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カテゴリ:九齢公主~隠された真実~全40話
![]() 君九龄 Jun Jiu Ling 第35話「動かぬ証拠」 突然、方(ホウ)家に舞い込んだ承宇(ショウウ)の訃報。 曹(ソウ)氏たちは絶望の中、弔問客たちの挨拶を受けていた。 すると君九齢(クンジゥリン)たちが駆けつける。 曹氏は跡継ぎを失った悲しみと怒りから九齢につかみかかり、葬儀は騒然となった。 そこで九齢は高(コウ)執事に今日の弔問を終えるよう頼み、客人たちを帰して門を閉めてもらう。 九齢は祖母たちに実は承宇が生きていると明かした。 「祖母、これは承宇と考えた脱出策だったのです、どうか芝居にお付き合いください 楚譲(ソジョウ)の目を欺き、承宇の死を信じさせるのです」 実は承宇は密かに朱瓚(シュサン)が北方へかくまってくれたという。 こうして方家に再び笑顔が戻り、錦繍(キンシュウ)もわだかまりを解いて祖母との再会を喜んだ。 ![]() その夜、曹氏は寝所に九齢を呼んだ。 「世子爺はあなたを好きなのね…もしお前の伴侶になってくれるなら安心できるわ」 九齢は何とも答えられず、それよりまだ方家の危機は去っていないと警告する。 楚譲は取引の痕跡を隠滅しようとするはず、そこで印章以外に楚譲が残したものはないか尋ねた。 曹氏は覚悟を決め、自分の寝所にある密室に九齢を案内した。 実はこの部屋に来るのはこれが2度目になるという。 「老爺が亡くなる前に一度、来たきり、その時に秘密を全て聞いたの、再び入る勇気はなかった…」 隠し部屋には人質の太上皇を解放するため準備されたはずの官銀が残っていた。 太炎3年、この銀子を溶かして馬蹄銀を作り、官銀は私財に化けたという。 曹氏は道を誤った夫に憤り、この銀子で徳盛昌の富を築くと分かっていたら止めていたと嘆いた。 思えば方家を襲った苦難も当然の報いだったのだろう。 九齢はついに動かぬ証拠を手に入れ、感慨で胸がいっぱいになった。 「…事実を白日の下にさらし、皇祖父と父皇の無念を晴らします」 九齢の思いがけない誓いに曹氏は呆然、すると九齢は自らの素性を明かした。 曹氏は慌ててひざまずき、これも方家が欲に目がくらんだせいだと謝罪する。 しかし九齢は自分こそ借りがあると訴え、本物の君蓁蓁(クンシンシン)は自分の身代わりになって亡くなったと教えた。 「祖母…方家の皆さんに守られ、ご親切を受けました、許されるなら蓁蓁のままでいさせてください」 朱瓚は老夫人の寝室に密室があったと知り、なぜ秘密が漏れなかったのか合点がいった。 官銀と印章があれば当時の楚譲の罪を証明できる。 そこで九齢は徳盛昌の荷と一緒に官銀を運び出すと決めた。 いよいよ核心に迫ってきた2人、すると朱瓚は九齢を抱き寄せ、実は両親がよくこうして話をしているという。 「寄り添っていると心も近付くと言うんだ…九齢、いつまでも変わらず君を愛し続けるよ」 ![]() ( ゚ェ゚)・・・ 表向き承宇が亡くなり、九齢と方家の関係も悪化、残るは全国に数十店舗もある徳盛昌をどう処分するかだった。 そこで九齢は祖母たちに分家して減らそうと提案する。 「騒動を起こして3つに分けます、庶民にとって相続争いは格好の話の種だわ」 朱瓚は注目されるほど安全だと言った。 楚譲は袁宝(エンホウ)から方家の報告を聞いた。 葬儀では方家の女たちが泣き叫び、跡取りを失った悲しみに打ちひしがれていたという。 しかもその後、すぐ分家騒動が起きて役所の前で曹氏、劉氏、孫娘たちの罵り合い合戦が繰り広げられていた。 「残された女たちは恐るるに足らずでしょう」 「それは朗報だ」 楚譲は安堵したが、すでに九齢と朱瓚は都へ出発したという。 陸雲旗(リクウンキ)は成国公(セイコクコウ)が北方へ送った密書を奪い、皇帝に報告した。 「…まだ北方の政策に口を出しておる」 楚譲は思わず頭を抱えた。 「分からなくなってきた…誰が忠臣で、誰が偽っているのか」 すると楚譲は独りで考えたいと人払いした。 九齢と朱瓚は途中で車列を離れ、武徳司の追っ手をまいて都に向かった。 張宝塘(チョウホウトウ)と李三氷(リサンヒョウ)は茶楼にいる2人と合流、実は成国公が北方へ文を出しても返信がないという。 「清河伯(セイカハク)の身に何か?」 「偵察を送りましたが、すぐには戻りません」 「あとは屋敷で話そう」 偶然にもその様子を陸雲旗が見ていた。 陸雲旗は仲睦まじい九齢と朱瓚に怒り心頭、すると江百虎(コウハクコ)が実行に移すかと尋ねる。 「ギギギ…もちろん、だが今ではない!」 ![]() ( ゚ェ゚)・・・ 朱瓚は九齢を九齢堂に送り届けて成国公府に帰った。 すると父が皇帝に呼び出されたまま、まだ戻っていないと知る。 その頃、黄誠(コウセイ)は成国公が官兵をけしかけ、北祁(ホクキ)と対立させていると糾弾していた。 朱山(シュサン)は事実だと認め、それが自分のやり方だという。 「何の密書かは存じませんが、北祁への警戒を怠るなと伝えているのは事実です 北祁人の気質はよく知っている、信用できません、一寸たりとも国土は譲れない」 朱山は態度を緩めてはならないと進言し、侵攻は迎え撃つべきだと訴えた。 しかし黄誠は成国公がせっかくの和議を妨げていると非難する。 「北方の官吏や将校に対して上奏が寄せられています 成国公の帰京後、朝廷からの命を聞かず、清河伯も北方では身動きが取れないとか 成国公がいる限り、辺境に安寧は訪れません」 黄誠は朝廷を無視した罪と職権乱用で成国公を処罰するよう嘆願した。 つづく ( ゚ェ゚)・・・ ←何か言えw お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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