今までありがとう」 二人は再会を約束して別れた。 聖域に入った李玄は宝剣を発見した。 すると突然、龍嶶児(リュウビジ)がやって来る。 実は嶶児は李玄が百暁生に騙されてやしないかと心配し、尾行していた。 このまま宝剣を抜けば何が起こるか分からない。 「もしかしたらお前に宝剣を抜かせるために百暁生を買収したのかも…私が疑っているあの女が」 「俺の知っている限り猶憐はそんな姑息な手は使わない」 その話を物陰に隠れていた猶憐が聞いていた。 猶憐を信じて疑わない李玄は宝剣を抜き取った。 すると聖域が振動し、結界の中から氷の繭(マユ)が出現する。 この時を待っていた猶憐は繭の前に飛び出し、両手を掲げて昆吾の拝礼を行なった。 「昆吾族20代聖女・蘇猶憐です!龍皇(リュウコウ)にご挨拶を…」 嶶児の予感は的中、李玄は猶憐の正体を知って愕然となった。 「俺に嘘をついていたのか?」「そうよ」 「令牌もお前が?」「ええ」 「百暁生もか?」「ええ」 「つまり…ここに母の手がかりなどないのか?」「…」 「宝剣を抜かせるために俺を騙したのか?」「ええ、そうです」 李玄は命懸けで助けた猶憐に利用され、結果的に人族を裏切ることになった。 「私…こうするしかなくて…李玄、ごめんなさい」 「気づくべきだった…もっと早く」←Σ( ̄。 ̄ノ)ノ えっ?!見逃しているだけかと思ってた すると猶憐が聖石を氷の繭の上に投げ、龍皇を解放すべく法術を放つ。 驚いた李玄と嶶児は聖石を奪おうとしたが、猶憐は躊躇なく二人に牙を剥いた。 「出て行って、お願いよ…」 「断る、聖石を渡せ」 しかし氷の繭が聖石に反応し、音を立てて結界が緩み始める。 一方、宿舎では眠っている蕭鳳鳴(ショウホウメイ)の額に赤い封印が現れていた。 猶憐は李玄と激しく剣を交えた。 その隙に嶶児が聖石を奪おうとしたが、猶憐に取り戻され、逆に吹き飛ばされてしまう。 攻防が続く李玄と猶憐、やがて二人は渾身の一撃をぶつけ合ったが、特殊能力を失った李玄は大きな打撃を受けた。 すると剣霊が禍根を残さぬよう、猶憐に李玄を殺せと命じる。 猶憐は愛する李玄を手にかけることなどできなかったが、剣霊は自らの意思で李玄に向かって行った。 猶憐はギリギリの所で師匠を止めたが、気がつくと李玄の肩を突き刺していた。 衝撃のあまり動けなくなる猶憐、すると李玄は自ら剣を抜き去り、剣気に吹き飛ばされてしまう。 すると倒れていた嶶児が李玄を助け、猶憐を激しく責め立てた。 「蘇猶憐!李玄はもう傷を治せないんだぞ! お前を冰血(ヒョウケツ)の聖域から逃すため、天書(テンショ)仙人に能力を差し出したのだ!」 何も知らなかった猶憐は呆然と立ちすくんだ。 しかし悲しみに浸っている間もなく、駆けつけた紫極に襲われてしまう。 実は常青が李玄に頼まれて紫尊を郊外へ連れ出したことを白状していた。 紫極の霊力に蘇猶憐は手こずった。 そこで照雪(ショウセツ)術を放ち、紫極が氷の刃に襲われている隙に、再び聖石を使って封印を解くことにする。 しかしあと少しという所で術の効力が切れ、紫極が再び猶憐に襲いかかった。 紫極の仙術で吹き飛ばされる猶憐と聖石、その時、李玄が咄嗟に聖石に向かって宝剣を投げてしまう。 「やめてぇぇぇぇ!」 猶憐は必死に飛び出したが、聖石は目の前で粉々になった。 昆吾族の未来がかかっていた大事な聖石、猶憐はバラバラになった聖石を拾い集めながら、何とも言えない虚しさに襲われる。 「昆吾族が何をしたっていうの?人族と同じように普通に暮らしたいだけなのに…」 猶憐はゆっくり立ち上がると、李玄に剣先を向けた。 