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カテゴリ:九齢公主~隠された真実~全40話
君九龄 Jun Jiu Ling 第39話「勝利の後に」 北祁(ホクキ)軍が天侑(テンユウ)に侵攻、ついに城楼で両兵が激しくぶつかりあった。 城門はかろうじて方錦繍(ホウキンシュウ)と陳七(チンシチ)ら民の協力で死守していたが、いよいよ戦鼓を叩く君九齢(クンジゥリン)の元まで敵兵が迫ってくる。 驚いた懐(カイ)王・楚九穃(ソキュウヨウ)は九齢の足にしがみついた。 「九穃!恐れないで!」 「怖くなんかない!」 すると九穃は勇気を振り絞って兵士たちを鼓舞した。 しかし懐王に気づいた敵兵が九穃めがけて走ってくる。 九穃は目をつぶって覚悟を決めたが、その時、背後から飛んできた鉾(ホコ)が敵兵を退けた。 一方、後方にいた北祁太子のもとに急報が舞い込んだ。 「陛下が崩御しました!刺客に暗殺され、二皇子はすでに撤退を… 成国公(セイコクコウ)と清河伯(セイカハク)も迫っています!」 驚いた郁遅海(イクチカイ)は撤退を決め、合図を聞いた北祁の兵士たちは潮が引くように逃げ出した。 九齢と九穃の危機を救ったのは朱瓚(シュサン)だった。 九齢は無我夢中で戦鼓を叩き続けていたが、朱瓚が腕をつかんで止める。 実はすでに援軍が到着し、朱瓚は北祁皇帝の暗殺に成功していた。 城楼にいた敵兵も投降、すると九齢は急に身体の力が抜けて朱瓚の腕の中に倒れてしまう。 その夜、楚譲(ソジョウ)は都が無事だと聞いて喜んだ。 しかし都を救ったのが成国公父子だと知り、朱山(シュサン)を逆賊扱いした手前、民に顔向けできないという。 すると寧雲釗(ネイウンショウ)が謀反の罪を言い出したのは黄誠(コウセイ)であり、誤解した皇帝に罪はないと進言した。 都合よく黄誠は逃亡して行方不明、全ての責任を押し付けることができる。 しかも陸雲旗(リクウンキ)の報告では驚いたことに九齢と賢(ケン)王が皇帝をかばっていた。 九齢たちは皇帝が民に苦難を与えたことを謝罪するため帝陵へ出かけていたが、思いがけず北祁が都を包囲して戻れなくなったと説明したという。 「朱瓚に北祁皇帝を暗殺させ、成国公を動員したのは陛下の策だったと…」 寧雲釗は即刻、都へ戻るよう嘆願、楚譲もすぐ準備するよう命じた。 楚譲は陸雲旗だけを残して人払いした。 確かに弟である賢王には自分をかばう理由があるが、九齢の意図が分からない。 陸雲旗は成国公を許してもらうためではないかと進言したが、楚譲は九齢の自分への当てこすりだと分かった。 「あの女子は団結して都を守るよう民を焚きつけた 今後も誰かを焚き付けて何か企むやもしれぬ…殺せ」 「御意!」 寧雲釗は楚譲が九齢を狙うと分かっていた。 そこで陸雲旗を引き留め、手を組もうと持ちかける。 「寧雲釗、気は確かか?」 「彼女のためだけではない、私の願いは明君が治める太平の世だ」 「なるほど、それで玉璽を隠したのか?」 すると陸雲旗は手を下すのが褒賞のあとだと明かした。 九齢が目を覚ますと朱瓚がいた。 思わず朱瓚に抱きつき号泣する九齢、しかしふと我に返り、楚九黎(ソキュウレイ)と九穃の姿に気づく。 すると朱瓚は姉弟で話せるよう外へ出た。 九黎は楚氏を代表して都を守ってくれた九齢に感謝した。 すると九齢は姉の手を握り締め、家族を守れたことが嬉しいという。 