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テーマ:中国旅行(113)
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黒龍澤の周囲は遊歩道が巡っていて、ぐるっと一周するうちに主な建物が見えるようになっている。tetywestは「鎖翠橋」のダム放水路を過ぎる頃から石の橋が気になっていたので、てっきりそちらへ向かうものだとばかり思っていた。ところがwhさんたちは澤から離れて山の中に登っていく。その道は観光コースから外れているのか、ほとんど誰もいない。しばらく歩いて行くとトーテムポールのような門があり、その奥にお寺のような建物があった。
そこへ参拝するのだろうと思いながら建物の中に入ると、お寺ではなかった。東巴文字の土産物ばっかりが並んでいる。 「あれ、ちょっと変だな」 と外へ出て看板を見ると、「雲南省社会科学院麗江東巴文化研究所」といかめしい漢字が並んでいる。tetywestはその看板を見たとき、 「な~んだ、その手の土産物屋さんだったのか」 くらいにしか思わなかった。 「雲南省社会科学院麗江東巴文化研究所」 かつてtetywestは中国の人たちに混じって杭州の西湖を巡ったときに、「杭州茶葉研究所」という場所に連れて行かれたことがある。一体何を見せてくれるのだろうと期待していたのだが、お茶を1杯サービスしてくれて、 「さあ、この茶筒にいっぱい詰めて100元です」 と、お茶の葉を売る土産物屋さんだったのだ。土産にはあまり興味がなかったので、ぐるっと一通り見回して先に建物の外に出る。 東巴文化研究所の庭には一本の木が植わっていた。何気なく見上げると小さな果実が鈴生りに成っている。その果実はあまりに小さくて緑色なので、最初はドングリかと思っていた。しかし、ドングリにしては葉っぱがちょっと違う。階段を登ってもう少し近づいてみて驚いた。何とそれは「柿」だった。 「東巴文化研究所」の庭にあった柿の木 鈴生りの果実 tetywestはこんな小さな柿の実を見たのは初めてだったので、そっと枝を折って写真に撮ることにした。しかし何か比べるものがないと、どれほど小さいのかわからないだろう。とっさに思いついたのがタバコの箱だった。これなら世界共通で8センチ5ミリなのだ。 小さな果実(タバコの箱と比較) なぜtetywestがこんな小さな柿に興味を持ったのかというと、雲南省は「植物の原種の宝庫」と言われていて、この柿はおそらく「柿の原種」に近い品種なのだ。今、我々が食べている農産物は、果物にしても野菜にしても穀物にしても「品種改良」という技術で創られた「人工の植物」なのだが、その改良の歴史を遡っても決して「果実を小さくする」ことはなかった。常に大きいもの、美味しいものを求めて人間は植物を改良し続けて来たのだ。 そして、想像はさらに飛躍してしまう。 以前「ミカンよもやま話(3)」にも書いたのだが、柑橘の原産地はインドのアッサム地方だといわれている。そして紀元前3~4世紀のころ、中国の揚子江流域(四川、湖北、湖南省)に伝わり、経済栽培が始まった。 ところが、雲南省はインドと四川省のちょうど中間にある。ミカンの祖先も「茶馬古道」を経由して、ここ麗江に到着したに違いない。そして、もっと暖かい揚子江流域へと伝わっていったのだ。 「今tetywestはミカンの先祖が通った場所にいる」 そんなことにロマンを感じてしまうのは、やっぱり少し変なヤツなのかもしれないのだが・・・・この柿の実を見つけなかったら、そんな想像をすることはおそらく一生なかっただろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2003年11月09日 11時54分12秒
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