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カテゴリ:玉昭令 全52話
玉昭令 No Boundary Season 2 第20話 生死盤(セイシバン)は命を入れ替えることができる禁忌の術だった。 端木翠(ダンムーツェイ)は楊鑑(ヨウカン)が止めるのも聞かず、展顔(ヂャンイェン)を救うため自分の命と交換してしまう。 すると死んだはずの展顔が目を覚まし、起き上がった。 何が起こったのか分からず呆然となる展顔、すると視線の先にうなだれている端木の姿がある。 喜んだ展顔は一目散に駆け出し、端木翠を背中から抱きしめた。 「端木!生きているぞ!やっと一緒に暮らせるんだ!…?! どうした?眠ったのか?」 その時、端木翠の死と共に結界が壊れ、楊鑑と小天(ショウテン)が駆けつけた。 「妹子(メイズー)!妹子!…どうしてこんなことを?! 千年前と同じように死んでしまうとは、情を封じた蓬莱での日々は何だったのか…」 「端木シャンシェン!端木シャンシェン!うわ~ん!」 しかし展顔は愛する端木翠の死を受け入れることができなかった。 「…端木、ここは寒い、家に帰って休もう」 展顔は端木翠を抱き上げると、黙って端木草盧(タンボクソウロ)へ帰ってしまう。 。・゜・(ノД`)・゜・。 楊鑑は天兵と共に端木翠を迎えに来た。 上仙が死んだ時は骸を蓬莱に運ばねばならない。 しかし悲しみに暮れる展顔は端木翠を手放そうとしなかった。 「私に会わなければ幸せな上仙でいられたのに… 人間界に引き止めて共に生きたいと願った私が身勝手でした …ですがどうしても離れたくありません」 そこで楊鑑は千年以上も端木を見守って来た義兄として、端木が最も幸せだったのは人間界で展顔と一緒にいる時だったと教えた。 「展顔、そなたは端木に愛されている、これは端木が望んだ結果なのだ 己の命を差し出してもそなたに生きて欲しいと愛と希望を託した、無駄にするな」 すると展顔はようやく端木翠を手放す覚悟ができた。 「端木…神仙の君は何でも意のままだった、だけど君が選んだのは私と生きること… これからの人生を大事にするよ、ちゃんと生きる 私だけの人生ではなく、君のものでもあるのだから…私たち2人の命の時間だ」 その時、端木翠の目に溜まっていた涙がふいに流れ落ちた。 「行ってください、彼女を連れて蓬莱へ、私は大丈夫です …端木、あの世で君に再会するまでしっかり生きたら、こう報告するよ ″私は君が与えてくれた命を1分1秒、真剣に生きて来た、2人分の命だから″と… 君の犠牲、君の選択、君との愛、どれも決して無駄にしない」 展顔は最後に端木翠を抱きしめ、そっと口づけした。 「端木…君がどこにいようと永遠に君を忘れない」 。・゜・(ノД`)・゜・。 三界に平和が訪れ3年が経った。 啓封(ケイホウ)では共に苦難を乗り越えた趙武(チョウブ)と張瓏(チョウロウ)が結婚、張瓏は捕吏の制服を脱ぎ、出産を控えている。 一方、展顔は端木への弔いとばかりに捜査に没頭し、草盧で温孤(オンコ)と一緒に暮らしていた。 温孤は今も紅鸞(コウラン)が必ず帰って来ると信じ、待ち続けている。 そんな2人の姿に青花(セイカ)上仙は心を痛めていたが、展顔は温孤に自分の姿が重なり、紅鸞の死を伝えることができずにいた。 七夕の夜、啓封を流れる川に民が次々と灯籠を浮かべていた。 ちょうど3年前の同じ頃、端木上仙と展顔が人間界に安寧をもたらし、それ以来、民は桟橋に集まっては端木翠への祈りを捧げている。 そんな中、鶴雪(カクセツ)のために灯籠を流す少年がいた。 驚いた上官策(ジョウカンサク)は二蛋(ジタン)に鶴雪を知っているのか聞いたが、鶴雪は二蛋を助けて身代わりに死んだという。 「鶴雪…安らかに」 上官策が鶴雪のために灯籠を流すと、展顔も端木翠の姿絵を書いた灯籠を流した。 …愛はどんな障壁も乗り越える、死が2人を分つとも愛は消えない …この3年間、君を忘れた日はない、君のために祈って来た …端木、君がどこにいても構わない、たとえ木になっても川や牡丹の花になってもいい …達者でいてくれ 。・゜・(ノД`)・゜・。 人間界の3年は蓬莱の3日、楊鑑はまだあきらめず端木翠の治療を続けていた。 しかし生死盤の天罰により傷ついた心臓は仙糸でも縫い合わせることができず、そのせいでどんな仙薬も霊薬も効果がない。 楊鑑は最後の手段として織女(シュクジョ)に頼んで織ってもらった光の糸を使ったが、やはり無駄だった。 「星君、手は尽くされました、天命を受け入れましょう」 神医の宣告を聞いた楊鑑はついに端木翠を帰墟(キキョ)に埋葬すると決意する。 その時、華佗(カダ)神医と月老が駆けつけた。 「星君!見送るのはまだ早い!人間からの願いが蓬莱を取り巻いていますぞ!」 華佗は人間界から届いた3年分の心力をより合わせて作った願いの糸を届けた。 すると驚いたことにその糸が端木翠の心臓の傷を縫い合わせてくれる。 