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カテゴリ:長歌行 全49話
![]() 长歌行 The Long Ballad 第47話「鷹の反撃」 捕らわれの身となった阿詩勒隼(アシラシュン)は延利(イエンリー)可汗と穆金(ムージン)の治療を引き換えに鷹団の招集を約束した。 「やはり父汗(フーハン)の病もお前の仕業か?!」 「今さらそれを聞いて何の意味が?」 奕承(エキショウ)公主は息子が聞いているとも知らず、延利の自業自得だと悪びれる様子もない。 「私がこの手を血に染めたから、あの男は王位の座に就けたのに…」 阿隼は渉爾(シャアル)の実父である舒勒(シューラー)可汗が奕承による暗殺だったと知り驚愕した。 その時、物陰から渉爾が現れる。 「阿娜(アーナー)っ!」 「…なぜここに?!」 渉爾は母から父が急病だと聞かされていた。 父は男である自分たちがか弱い母を守らねばならないと教え、母が望むなら天の星でも取れと息子に言っていたという。 しかし奕承は隋(ズイ)の復興のためにはやむを得ないと正当化した。 渉爾はようやく母の本性を知って激しく動揺し、その場にへたり込んでしまう。 「正気じゃない…どうかしています!ずっと私を騙していたのですね?ずっと…」 すると奕承は衛兵を呼んで小可汗を部屋へ送るよう命じ、地下牢をあとにした。 魏淑玉(ギシュクギョク)は李長歌(リチャングァ)から預かった結婚祝いを携え、李楽嫣(リラクエン)を訪ねた。 「長歌が寝る間も惜しんで刺繍したそうだ…君との別れが辛いからと私に託してね 君は永遠に自分の可愛いウサギだから必ず幸せになるようにと…」 扇には赤い目をした真っ白なウサギが刺繍されていた。 李世民(リセイミン)は兵部尚書の李靖(リセイ)を定襄(テイジョウ)道行軍総管に任命、すでに10万以上の大軍が悪陽(アクヨウ)嶺に到着していた。 雷蒙(レイモン)から報告を聞いた奕承は各部から徴兵すれば対抗できると考えたが、砂漠に侵攻した阿詩勒部の4隊は連携する漠北と漠南に破れ、将は生捕りにされたという。 他の部族も出兵に応じていたが静観中、恐らく寝返ったのだろう。 追い込まれた奕承はすぐにでも鷹団を集めるため、阿隼を可汗と穆金に会わせることにした。 「阿詩勒隼に知らしめなくては、父汗が私の手中にあるということを…」 阿隼は手枷と足枷をつけて可汗と面会した。 「父汗…ぃぇ阿塔(アーター)、遅くなって申し訳ありません」 すでに動くことも話すこともできず、必死に何かを訴える可汗、すると阿隼は必ず迎えに来ると約束した。 そこで奕承は5日のうちに鷹団が王宮の前に集結するよう軍令を出せと迫る。 「そうすれば父汗を治療してあげましょう」 ↓顔の迫力だけは衰えない可汗( ̄▽ ̄;) ![]() 阿隼は軍令をしたため、ついに穆金と再会を果たした。 2人は固く抱き合って無事を喜んだが、穆金は手枷と足枷に気づいて呆然となる。 「弥弥古麗(ミミクリ)は?」 「定襄に来ているが見ていない」 そこで穆金は歩真(ブジェン)には会ったと教えた。 雷蒙はヒソヒソ話をしている2人を怪しみ、本題を忘れるなと声をかける。 すると阿隼は軍令を渡した。 「鷹師を集結させてくれ」 その夜、渉爾は泥酔して弥弥の部屋に押しかけた。 渉爾は今頃になって全てを知った自分を愚か者だと嘆き、真実を明かす。 実は母が父を殺し、叔汗が自分の狼を殺して阿隼と離間させ、しかも母が叔汗に毒を盛っていたというのだ。 「みんな嘘ばかりだ…」 渉爾は涙を流しながら酔い潰れ、そのまま寝てしまう。 一方、阿隼は雷蒙の監視のもと、門まで穆金を見送りに出ていた。 約束の5日目の夜、奕承は阿隼の牢を訪ねた。 すると外が騒がしくなり、鷹団が到着したと分かる。 奕承は阿隼の代わりに傀儡となった可汗に号令をかけさせることにしたが、阿隼はすでにそれを見越して手を打っていた。 承啓(ショウケイ)門が開き、車椅子に乗った可汗が鷹団の前に姿を現した。 穆金は蘇伊舎(スーイーシャー)に計画通りにと合図し、馬を降りて可汗から出征前の杯を受ける。 実は阿隼は別れ際、穆金に耳元で″火であぶれ″と囁いていた。 