「カジノ」で潤う、街のダークサイド。
大阪は、いまだ「カジノ構想」を引きずっている。カジノができれば、人が集まり、その地域の経済は潤う。関連する分野はもとより、その波及効果も期待できる。ラスベガスをはじめ、ゴールドコースト、マカオ、韓国などの事例を見れば、経済の落ち込んだ地域は、夢見てしまうだろう。だが、安易に手を出せないでいるには、理由がある。法律の壁だけが問題なのではない。光あるところには、必ず影ができる。金の集まるところには、悪人も集まる。暴力団・犯罪者がうごめく、ダークサイドが生まれるのである。このことが安易に想像できるから、「カジノ構想」は進まない。地域の人びとも当然反対する。私は、ギャンブルそのものを否定するわけではない。自身でも、競馬・パチンコを楽しんでいた時期がある。ほどほどに遊べば、適当な息抜きにはなる。だが、世の中にはのめり込む人が多い。破産するまでやったり、犯罪で得た金を軍資金にするやつまでいる。だから、ギャンブルのイメージは良くないのである。実際、人間を堕落させている。「楽しく遊ぶ」レベルを超える人間がいる以上、ギャンブルを勧めるわけにはいかない。よって、カジノは作るべきではない。……という結論にはなるのだが、ちょっとひねくれた見方をしてみると……。いまの世の中、いずれにせよ犯罪は増えている。カジノが無くても、ギャンブルにのめり込む人間は多い。競馬やパチンコに行っていた人間が、カジノに変わるだけ。暴力団の運営する賭博場に行かなくなる可能性はある。大きなカジノにそうした人間を集めておけば、監視しやすくなる。これらは、カジノの“利点”だと言えるのではないか。もし、カジノができても、現状の影の部分が広がらないのであれば、経済が活性化するというメリットがある分、作る価値が出てくるのかもしれない。カジノの街は、影の部分を持ちながらも、人びとが押し寄せる観光地のように、活気をおびてくる。はたして、これを是とするか否とするか。正しくはないが、間違いとも言い切れない。■人気ランキングに参加しています。 1クリックをお願いします。社会・政治問題ランキング