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2003年10月03日
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テーマ:中国旅行(113)
カテゴリ:カテゴリ未分類
湖はいつの間にか見えなくなり、次第に山が近くなってくる。いったいどこへ行くのかtetywest夫婦には全然わかっていないのだ。やがて、とある集落にさしかかったとき、サンタナは国道214号線を外れて田舎道へと入っていく。

道路の両側は相変わらず水田が広がっているのだが、所々にトウモロコシ畑も見えるようになってきた。それだけ山に近づいたのだ。しばらく水田ばかりの田舎道を走り、また一つの集落を通り抜けようとしたとき、何故か車が前へ進まなくなってしまった。原因は交通渋滞だったのだが、どうしてこんな田舎道で交通渋滞が起こるのかtetywestには理解できなかった。

ちょうどサンタナが停まった場所ではニンニクの集荷が行われていた。道端に昔日本でも使われていた分銅秤を置いてあり、その秤の上にニンニクのいっぱい入った袋を2個ずつ重ねていく。10個積み上げたところで秤量して、荷受係りのおばさんがノートに記録している。秤量が終わると、その袋を一個ずつ肩に担いで道路を横切り、倉庫の中に運び込んでいる。袋の重さは25kg~30kgはありそうなのに、運んでいるのは男性だけではなかった。女性も同じように袋を担いで運んでいる。倉庫の入り口には「○○公司」と書かれた看板が懸かっていた。このニンニクが日本へ輸出されているのだろう。


ニンニクの集荷


依然として車は全く動かない。前方にいたバスが、少し先の広場でUターンして帰って来た。サンタナも同じようにその広場でUターンする。その先は大勢の人夫を乗せたトラックや「田舎のベンツ」でごった返していた。tetywestはようやく交通渋滞の原因がわかった。ちょうどニンニクの収穫作業が終わって、みんなが帰ってくる時間だったのだ。

これを読んだ皆さんの中には、「中国では農作業の通勤に自動車を使うの?」と驚かれた方もいらっしゃるかもしれないしれない。しかし、現実には中国の農家は一戸あたりの栽培面積が30a程度と小さく、自動車を持てるほど豊かな人はまだほとんどいない。多くの農家では、家族のうち何人かは都会へアルバイト(出稼ぎ)に出ている。

では、なぜ交通渋滞が起こるほどの数の車がこの集落に集まっているのだろう?初めて中国へ行ったときならtetywestにもその答えは出せなかったのだが、今はおおよその見当は付くようになった。つまり、この集落(おそらく鎮だろう)では、「請負耕作制度」によるニンニク生産が行われているのだ。

tetywestは、「請負耕作制度」は中国の農業を飛躍的に発展させた要因のひとつだと考えている。まず資本家が優秀な農家に資本を提供する。資本家は農家自身であっても地方政府であってもかまわない。そして優秀な農家は自分の栽培技術や経営ノウハウを生かして、多くの従業員を雇用し農作業をやらせるのだ。交通渋滞が起こるほどの数の従業員が集まっているのは、ちょうど収穫の最盛期なのだろう。こんなときはトラックを臨時にチャーターしているのだ。

日本でも、近ごろ農水省が音頭をとって農業会議あたりで「農業の法人化」を推進している。担い手が少なくなった農業の生産性を維持するには、優秀な農家に農地を集積し、優れた経営ノウハウで農業をやってもらおうという腹積もりのようだ。しかし、tetywestは日本ではそう簡単に上手くはいかないだろうと思っている。この農業形態の場合、成功の秘訣は主に輸出できる作物、あるいは市場価格の高い作物を栽培することなのだ。そして何よりも重要なことは、「安い労働力が豊富に存在する」ことなのだが、日本の場合どちらの条件もクリアするのが難しい。

ともあれ、Uターンしたサンタナは元来た道を3kmほど引き返して、今度は別の道を走り始めた。次第に両側に山が迫ってきて、谷沿いのスネークロードになる。この先、どんどん山奥に入っていくのかと心配していたのだが、谷沿いの道を抜けると開けた盆地に出た。その盆地の真ん中あたりまで走った所で道が二つに分かれていて、「【さんずいに耳】源温泉」の大きな看板が建っている。

サンタナはその温泉の方へ3kmほど走り、太陽が山の稜線に隠れはじめる頃にようやく停車した。大理の市街から1時間半、昆明を出発してから7時間半が経過していた。






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最終更新日  2003年10月03日 12時23分52秒
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