「あと3針ほど縫います、傷が閉じたらあとは天に任せましょう…」 最後の糸は展顔が3年間、端木翠を想い続けて来た愛の糸だった。 端木翠は愛という最も強い力の糸で生還した。 すると上仙が生き延びたと知った雷神が駆けつけ、生死盤を使った罪で端木上仙には罰を受けてもらうという。 楊鑑は三界を救った端木翠への仕打ちに憤ったが、これを利用して端木翠の願いを叶えることにした。 「勝手に生死盤を使ったのは端木が初めてだと?ならば厳しい罰を与えねば…」 そこで楊鑑は禁忌を犯した端木翠の仙籍を剥奪すると宣言した。 楊鑑は密かに司命仙に頼んで端木翠と展顔の運命簿を書き換えた。 これで2人は富と子に恵まれ、平穏に暮らせるだろう。 また端木翠のおかげで神仙に復帰した月老は2人が仲睦まじく過ごせるよう手配し、邪魔者は排除すると誓った。 やがて端木翠は意識を取り戻し、義兄が救ってくれたと知る。 すると楊鑑は義妹を抱きしめ、手はずは整えたと教えた。 「これからはそなただけで進むのだ…」 展顔は延(エン)州の捜査に出かけていた。 すると偶然、恋人を怒らせ、立ちすくんでいる青年を見かける。 展顔は思わず青年に声をかけ、彼女を捕まえておくべきだと忠告した。 「後悔しても時は戻らない」 青年は慌てて恋人を追いかけて行くと、展顔は雪の中を再び歩き始める。 その時、背後から懐かしい声が聞こえた。 「男女の情に詳しいのね?経験から得た教訓かしら?仙女を蓬莱に帰したことを後悔している?」 展顔が振り返るとそこに愛おしい端木が立っていた。 「何よ?嬉しくなさそうね?…いいわ、もう帰る」 驚いた展顔は慌てて端木翠を追いかけ、抱きしめた。 「しばらくこのままで…なんて幸せな夢なんだ、いつもはこの場面で君は消えてしまう」 「夢じゃないわ、戻って来たの…ごめんなさい、長い間、待たせて… 展顔?もう放して、あなたの顔を見たいの」 「放したらまた消えてしまう! この3年、君は毎晩のように夢に現れ、触れようとすると消えてしまった 端木…また消えるとしてもその前に教えてくれないか、元気だったかい?」 端木翠は咄嗟に振り返り、展顔に口づけした。 「あなたなしで元気でいられると思う?…分かったでしょう?夢じゃないわ、戻って来たの」 「早すぎる、まだ不確かだ…もう一度、確認する」 展顔は口づけしようとしたが、端木翠が止めた。 「3年の間にずい分、厚かましくなったわね…」 「端木、人間界にいつまでいられるんだい?…短い間でも気にしないでくれ 君が穏やかに生きられるならそれが一番なんだ」 「大哥(ダーグァ)に言われたの、嫁いだのなら戻ってくるなと…夫婦喧嘩に負けたら戻れる でも大哥があなたを懲らしめに来るわ…とにかくもう戻れないの…」 「悲しそうだからてっきりまた蓬莱に戻るのかと…」 「悲しいのは大哥と離れたからよ、それに私を見た時、あなたは嬉しそうじゃなかったから もう私のことを想っていないのかと…」 「そんなわけないだろう?…私の端木が戻ってきた」 展顔は端木翠を強く抱きしめ、唇を重ねた。 展顔は端木翠が完全に人間になったと知った。 これからは2人、一緒に年を取って行くことができる。 一方、温孤は草盧で独り、今日も紅鸞が残していった香袋を眺めながら悲しみに暮れていた。 すると温孤の強い想いが実り、香袋の中の桃花にわずかに残った紅鸞の元神が人像を作る。 「紅鸞?!」 温孤は紅鸞を抱きしめ、再会を喜んだ。 端木翠と展顔は希望通り男女2人の子をもうけた。 そして数年後、端木翠と展顔たちが朱雀街で買い物していると、小天がこっそり子供たちを物陰に誘い出してしまう。 展顔は露店にいる端木翠を置いて慌てて後を追ったが、横道に隠れていたのは楊鑑だった。 「驥児(キジ)、彎彎(ワンワン)、舅舅(ジゥジゥ)にご挨拶は?」 「舅舅好!」 「舅舅、にゃんちんが舅舅は空を飛べるって言ってた…僕も飛びたい!」 「よし、あとで一緒に跳ぼう」 「私も飛びたい!」 展顔は端木に会わないのか聞いた。 しかし楊鑑は悲しくなるので会わないと強がる。 「それでいいの?」 すると飴細工を買っていた端木翠が現れた。 楊鑑は小天と一緒に草盧に立ち寄り、甥と姪と一緒に遊んだ。 その様子を温孤が紅鸞と一緒に見守っている。 「しばらくいたら?」 「そうですよ、子供たちも喜びます」 「…子供たちが望むというなら数日、遊んでやってもいいがな」 終わり ( ;∀;)ぁぁぁ~終わってしまった~展顔の制服姿が好き過ぎる~ 特に感想はないのですが(ないのかいw)″愛は地球を救う″ということで… どこかでノーカット版の放送を期待しつつ、展顔の新作お待ちしています♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.02.21 22:10:35
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