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风起陇西(ふうきろうせい) 第十一計「草を打ちて蛇を驚かす」 高堂秉(コウドウヘイ)は馮膺(フウヨウ)を送り出すと、柳莹(リュウエイ)に五仙道の掃討があると知らせた。 「馮膺はそなたを李厳(リゲン)に推挙するつもりだ、これは天が賜った好機 李邈(リバク)と陰輯(インシュウ)はおしまいだ…この先、司聞曹(シブンソウ)は私の天下になる」 しかし柳瑩は焦りすぎだと諌めた。 「荀詡(ジュンク)は?」 「ただの駒に過ぎぬ、もはや誰にとっても用なしだ」 すると柳瑩はうっかり茶をこぼし、高堂秉から本気で惚れたのかと怪しまれてしまう。 「…ふっ、どうかしら?」 楊儀(ヨウギ)が罷免され、馮膺は行方知れず、荀詡は司聞曹の危機だと気を揉みながら会議に参加し、五仙道について説明を始めた。 「五仙道は張魯(チョウロ)の残党です 張魯は渾沌(コントン)・窮奇(キュウキ)・檮杌(トウゴツ)・饕餮(トウテツ)・燭龍(ショクリュウ)を上仙と崇め 五仙道と名づけて米倉(ベイソウ)山に本部を創設しました 情報によると五仙道は昨年より方々で精銅を収集、恐らく武器を作る術を会得したのかと…」 荀詡は五仙道が1万人余りと推定したが、李邈はすでに3万人に上ると訂正した。 これも丞相が北伐を優先し、司聞曹が懐柔策を取ってきたことが原因、結果として五仙道を増長させ脅威を抱え込むことになったという。 すると李邈は五仙道に密偵がいるのか聞いた。 荀詡は下部組織に潜入できたものの、中核に食い込むのは難しかったと嘘をつく。 「私の怠慢です」 一方、五仙道では糜冲(ビチュウ)に成り済ました陳恭(チンキョウ)と長老・秦沢(シンタク)が竹鵲(チクジャク)を試乗することになった。 陳恭は秦沢にどちらでも好きな竹鵲を選ぶよう勧めたが、片方の竹鵲の紐が緩んでいるのを見つけ、しっかり締め直す。 それを見た秦沢は当然、頑丈に縛ってある竹鵲を選択し、2人は崖から飛び降りた。 しかし秦沢の竹鵲は方向転換の紐が動かず、そのまま岩に激突してしまう。 司聞曹の会議に狐忠(コチュウ)が到着した。 李厳将軍はすでに鎮北(チンホク)将軍・魏延(ギエン)や平北(ヘイボク)将軍・馬岱(バタイ)と調整を済ませ、漢中の精鋭2万と南鄭(ナンテイ)の守備隊を動員して三方から米倉山を囲むという。 「五仙道の本部は米倉山の神仙溝に位置、この一帯は谷が多い 五仙道の支部は3つ、魏延将軍は沔水(ベンスイ)を下り、馬岱将軍は官道を進む 司聞曹は守備隊を率い、私と李曹掾(ソウエン)が指揮する 目指すは本部、狙うは頭目だ」 しかし出発が一時(イットキ)後と聞いて荀詡は驚いた。 その上、情報が漏れないよう狐忠と李邈が出した令牌を持たない限り、誰も外へ出られないという。 裴緒(ハイショ)は頭領の身支度を手伝いながら、五仙道に潜入している白帝を心配した。 しかし実は五仙道にいるのは白帝だけでなく、妻であり荀詡の表妹・翟悦(テキエツ)が密偵として潜入していると知る。 連絡しようにももはや間に合わず、追い詰められた荀詡はある賭けに出ると決めた。 一方、陰輯は会議での荀詡に違和感を感じ、高堂秉に探りを入れた。 靖安司は長年、五仙道を調査してきたはずだが、荀詡はまるで何も知らないふりをしていたという。 実は数年前、陰輯は馮膺から荀詡の配下が五仙道の上層部にいると聞いていた。 「お前は親しいだろう?どう思う?」 「全く読めないな…」 その時、集合の号令が聞こえた。 陳恭は竹鵲の事故を装って邪魔者の秦沢を始末した。 残る竹鵲は一機のみ、大祭酒・黄預(コウヨ)は自分で行くしかないと覚悟したが、陳恭は安全を保証できないと止める。 黄預も秦沢の死を目の当たりにしたせいか、仕方なく糜冲に重要任務を任せると決めた。 そこへ関(カン)長老が慌てて駆けつける。 「妙風使(ミョウフウシ)の知らせです、蜀軍が三方から攻め寄せます…″10日″以内に」 しかし青萍(セイヒョウ)計画は3日後、その頃にはもぬけの殻だ。 