「それなのに…なぜ…なぜこんな仕打ちを?」 「俺は自分のすべきことをしたまでだ」 猶憐の李玄を見つめる目は憎しみに満ちていた。 その時、紫極が背後から一撃を放ち、猶憐はばったり倒れてしまう。 「師父!殺さないでくれ!」 「ばか者めが!まだかばうつもりか!」 もはや李玄は師父を止めることができなかったが、危機一髪のところで猶憐の身体は消散した。 紫極は龍皇を封印している結界が緩み始めたことに気づいた。 そこで李玄を呼び、一か八か怪我をした李玄の血を結界へ流し込んでみる。 すると氷の繭が反応し、紫極は再び沈月(シンゲツ)の陣を強めることに成功した。 しかし、繭が緩んだ間に思わぬ弊害が起こってしまう。 その頃、雲杉(ウンサン)は寝殿で鳳鳴のために香袋を作っていた。 すると外が何やら騒がしくなる。 雲杉は侍女・小英(ショウエイ)が止めるのも聞かず、様子を見に出かけた。 夢遊病の鳳鳴は居所を出ると、視界に入った生徒たちを次々、惨殺した。 …ついにこの男の身体を乗っ取ることができた… しかしそこへ運悪く雲杉が現れる。 鳳鳴は雲杉に襲い掛かろうとしたが、なぜか腕が言うことをきかなくなった。 「チッ…失せろっ!」 雲杉は恐怖のあまり腰が抜けたが、命からがら逃げ出した。 雲杉を逃した鳳鳴は急に頭が割れるように痛み、そのまま膝をついた。 すると鳳鳴の意識が誰かの陣に引き込まれる。 「お前は誰だ?なぜ私の中に?」 「…私は昆吾族の龍皇だ、私に選ばれたことを光栄に思うがいい」 その男は龍皇の心魔だった。 鳳尾(ホウビ)谷の戦いで紫極に捕らわれた龍皇は、その怒りや悲しみから心魔を生み出した。 龍皇から抜け出した心魔はちょうど良い宿主を探していが、当時、まだ幼かった鳳鳴に目をつけたという。 鳳鳴は学童で急に眠ってしまったことを思い出し、夢遊病の原因が龍皇の心魔だと合点がいった。 すると龍皇の心魔は鳳鳴の人格を拘束してしまう。 一方、中庭に向かっていた令誠は偶然、血相を変えて逃げてきた雲杉と出くわした。 気が動転した雲杉は人が殺されたと伝えるだけで精一杯、そのまま走って行ってしまう。 令誠はすぐ謝雲石(シャウンセキ)に報告し、一緒に現場へ向かった。 「謝司業…一体、誰がこんなことを」 「昆吾族の霊力は人族より強い、傷跡を見る限り昆吾族の仕業だ…」 風穆は猶憐を連れて一刻も早く学院を去ることにした。 ちょうど中庭の惨劇を見た猶憐は驚いたが、風穆はもはや学院で何があろうと関係ないと急かせる。 こうして猶憐は思い出深い学院をあとにした。 殺された生徒たちの亡骸が並べられた。 すでに猶憐が昆吾の間者だったことが知れ渡り、誰もが猶憐の関与を疑う。 そこへ知らせを聞いた李玄がやって来た。 「俺のせいだ…俺がヘマをしたから大勢が殺されることに…」 すると嶶児が紫尊に猶憐の捕縛を訴えた。 紫極は直ちに城門を封鎖して昆吾の妖女を探し出すよう命じたが、そこへ猶憐を探していた令誠が駆けつける。 「紫尊!大変です!沙国王子と公主、鳳鳴も見つかりません!」 深傷を負った李玄は急に気が遠くなり、卒倒した。 …蘇猶憐、なぜこんなことを?… つづく ( ๑≧ꇴ≦)出たーっ!ブラック化すると化粧が濃くなるセオリーw いよいよ盛り上がって参りました! そう言えば李玄って猶憐を見捨てたよね?…( ꒪ͧ⌓꒪ͧ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.06.05 11:46:03
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