「…花皇后、草皇后、石皇后、土皇后、次から次へと皇后は入れ替わる」 その詩はまだ幼い九齢が作った詩で、九黎と九齢しか知らないはずだった。 「九齢なのね?!」 「姐姐…あの時、怒られてから虫皇后とは遊んでいないわ」 「でもなぜ顔と声が違うの?」 「話せば長くなる…君家の父娘が私を救ってくれた」 九齢はついに真実を明かし、姉弟3人は抱き合って再会を喜んだ。 「これからはどんなことも一緒に乗り越えるのよ、いいわね?」 「そうね、姐姐」 九齢は外で待っていた朱瓚と合流した。 実は方承宇(ホウショウウ)も都へ入り、雲霄閣(ウンショウカク)がかくまっているという。 朱瓚は暗殺の際に深手を負ったことを隠したが、民を守るためなら死んでも悔いはなかったと話した。 すると九齢は朱瓚がいかに大切な存在か身に染みたと訴え、再会したら2度と手を離さないと決めていたと明かす。 朱瓚も九齢が恋しかったと打ち明けた。 「君が隣にいないと何をしても空しい…」 2人は互いの想いを確認し合い、しばし熱い抱擁を交わした。 天侑に平和が戻った。 九齢は朱瓚、成国公、清河伯と共に参内、その功績を認められ山陽(サンヨウ)公主に封じられる。 しかし九齢の顔は強張ったまま、拝跪する様子もなかった。 袁宝(エンホウ)は早く感謝するよう急かしたが、その時、朱瓚が父の謀反の罪が濡れ衣だったと証明されたはずだと上奏する。 そこで楚譲はこれも黄誠の讒言のせいだと話し、黄誠が和議に乗じて姿をくらましたまま見つからないと言い訳した。 「すでに行方を追わせておる、捕まえたら必ずや成国公の名誉を回復しよう」 すると思いがけず賢王が捕縛した黄誠を連れてやって来た。 黄誠は北祁太子の友人だと触れ回っていたが、北祁軍に相手にされず、殺されそうになったところを賢王の配下が救ったという。 朱山はこの場で黄誠の尋問を行うよう嘆願した。 すると寧炎(ネイエン)や武官たちが賛同、楚譲は渋々、黄誠に成国公を陥れたのか追及する。 黄誠は確かに世子に息子を殺され恨みがあったと認め、成国公に謝罪した。 そこで楚譲は黄誠を大理寺で裁くよう命じたが、賢王は敵と通じて忠臣を陥れたのなら、慣例通り肉削ぎの極刑にすべきだと訴える。 楚譲はついに腹心を見限り、黄誠を刑部に引き渡すよう決めた。 「陛下…なんと冷酷な…太炎(タイエン)3年の件をお忘れか!」 動揺した黄誠は思わず口を滑らせ、朝堂は騒然となった。 黄誠は皇帝を恐れて口ごもった。 すると死んだはずの承宇が現れ、方家に残っていた銀子を証拠として差し出す。 それは北祁の人質となった太上皇と交換するはずの身代金だった。 楚譲は慌てて偽物だと声を荒らげたが、朱山は確かに銀子に″太炎3年内承運庫(ダイショウウンコ)″と彫られていると確認する。 「これは太炎3年に朝廷が鋳造した銀子…北祁は身代金をもらえず太上皇を殺めたのだな 銀子は沢(タク)州へ運ばれていなかったのか?!」 つづく ※訂正とお詫び┏○゛ 前回、誤りがありました 北祁軍を率いているのがてっきり皇太子だと思っていましたが、将軍でした( ̄▽ ̄;) 将軍のそばにいるのが皇太子・郁遅海のようです でも…何だかおかしくない? そんなわけで前回のあらすじは直さずこのまま行きます ←直さないのかーいw お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.05.18 14:59:55
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