黄預は山道を塞ぐだけで良いと指示したが、その夜、司聞曹は本部の30里のところまで来ていた。 魏延と馬岱の軍もすでに所定の場所に到着、早朝に本部と支部を攻撃するという。 そこで狐忠は自分たちもその時間に神仙溝へ到着できるよう発つことにした。 今夜は荀詡と翟悦が接触する日だった。 陳恭は隙を見て翟悦に木片を返し、荀詡に渡すよう頼む。 一方、荀詡は裴緒が準備してくれた荷物を持ち、巡回の兵士たちの目を盗んで軍営を抜け出した。 合流場所でいつものように鳥の鳴き真似をする荀詡、すると翟悦の返事が聞こえてくる。 荀詡は付近を警戒しながら真っ暗な廃廟へ駆けつけると、物陰から翟悦が飛び出した。 2人は抱き合って無事を喜び、翟悦は陳恭も無事だと安心させる。 そこで荀詡は卯の刻に蜀軍が三方から攻めると伝え、半時辰したらここに火をつけると教えた。 「分かったわ、そうだ、哥、これを…」 翟悦は燃えて半分になった燭龍の竹簡を渡した。 陳恭でも解読できなかったという。 青萍計画は3日後、陳恭は精鋭を率いて軍技司から設計図を盗み、竹鵲で逃げて所定の場所へ設計図を置くことになっていた。 そこへ燭龍が来るという。 翟悦は総成部の裏門の鍵を外から開けて欲しいと頼み、そこから陳恭を脱出させると説明した。 黄預は西側の崖から飛ぶよう命じたが、指示通り動けば異変が起きるという。 「安心しろ、裏門の件は何とかする」 「で…私は潜伏を続けるの?家に帰りたい」 しかし荀詡はあと少しの我慢だとなだめた。 「朝廷は五仙道を滅ぼす方案を定めた、燭龍を捕らえれば五仙道は片付き、家に帰れる」 ↓ここで視聴者も一息w 荀詡は翟悦を送り出し、ろうそくに火をつけてから軍営に帰った。 まさか高堂秉が後をつけていたとも知らず…。 その頃、馮膺は李厳の屋敷にいた。 李厳は丞相の北伐に随行して天水に行った時に手に入れた盗品の琴を献上、将軍の歓心を買う。 音楽に造詣が深い李厳は確かに周代か殷(イン)代の名高い琴だと気づき、号鐘(ゴウショウ)だと驚いた。 号鐘とは音色が大きく良く通ることを表し、鐘のように力強く角笛のように長く響くという。 「伝説によればかつて伯牙(ハクガ)が弾き、その後、呂尚(リョショウ)の第12代目の孫である桓公(カンコウ)の手に渡ったとか」 馮膺は価値が分かる李厳こそ神物を持つべきだとおだて、さらに自分の脱出に協力してくれた柳瑩を推薦した。 翌朝、予定通り荀詡たちは五仙道に奇襲をかけるべく軍営を出発した。 しかし神仙溝まであと5里というところで密偵が駆けつけ、何者かが五仙道に警告したと報告する。 狐忠はそのまま一気に本部へ雪崩れ込み、敵の先鋒部隊と激突した。 高堂秉は密かに軍営に戻り、指揮を執る李邈の幕舎へ向かった。 ちょうど狐忠将軍たちが内部へ突入したと報告を聞いたばかり、李邈は意気揚揚とこれで長年に及ぶ北伐の国策が誤りだったと証明できるという。 すると高堂秉は馮膺が南鄭に現れたと報告し、かつての上役のため言えなかったとばつが悪そうに白湯を差し出した。 李邈は憤慨しながら白湯を飲んだが、次第に身体の自由が利かなくなってしまう。 一方、黄預たちは山上廟の火事のお陰で飛び起き、危ないところで本拠から逃げ出すことに成功した。 李邈は今さらながら馮膺が楊儀を売り、自分は李厳に見限られたと知った。 すると高堂秉は李邈の暗殺を頼まれたと伝え、手際よく準備を進める。 まず幕舎の窓を開け、しびれ薬で動けなくなった李邈を机の上に倒すと、顔を窓の方へ向けた。 「馮膺も勝者ではない、真の勝者は我が偉大なる魏だ…私が燭龍だ、驚いたか?」 つづく ( ๑≧ꇴ≦)えー!そのまんま高堂秉なのか〜 苦手な口だったから分かったけど、でも本当に燭龍?どんでん返しに期待! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.10.28 14:44:31
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