そこで野宿の際、焚き火で軍令をあぶってみたところ、最後の一文が浮かび上がる。 …可汗を救い、李靖に投降しろ… 雷蒙が地下牢へ駆けつけた。 鷹団が可汗の身柄を奪って逃走、城外へ出てしまったという。 奕承は阿隼に一杯食わされたと気づき激怒、直ちに阿詩勒部麾下(キカ)の各部を集結させるよう命じた。 見せしめに各部の前で阿隼を公開処刑にするという。 処刑は覚悟の上だった。 しかし阿隼には唯一、心残りがある。 「チャングァ…一生を共にしたかったが、約束は守れそうにない」 翌朝、物陰から承啓門の様子をうかがう長歌の姿があった。 そこへ思いがけず図伽(トジャ)郡主が緒風(ショフウ)と一緒に現れる。 「私が知らせたのよ、だって何も言わずに消えちゃうから」 緒風はすでに雁行(ガンコウ)門の仲間を招集し、司徒郎郎(シトロウロウ)と羅十八(ラジュウハチ)も呼んだという。 すると驚いたことに淑玉までやって来た。 淑玉は李靖の許可を得て軍に合流したところ、穆金たちに遭遇して居場所が分かったという。 こうして阿詩勒隼を救うため再び集まった盟友たち、しかし城内に入るのは至難の業だった。 「それなら私に任せて!…これ、阿詩勒部の麾下だった部族が持ってる令牌なの」 図伽はこんなこともあろうかと、こっそり父の令牌を盗んでいた。 ↓( ๑≧ꇴ≦)イールン! ![]() 一方、楽嫣と皓都(コウト)は余命いくばくもない杜如晦(トジョカイ)のため、急ぎ簡素ながら婚礼を挙げることにした。 すると杜如晦は皓都に婚礼が済んだら定襄へ行くよう命じる。 「李長歌が死んだら公主に顔向けできんぞ」 そして婚礼当日、楽嫣は長歌からもらった扇で顔を隠し、皓都に嫁いで行った。 拝礼の儀を済ませ、床入れの儀を迎える2人、そこで互いの髪を切って固く結び、錦袋に入れて一生を共にすると誓う。 しかし皓都は申し訳なさそうに明日から定襄へ行くと教えた。 楽嫣は当然だと受け入れ、必ず自身と長歌を守り、李靖に協力して奕承を倒して欲しいと伝える。 「私と阿耶(アーイェ)はここで待ってる」 ![]() 長歌たちは定襄へ入ることに成功した。 そこで図伽に月餅を作る材料と孔明灯(コウメイトウ)を買って来て欲しいと頼む。 一方、弥弥は阿隼が処刑されると知り、急いで渉爾に伝えた。 「阿隼を死なせるものか!」 驚いた渉爾は母の元へ行こうとしたが、その時、夜空に上がる孔明灯を見つける。 「こんな時に誰が孔明灯を?!」 「孔明灯?!(はっ!)渉爾、月餅が食べたい?」 弥弥はそれが長歌の合図だと知っていた。 李靖は可汗を保護、阿隼との約束通り必ず守ると安心させた。 そこで穆金は独りで阿隼を助けに戻ると決めたが、蘇伊舎と努爾(ヌアル)が先回りして待っている。 「兄弟を呼ばないとは水くさいぞ」 翌朝、弥弥は門衛に小可汗の所望で月餅を買いに行くと告げた。 しかし門衛は誰も出られないと止め、そもそも中秋節でもないのに売っていないと怪しむ。 そこで弥弥は代わりに買って来て欲しいと銭袋ごと渡し、残りで酒でも買うよう伝えた。 長歌が開いた月餅の露店に衛兵がやって来た。 計画通り月餅が弥弥に渡ることを願う長歌、そこへ司徒が現れる。 「師父…」 「予想以上に早いだろう?十八と連日連夜、馬を駆けて来たんだ、で、俺にやって欲しいことは?」 そこで長歌は魏淑玉と合流するよう頼んだ。 弥弥は無事に月餅を手に入れた。 そこで渉爾と手当たり次第、月餅を割り始めると、やがてある月餅から小さな紙が出て来る。 …定襄王宮の地図と処刑台の位置、隋王と蕭(ショウ)皇后、歩真の居場所、逃走経路、守りの薄い宮門… すると渉爾は母の罪滅ぼしに協力を申し出た。 「俺に任せろ」 翌朝、緒風たちは一向に動こうとしない長歌に困惑していた。 しかし長歌は詳細な王宮の地図を待っているという。 緒風は内通者がいると気づいたが、それが裏切り者の弥弥だと知った。 つづく ( ๑≧ꇴ≦)まさかのイールン登場!←そこ?w お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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