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风起陇西(ふうきろうせい) 第十三計「美人の計」 その夜、曹掾(ソウエン)に復帰した馮膺(フウヨウ)の屋敷に陰輯(インシュウ)が訪ねて来た。 孫令(ソンレイ)は姐夫を裏切った男を門前払いにしようとしたが、馮膺は会うことにする。 実は馮膺は陰輯が罪を認めに来たと分かっていた。 陰輯が敵国に情報を売って私腹を肥やしていたことなど、前々から知っていたという。 「だが私がお前を脅したことがあったか?」 すると陰輯は土下座して命乞いし、2度と馮膺を裏切らないと誓った。 一方、五仙道では陳恭(チンキョウ)が密かに牢へ忍び込んでいた。 翟悦(テキエツ)は拷問の末に神仙丹を飲まされ、倒れたままぐったりしている。 「悦児…私だ…しっかりしろ、逃げるぞ」 しかし翟悦は拒否、逃げたら燭龍(ショクリュウ)を捕まえられず、全てが水の泡だという。 どちらにせよ神仙丹には毒消しがなく、手遅れだった。 すると翟悦は自分と一緒に無駄死にするなど陳恭らしくないという。 「これは私にできる最後のことよ…」 翟悦は暗号文を解く鍵が″太平天書″にあると伝えた。 「どの巻かは分からなかった…解読文は…″五仙道の高位にある蜀漢の密偵は女子″… 届いた暗号文は…9…27…15…6…」 しかし翟悦が激しく咳き込んだ。 心配した陳恭は設計図を奪ったら助けに戻るとなだめたが、翟悦は必死に最後まで暗号を伝え切る。 すると翟悦は荀詡(ジュンク)からもらったという猛毒を塗った短刀が欲しいと頼んだ。 陳恭は駄目だと言ったが、翟悦は陳恭の懐から取り出してしまう。 「これから舌を裂くわ…中毒の症状と同じだからあなたも疑われずに済む… 絶対に燭龍を捕まえて…無駄死には嫌よ… 哥に伝えて…私はやり切ったと…恥をさらさなかっ…た…」 間諜としての決断に苦悩し、翟悦を強く抱きしめる陳恭、その時、翟悦の身体から急に力が抜けた。 陳恭は悲しみをこらえ切れず、翟悦の身体に顔を押し付けながらしばし号泣してしまう。 高堂秉(コウドウヘイ)が待っていると馮膺の屋敷から陰輯が出て来た。 馮膺は確かに陰輯を見逃してくれたが、助言したのが高堂秉だと気づいていたという。 「全てお見通しだった…それから言付けがある、″こざかしいことをするな″と…」 一方、孫令はなぜ姐夫が陰輯を許したのか分からなかった。 馮膺は全て心に関わると諭し、自分を裏切った陰輯は後ろめたかったはずだという。 何より自分たちの基盤である司聞曹(シブンソウ)に波乱を起こすことはできず、卑しくとも能力ある陰輯は欠かせない人物だと教えた。 「賢い男だ、今後は私の意のままに動くだろう」 五仙道の大祭酒・黄預(コウヨ)は約束通り、亥の刻に糜冲(ビチュウ)を呼びに来た。 悲しみに暮れていた陳恭は居眠りしていたふりをして涙をごまかし、黄預と一緒に牢へ向かう。 しかし聖姑はすでに死んでいた。 見張りの話では亡くなって半刻ほど、神仙丹を過剰に飲んでの中毒死だという。 翌朝、荀詡は馮膺と高堂秉が紫煙閣(シエンカク)に柳瑩(リュウエイ)を訪ねると知った。 そこで先回りして柳瑩を訪ね、笛を返して欲しいと頼む。 しかし柳瑩は真心を込めて贈った笛を軽々と返したと不機嫌だった。 荀詡はおろろするばかりだったが、柳瑩が急に失笑する。 「…クスッ、からかったのです」 荀詡は急に緊張が解け、これからは笛を肌身離さず持つと約束した。 すると柳瑩は本当の用向きは何かと尋ねる。 確かに荀詡には頼み事があった。 「馮曹掾が君を訪ねると聞いた…官印を借りたい」 柳瑩は恩人である荀詡のためなら見返りも求めず、何でもすると言った。 陳恭は翟悦からもらった宝剣を携え、いよいよ定軍(テイグン)山へ出発することになった。 糜冲を守るのは大祭酒が準備した18人の死士たち、しかしあまりに都合良く聖姑が死んだことから、黄預は念のため関(カン)長老に糜冲の監視を頼む。 「糜司馬が所定の場所から飛ぶか見張れ、いざとなったら手を下せ」 馮膺と高堂秉が昼餉と称して紫煙閣に到着、静かな金沙(キンサ)亭に落ち着いた。 そこへ柳瑩が現れ、馮膺はようやく恩人である柳瑩の顔を知る。 その才気と度量もさることながら、柳瑩は並はずれて美しく、つややかな肌をしていた。 すると高堂秉は定軍山の巡視へ行くと断り、早々に引き上げてしまう。 その頃、荀詡は裏門で待っていた。 すると約束通り柳瑩の侍女・影(エイ)児がやって来る。 影児は荀詡を物置部屋に通して待つよう告げ、どこかへ行った。 馮膺と柳瑩はすっかり意気投合し、酒も進んだ。 しかし馮膺は柳瑩を李厳(リゲン)の元に送り込む計画のため、自分が情にほだされるわけにはいかない。 そこで柳瑩は急に外衣を脱ぎ捨て、一緒に庭にある温泉に浸かろうと誘った。 「何もしませんからご安心を…」 「そこまで言われて断ったら男ではないな」←とは言ってないw 影児は柳瑩と馮膺が温泉に入るのを確認、馮膺が脱ぎ捨てた衣から官印が入った巾着を持ち出した。 「これですか?」 「間違いない、ありがとう!」 「ふふ、柳姑娘を見た時より嬉しそうですね」 ( ̄▽ ̄;)<ぁ…外で待っていて下さい 荀詡は急いで偽装した通行証に馮膺の官印を押した。 そして廊下で待っていた影児に巾着を返し、感謝を伝えて足早に帰って行く。 つづく ( ゚ェ゚)え?…( ゚ロ゚)えーっ!って最近、こんなのばっかりw お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.11.10 22:56:30
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